俳優の中村蒼が、日本テレビ系ドラマ『家庭教師のトラコ』(毎週水曜22:00~)の見どころなどを語った。

7日放送の第8話では、トラコ(橋本愛)が一方的に家庭教師を辞めることを母親たちに告げる。何でもやるから戻ってほしいと懇願する母親たちにトラコが出した条件は、3人合わせて10億円の授業料を払うこと。あっけにとられる母親たちに、トラコは「皆さんにしかできない方法で10億稼ぐ方法がある」と教える。そして、幼なじみでトラコの秘書の福多(中村)が、17年前に犯した過ちをトラコに告白する。

  • 橋本愛(左)と中村蒼=日本テレビ提供

――7話でトラコと福多の過去が明らかになり、8話ではさらなる展開が予想されます。現場の雰囲気はどうですか?

これまでは福多のマンションで物事が解決したあとにトラコに「良かったね」とか、心配はしてるけど「やりすぎるなよ」などという比較的明るめのシーンが多かったのですが、過去の出会いのシーンなどもあって7話で一気にシリアスな感じに変わりましたね。常にいろんなことを考えながらそれぞれのキャラクターが日常を過ごしているので、やっぱりみんなちょっと違うと思います。

――3人のお母さん方とのお芝居はいかがですか?

ここまで他の方とお芝居する機会が意外となかったので、3人のお母さんと話したり、子供たちと接するシーンがあったり、個人的には凄く新鮮なシーンがいっぱいある感じです。今までは関わってるようで直接関わっていなかったので不思議な感覚です。

――福多を演じるにあたって気を付けていることはありますか?

トラコと福多の関係は、最初に制作陣から少し聞いていたので、序盤からトラコに対する気持ちは一貫して順調にやれているかなと思います。7話以降は福多の過去や、トラコとの場面で出演シーンが増えるので「頑張ろう」という覚悟はこれまで以上に強くなってきていますけど、役に対するアプローチは変わらずにやれていると思います。

――8話では自身の過去をトラコに告白する場面がありますが?

福多は優しい性格でトラコのために行動したり、自分のことを引き取ってくれた里親のために頑張ってきたりしていた人間なのですが、後半で自分がやった過去を告白するところは、ひどい人間と言えばそうなので、そこのバランスというか、今後の展開でも「実はすごい悪い男だったんだ福多は」って思われないように表現するのは難しいなと思いながら、なんとかやっています。

――トラコを演じる橋本さんをどう見ていますか?

いろんな顔をもって、常に怒りを抱えて、世の中に対する不平不満みたいなものを抱えながら生きているし、常にいろんな感情が沸き出てくるキャラクターだと思うので、「変な人間」というふうにどうしてもなりがちですけど、素のトラコがあったうえで3家庭に合わせて演じている。5年前の再会シーンでは黒づくめのトラコが出てきましたが、物語が先に進んでみないとトラコってこういう人間と予想ができない。そういう先が見えない中で演じるのは凄く難しいことだと思うので、そこが自然につながって演じられているのは素晴らしいなと思います。意思が強いのだけれど、その中で孤独とか弱さを橋本さんが表現されているのですごいなと思います。

――過去に共演した橋本さんとは違う部分はありますか?

初めてご一緒したのは橋本さんが10代の頃でしたが、お芝居とか、橋本さんが持っているものの凄さはその時からありましたし、だからこそ常に第一線で活躍されてると思うので、僕が変わったなと思うのは人柄とかですかね。「こんなに大きな声で笑うんだ」と。前回は舞台でご一緒したのですが、その時から「こんなにオープンな感じなんだな」ってまた改めて思いました。

――物語も終盤ですが、福多が今後どのようになることを期待していますか?

きっと福多もトラコとともに順調に物事が進んでいくとは思っていなかったと思います。いつか自分がしてしまったことを知らせるべきだと思いながら仕事をしていたと思うので、こうやって関係が崩れてしまうことはどこかで想像していたはず。そうなったときに福多がそれとどう向き合っていくのか。トラコに対するいろんな気持ちがあるので、本当に自分のやりたい気持ちにフタをしめて生きていくことを決めて、また進んでいくと思います。希望としては「福多の思うままに素直に生きてもらえたらいいなと思います。良い両親に世話してもらい、何の不満もないと思うんですけど、でも認めてもらいたい。福多はわりと人のためにという思いが強い人間なので、幸せだったとは思いますが、「最後くらいは自分のために行動してもらえるといいかな」と思います。それによってもしかしたらどこかで人が傷つくかもしれないですが、福多を演じているからこそそう思います。

――福多とトラコの関係はどのようになっていくのでしょうか?

ここからお互いに対する思いを伝えあったりする場面もでてくるので、本当に最後の最後までいろんな面が見えるドラマだなと思います。

――最後に、怒涛の8話の見どころを教えてください。

今回、福多が過去にやったことをトラコに告白し、いままで積み上げきたものが一気に崩れていくような回になっています。それは福多とトラコもそうですし、トラコと知恵・高志・守という生徒たちとの関係も同じで、1回すべてがぐしゃぐしゃになってしまう8話なので、その崩れていくさまを見て頂ければありがたいです。そして、そこからどう立ち上がって、また再生していくのか?そこを今後楽しみにして頂ければと思います。