世界180以上の国々で「I.W.ハーパー」や「タンカレー」などのブランドを展開する英国大手酒造企業ディアジオ。そのアイリッシュウイスキー「ROE & CO(ロー アンド コー)」が9月6日より発売。その日本初上陸にともなう発表会&試飲会で、開発のコンセプトや味わいの特徴を探ってきた。

スコッチやジャパニーズを抑え高成長率を記録するアイリッシュウィスキー

“バーテンダーによる、バーテンダーのために生まれたブランド”をコンセプトに、アイルランドのバー文化をリードする5名のバーテンダーの監修で誕生した「ROE & CO」。その最大の特長が、ハイボールなどのウイスキーカクテルにぴったりな味わいだ。

「2014年からの数字では、アイリッシュ自体の年間平均成長率が15%と文字通りの右肩上がり。国内でもアイリッシュの需要、人気が非常に高まってきています」と、ディアジオ ジャパンのマーケティングマネージャー・尾崎圭氏は語る。

  • ディアジオ ジャパン マーケティングマネージャーの尾崎圭氏(左)と、ブランドアンバサダーのリッキー・コーエン氏(右)

アイリッシュウイスキーは現在、世界的にもスコッチウイスキーやアメリカンウイスキー、ジャパニーズウイスキーなどを抑え、年間平均成長率で8%増と、最も高い成長率を記録。日本での年間平均成長プラス13%を記録するなど、今後さらなる市場の成長が見込まれ、日本のウイスキーカテゴリの中で大きなポテンシャルを持つという。(いずれもIWSR:2015~2020 販売量を基に算出)

“カクテルにしても存在感と魅力を発揮するウイスキー”を目指して開発された「ROE & CO」に、高い期待を寄せる。

「『ROE & CO』では女性をコアターゲットにブランドコミュニケーションを行い、バーテンダーはもちろん、日本のカルチャーやトレンドをリードする若い世代に選ばれる商品へ育てていきます。これは若者にバーカルチャーを浸透させていくことを念頭に活動している当社のスローガンにも通じるもので、『ROE & CO』はこうした当社の活動の一翼を担う重要な商品です」

バーで目に留まるよう、ボトルデザインにもこだわりが

「ROE & CO」の「ROE」には、アイリッシュウイスキーの先駆者ジョージ・ローへの敬意を、「CO」には「コラボレーション」「コミュニティ」「カクテル」の3つの意味を込めている。

「ジョージ・ローの名前を頂いたのは、単に高品質のウイスキーを世に送り出した功績だけでなく、彼のコミュニティに対する愛情への敬意があります」と語るのは、ブランドアンバサダーのリッキー・コーエン氏。

ジョージ・ローはアイリッシュウイスキー黄金時代の19世紀後半に世界的なウイスキーメーカーを創設。世界で飲まれるウイスキーの6割をアイリッシュウイスキーが占めたとされた時代に、ヨーロッパ最大の蒸留所をアイルランドの首都・ダブリンの中心街に所有していた人物だ。そのウイスキーは、第一次世界大戦や禁酒法などの影響による蒸留所の閉鎖で“幻の名品”となった。

  • 「ROE & CO(ロー アンド コー)」700ml、オープン価格

ボトルのデザインは、その蒸留所のシンボルとして今も残るセントパトリック塔と梨の木をモチーフに、ウイスキーラベルとしては珍しいティールカラーを採用した。

「ラベルはアイルランドの首都ダブリンのランドマークである、セントパトリック塔の屋根の色。ボトルの形状はセントパトリック塔をイメージした丸みのある形で、角のない味わい、なめらかで優しい味わいを表現しました。中味の面でも洋梨のようなさっぱりとしたフルーティーな風味が奥底から少し立ち上がってくると思います」

  • ボトルの底には洋梨型のくぼみが

厳選されたアイルランドの麦芽から生まれた最高峰のモルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドし、まろやかでクリーミィな風味と甘味など味わいのバランスを追求。バーボン樽で熟成させ、やわらかく新鮮な果実の風味を引き出した。

トニックウォーターで提案するハイボールの“おもしろい味わい”

アルコール度数は45%とウイスキーとしては中間的な強さで、フルーティさとほのかなスパイシーさが調和する、贅沢で洗練された深みのある味わいだ。

「日本のバーで最も多いウイスキーの飲み方は、ハイボールです。最近は欧米でも人気が出てきていますが、『ROE & CO』のハイボールは炭酸水ではなく、トニックウォーターで提案しています。トニックウォーターの若干の苦味や甘味が、ウイスキーの奥底にあるうま味を引き出してくれるため、とてもおもしろい味わいになります」

またシュガーシロップ、苦みのあるアルコール飲料「アンゴスチュラ ビターズ」、オレンジの皮のすりおろしを材料とするオールド・ファッションドも、おすすめの飲み方として提案する。より時間をかけてゆっくり飲む大人のカクテルとして、日本でも徐々に人気となっている飲み方だ。

「アメリカなどではウイスキーカクテルと言えば、オールド・ファンションドです。世界で飲まれているカクテルランキングでもトップ5に入り、『オールド・ファッションドがわかればカクテルのベーシックがわかる』とも言われます」

さまざまなカクテルと相性が良く、ウイスキー本来のクオリティが試されるカクテルで本領を発揮する「ROE & CO」。ディアジオ ジャパンではパイオニア社とコラボし、女性DJを起用したバー×フェスがテーマのイベント「FESTBAR」を開催するなどのプロモーションも予定している。