日本テレビ系ドキュメンタリー番組『NNNドキュメント’22』(毎週日曜24:55~)では、人前で話すことができない少女と家族を追った『みいちゃんのお菓子工房 ~場面緘黙症 少女の夢~』(読売テレビ制作)を、きょう18日に放送する。

  • 杉之原みずきさん

滋賀県近江八幡市に住む中学3年生の杉之原みずきさん(14)。“みいちゃん”と呼ばれる彼女は、「家」では話すことができるが、学校など「人前に出る」と極度の緊張や不安によって話すことができなくなる「場面緘黙症」という障害だ。自宅を一歩出ると、動くことができない「緘動(かんどう)」という症状が出ることもあり、場面緘黙症の中でも重い部類と診断され、療育手帳2級を取得した。

今は、滋賀県野洲市にある特別支援学校に通っている。手も洗うことができず、トイレにも行くことができないため、登校するのは週に1回、わずか1時間だけだ。

「場面緘黙症」だと分かったのは、小学校の「就学前検診」。学校には、毎日通っていたたが、水を飲むことができない、給食を食べられない…という日が続き、4年生で不登校になった。そんなときに、出会ったのがお菓子作り。家族も驚く早さで上達し、「自分のお店を持ちたい」という夢を持ち始める。みいちゃんの隠れた才能を知った両親は、サポートしたいと考え、お金を工面し、2年前、自宅の近くに「みいちゃんのお菓子工房」をオープン。「娘の障害の克服につながってほしい…」という願いがあった。

みいちゃんは、お菓子作りをしているときには、取材のカメラの前でも動くことができるように。だんだんと自信をつけていく一方、店内での接客はできない。買い出しに行くこともできず、母・千里さん(49)は、自宅を一歩出ると何もできないみいちゃんの状況や将来を案じている。

“場面緘黙症の少女が作るケーキ”は、SNSなどで話題となり、予約は2カ月待ちの人気店となった。東京パラリンピックの聖火ランナーにも選ばれ、周囲の期待は大きくなるばかり。ところが、みいちゃんはいつしか負担を感じるようになっていた。昼夜逆転の生活にも陥り、精神科で“うつ病”と診断されたのだ。

「場面緘黙症」の数少ない研究者の一人、長野大学の高木教授(42)のもとには、全国から毎週のように相談者が訪れる。母・千里さんから、みいちゃんの様子を聞き取った高木教授は「まずは、今ある、みずきさんの負担を取り除くことから始めましょう」とアドバイス。母は、去年のクリスマスケーキの受注を、例年1日に10個だったものを3個まで減らすなど、みいちゃんが自分のペースを取り戻すことができるよう、サポートを始めた。

場面緘黙症を乗り越えて、「ケーキでみんなを笑顔にする」という夢を叶えるために…。番組では、みいちゃんと家族のありのままの日常を伝え、この障害に対して、社会がどう向き合い、支えていくべきなのかをみんなで考えるきっかけを目指す。

ナレーションは、大塚寧々が担当する。