結婚披露宴などで聞く機会が多い「中座」という言葉。なんとなく意味を知っているものの、「離席」「退席」などの似た表現との違いがわからない人もいるのではないでしょうか?

今回は、「中座」「離席」「退席」の意味や違い、それぞれの使い方を豊富な例文つきで詳しく解説。英語表現なども紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

「中座」「離席」「退席」の意味とは

  • 中座とは

    「中座」「離席」「退席」の意味や、それぞれの言葉の使い分けなどを例文とともに紹介する記事です

まずは、「中座」「離席」「退席」のそれぞれの意味を紹介します。

「中座」の意味と読み方(ビジネス/結婚式)

ビジネスシーンをはじめ、日常的に使われる「中座」の基本的な意味は、「集会や談話、用事などの途中で席を外すこと」です。

今日では特に結婚式の披露宴などにおいて、お色直しをする新郎・新婦が会場から一時的に離れることを「中座」と表すことが多いです。

なおかつては新郎・新婦が同じタイミングで中座することが多かったのですが、昨今ではお色直しにより時間が掛かる新婦が先に中座するケースが増えています。

その場合、ゲストの中からエスコート役を指名して、一緒に会場を後にするのが定番の演出です。

読み方は「ちゅうざ」です。

「離席」の意味と読み方

「離席」は文字通り「自分の席を離れること、席を外すこと」を意味する言葉です。

例えば、会議中に緊急の電話が入ったためそれまで座っていた席を立ち、一時的にどこかへ行くことなどが「離席」にあたります。

読み方は「りせき」です。

「退席」の意味と読み方

「席から立ち去ること」や「その場をさがること」という意味の「退席」。

「しりぞ(く)」とも読み、「引き下がる」という意味を持つ漢字である「退」が入っていることからもわかるように、その場を立ち去って、いなくなってしまうというニュアンスが込められている言葉です。

読み方は「たいせき」です。

「中座」と「離席」や「退席」との違い

  • 「中座」「離席」「退席」の違いを見ていきましょう

    「中座」「離席」「退席」の違いを見ていきましょう

「中座」「離席」「退席」はそれぞれ席を外すことを意味していますが、細かいニュアンスが少しずつ異なっています。

ここからは、「中座」と「離席」や「退席」との違いに関して詳しく解説していきますので、混同しないようにポイントを押さえておきましょう。

「中座」と「離席」の違い

「集会や談話、用事などの途中で席を外すこと」を意味する「中座」と、「一時的に自分の席を離れること」を表す「離席」。

2つの言葉のニュアンスは似ていますが、「中座」が戻ってくるかどうか定義されていない言葉である一方、「離席」は「一時的に離れたものの戻ってくること」を意味する言葉となります。

また「中座」は結婚式や会食など、主にプライベートのイベントで使用されることが多い言葉ですが、「離席」はビジネスシーンで使用されることが多いという点も異なります。

それぞれの言葉の意味合いや使用シーンを理解しておき、使い分けられるようにしましょう。

「中座」と「退席」の違い

「退席」は、席を外した後に戻らないことを意味する言葉です。

例えば、会議中などに「申し訳ございませんが、退席させていただきます」と申し出があった場合、該当の会議にその人物が戻ってくることはありません。

これは「中座」はもちろん、「離席」とも大きくニュアンスが異なるポイントですので、正しく使用するためにも覚えておくといいでしょう。

「中座」「離席」「退席」の使い方と例文

  • 「中座」「離席」「退席」の使い方や使用シーンなどを、例文とともに理解しておきましょう

    「中座」「離席」「退席」の使い方や使用シーンなどを、例文とともに理解しておきましょう

それぞれ「席を立つこと」を意味するものの、細かいニュアンスや使用シーンなどが異なる「中座」「離席」「退席」。誤用を避けるためにも、具体的な使い方を例文で確認しておきましょう。

「中座」の例文

・披露宴の途中で新婦が中座する際、お母さまがエスコート役に選ばれ、会場全体から温かい拍手が送られた。

・せっかくこのような会合を開いていただいたのに申し訳ないのですが、夜から予定がありますので中座させていただきます。

・集会を中座した人がそのまま戻ってこず、司会者や運営者などが困り果てていた。

・新郎新婦が中座している間にお手洗いに行っておきたかったが、同じ会場に居合わせた昔の友人から代わる代わる声を掛けられ、タイミングを逃してしまった。

・新郎新婦が中座している間の演出としてビデオレターが流され、会場は大いに盛り上がった。

「離席」の例文

・お客さまからのご連絡をずっと待っていたが、タイミング悪く、一瞬の離席中に電話が掛かってきていたようだ。

・申し訳ございませんが、これから1時間ほど離席いたします。その間何かあれば携帯電話に連絡してください。

・体調が悪い場合などは仕方ないが、会議中の離席はできるだけ控えるべきだ。

・在宅勤務中に離席する際は、必ずチャットツールでほかのチームメンバーに知らせてください。

「退席」の例文

・用事がある人は、途中で退席していただいても構いません。ただし、お静かにお願い申し上げます。

・非常に興味深い内容だったが、所用で退席せざるを得なかった。

・ルールやマナーを守れない方に関しては、途中で退席していただきます。

・上司から緊急の連絡があり、大事な打ち合わせの途中だったが退席することになった。

・何か理由をつけて退席しないと、次の商談に遅れてしまいそうだ。

「中座」「離席」「退席」の英語表現

  • 「中座」「離席」「退席」の英語表現も併せて覚えておきましょう

    「中座」「離席」「退席」の英語表現も併せて覚えておきましょう

日本語では細かいニュアンスの違いがある「中座」「離席」「退席」ですが、英語で表現する場合は、基本的に動詞「leave」を使ってすべて表現できます。

例文

・I'm sorry, but I'm going to leave for an appointment.
(申し訳ございませんが、約束があるため中座いたします)

・I have to leave due to a call from my supervisor, but I'll be back in about 30 minutes.
(上司から連絡があったため離席しますが、30分ほどで戻ります)

・He left an important conference before it was over.
(彼は重要な会議が終わる前に退席してしまった)

「中座」「離席」「退席」の意味や違いなどを覚えておこう

「中座」は「集会などの途中で席を外すこと」を意味しており、現在では結婚披露宴やパーティーなどで使われることが多い言葉です。

「離席」や「退席」などの言葉と似ていますが、使用されるシーンや細かいニュアンスなどが異なるため、それぞれの意味や使い方をよく理解しておきましょう。

「中座」「離席」「退席」の例文や使い方、英語表現なども覚えておき、正しく使い分けられるようになりましょう。