前回の放送は、国際メディアコンクール「ニューヨークフェスティバル」のドキュメンタリー・普遍的関心部門で銅賞を受賞するなど、大きな反響があった。認知症の家族を持つ人などから番組に送られたメッセージを佳秀さんの妻に伝えたが、直接「あの番組見ましたよ」という声も届いていたそうで、取材中には同じ境遇の人の相談に乗ってあげる姿もあったという。

やはり、当事者同士がつながることで、気持ちが和らぐこともあるようで、「少し話すだけでも『ああ、それは分かる分かる。私の体験ではあの頃ね』とか、『こういうときは自分の経験でこうするといいんだよ』みたいなお話になるんです。皆さんそれぞれが勉強しているから、実体験を知りたいというのがあるみたいですね」。

■“家族みんなで一緒に暮らしたい”という夢とリアルな現実

25日に放送される「後編」では、社会人として歩みだした大介さんや、これまで描かれなかった大介さんの姉や兄の様子、そして施設にいる“父ちゃん”の元へ家族が向かう姿などが登場。

「大介さんの“家族みんなで一緒に暮らしたい”という夢と、そこにあるリアルな現実を映し出しています。発掘したビデオの中で、お父さんの『強く生きろよ』という言葉がありますが、大変な生活の中で強く生きる家族の姿を見ていただければ」と予告している。

  • 山田貴光ディレクター

●山田貴光
1970年生まれ、千葉県出身。制作会社・ドキュメンタリー SAMURAI代表取締役。『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ)では『ボクと父ちゃんの記憶』のほか、『ボクらの丁稚物語』『ここが わたしの居場所』などを手がける。ほかにも、『ドキュメント にっぽんの現場』(NHK)、『ガイアの夜明け』(テレビ東京)、『奇跡の地球物語』(テレビ朝日)、『夢の扉プラス』(TBS)といったテレビ番組のディレクターや、『わたし家具職人になります』、『あい ゆめ わ 出会いのアート』といった映画の監督を務める。