• 猫に関することわざ

    猫に関する言葉にはさまざまなものがあります

今回は猫に関することわざや慣用句をご紹介します。

猫は私たち人間と長く一緒に暮らしてきた歴史があり、一緒に過ごす家族として猫を飼う人も多く、人気な動物です。それだけに多くの人がイメージしやすく、ことわざや慣用句などにも使われています。

猫に関することわざや慣用句を覚えて、表現の幅を広げてみましょう。

猫に関することわざと例文

  • 猫に関することわざ

    猫はさまざまなことわざに登場します

猫は私たち人間にとって、もっとも身近な動物といっても過言ではありません。長い歴史の中で、人間は猫とともに暮らしてきました。それだけ身近な存在ということもあり、猫に関することわざは数多く存在しています。

ここでは猫が登場することわざの中でも有名なものや、日常会話やビジネスシーンなどで使いやすいものをピックアップして、その意味と例文をご紹介します。

猫を追うより魚をのけよ

魚は猫の好物とされているため、セットで登場することわざは多いです。その中でも代表的なのが、「猫を追うより魚をのけよ」です。

猫が魚を狙っているのであれば、その猫を追うのではなく、魚を隠すべきであるという意味で、物事の抹消にこだわるのではなく根本を正すべきだということを表しています。

猫は一度追い払ったところで、魚がそこにあると知っている以上また取りに来るため、追い払う行為にあまり意味はありません。それよりも魚を隠してしまえば、猫に魚を取られることはなくなりますよね。

「猫を追うより皿を引け」と表現されることもあります。意味は同じなのでそのまま置き換えられることわざです

■例文

  • 猫を追うより魚をのけよというように、もう少し根本的なところを改善しようよ
  • 猫を追うより魚をのけよともいうし、その細かいエラーを一つずつ直すのではなくて、システム自体を変えてしまった方が早いと思うよ

猫にまたたび

またたびとは漢字で木天蓼と書き、植物の一種です。産地は日本全国各地に分布しています。食用や漢方薬などにも使われますが、特に猫の好物として知られている植物です。

「猫にまたたび」とは好物のことを表すことわざです。「それは猫にまたたびだ」といった形で日常会話などでも多く使われます。

■例文

  • 猫にまたたびというように、息子にはチョコレートをあげれば上機嫌になる
  • 彼女はどんなに不機嫌なときでも化粧品をプレゼントすれば機嫌を直して喜ぶので、猫にまたたびだ

猫の手も借りたい

猫に関することわざの中でも特に広く知られており、日常会話やビジネスシーンなどでも使われることが多いのが「猫の手も借りたい」です。

猫は人間の仕事などを手伝うことができません。そんな猫の手を借りたいほどに忙しい、あるいは人手が不足していることを表すことわざです。

■例文

  • 急激に依頼が増えたので猫の手も借りたいくらいに忙しい
  • 年末ということもあって猫の手も借りたいくらいだ

窮鼠(きゅうそ)猫を噛む

猫は鼠(ねずみ)の天敵として知られており、セットでことわざに登場することがあります。「窮鼠猫を噛む」は、追い詰められた鼠が猫に噛みつく(攻撃する)ことを意味することわざです。弱者であっても、追い詰められることで相手が強者や天敵であっても反撃する場合があることのたとえとして使われます。

■例文

  • 有利な状況だが窮鼠猫を噛むというので油断しないように
  • 相手は強いが窮鼠猫を噛むというように一矢報いることも大切だ

鳴く猫は鼠を捕らぬ

猫は、かつては鼠を捕らせるために飼う動物でした。鼠はお米などの食料をかじったり荒らしたりするのみでなく、疫病などの媒介になる場合もあるため、人間が生きていくうえで鼠を駆除することは重要でした。

「鳴く猫は鼠を捕らぬ」は、よく鳴く猫は実際には鼠を捕らないという意味で、そこからよくしゃべる人ほどかえって実行しない、仕事をしないといった意味合いで使われるようになったことわざです。

■例文

  • 鳴く猫は鼠を捕らぬというように、彼はいつも職場で偉そうに自分語りしているくせに仕事を全然してくれない
  • 彼は鳴く猫は鼠を捕らぬというやつで、口ばかりで行動には移さない

猫の首に鈴を付ける

「猫の首に鈴を付ける」は、イソップ寓話集の一遍が由来のことわざです。

鼠たちは天敵である猫からどうしたら逃げられるかと議論をし、一匹の鼠が、猫が近づいてきたらすぐに気付いて逃げられるように、猫の首に鈴を付けることを提案しました。周りの鼠たちもその提案に賛成しましたが、その鈴を誰が猫につけるのかという話題になった途端黙り込んでしまい、誰も実行しなかった、という話が由来です。

このように、「猫の首に鈴を付ける」には、いざ実行するとなると誰も引き受けず、実行が困難なことのたとえを表します。

■例文

  • 企画書を見せたらみんな口をそろえて賛成だと言っていたのに、いざプロジェクトのメンバーを募ったら応募者0人で、猫の首に鈴を付けるという状態だ
  • 猫の首に鈴を付けるということにならないよう、我々で実現することが可能なプランを立てよう

猫も跨いで通る

「猫も跨いで通る」は、猫でさえ関心を示さず跨いでしまうほど、鮮度や味が劣った美味しくない魚を表す言葉です。魚だけでなく、味の悪い食べ物や、誰も興味や関心を持たないものを指す言葉として使われることもあります。

■例文

  • あの店の料理は猫も跨いで通るようなものばかりだ
  • 作ってもらったのに本当に申し訳ないが、さすがにこの味付けは猫も跨いで通るレベルだ

猫に関する慣用句と例文

  • 会話で使いやすい猫に関する慣用句と使い方を例文で

    猫に関する慣用句も使いこなせるようになりましょう

ことわざだけでなく、慣用句にも猫に関するものが数多く存在します

ここからは会話などで使いやすい猫に関する慣用句の意味や使い方をご紹介します。

猫の額

猫は顔がとても小さい動物です。一方で目や耳が大きいためその分額は狭いという特徴があります。この特徴から、狭い土地や狭い場所などのことを「猫の額」と呼びます。

■例文

  • 我が家には猫の額ほどの庭しかない
  • 猫の額ほどの敷地では使い道がない
  • 猫の額ほどの広さの空き地ながら子どもたちが遊ぶには十分だ

猫も杓子(しゃくし)も

「だれもかれも」や「何もかも」といった意味で使われるのが、「猫も杓子も」という言葉です。

杓子とはしゃもじのことを指す言葉であり、由来にはとんち話などで広く知られる一休さんの「一休咄」に登場する一文だという説や、お釈迦様のことを表す釈氏が転じて杓子となったという説、しゃもじを持つことの多い主婦のことを表し、どこにでもいるありふれた存在という解釈で使われるようになったという説もあります。

■例文

  • 今日では猫も杓子もスマートフォンに夢中になっている
  • この高級住宅街では猫も杓子も高級車に乗っている
  • 昨今はテレビをつけると猫も杓子もバラエティ番組ばかりだ

猫の子一匹いない

猫はどこにでもいるありふれた存在として、たとえに使われることが多い動物です。「猫の子一匹いない」という言葉は、人はおろか猫すらいないほどにがらんとした場所のことを表す言葉です。

■例文

  • 連休に入ったオフィスビルには猫の子一匹いない
  • 飲食店が営業自粛をしているので、繁華街なのに猫の子一匹いない
  • 悪天候で試合が中止になったため、スタジアムの周りには猫の子一匹いない

猫に小判

「猫に小判」とは、高い価値があるものでも、価値が分からない人に与えては無意味であるということを表すことわざです。小判は人間が持ってはじめて価値があるものとなり、猫に与えても猫にとっては無意味なものであることから、この表現が使われるようになりました。

似た意味を持つ慣用句は多く、「豚に真珠」「馬の耳に念仏」「犬に論語」などが挙げられます。

■例文

  • 機械音痴の彼にハイスペックPCをあげるのは猫に小判だ
  • 下戸の彼に年代もののウイスキーをあげるのは猫に小判だよ

猫の眼

猫の眼は明るさや時間帯などによって様子が変化します。そのため、非常に変化しやすいことを「猫の眼」とたとえます。

■例文

  • 彼女はまだ若いこともあって猫の眼のように夢や目標が変わる
  • 世界的な情勢の変化によって政策が猫の眼のように変わってしまう
  • 彼は気まぐれなので猫の眼のように機嫌が変わる

猫撫で声

猫が人に撫でられたときに媚びるように出す優しい声から、相手の機嫌をとったり、媚びたりするときに出す声を「猫撫で声」といいます。

■例文

  • 彼女は猫撫で声で男友達に頼み込んだ
  • そんな猫撫で声でお願いされても、これ以上は何もできないよ
  • 子どもに猫撫で声を出されると、ついつい甘やかしてしまう

猫被(かぶ)り

本性を隠して大人しくすることを「猫被り」といいます。特に、女性が人前で清楚なふりをすることを表す場合が多いです。また、物事を実は知っているのに知らないふりをすることを「猫被り」ということもあります。

■例文

  • 彼女は猫被りをしがちだが、実際はもう少し活発な性格だ
  • はじめての人と会うときは猫を被ってしまいがちだ
  • 知り合ってしばらく経ってから彼女が猫被りだったことが分かった

猫足

猫は鼠などの猟をする生き物であることから、獲物に気付かれずに移動するために音を立てずに歩くことができます。その様子から、音を立てずに歩くことを「猫足」と呼びます。

■例文

  • 子どもが寝ているので猫足で部屋まで歩いて行く
  • 深夜なので人に迷惑をかけないように猫足で移動する
  • 彼が猫足でやってきたのでまったく気付かなかった

借りてきた猫

猫はペットとして人気の人懐こい動物です。その一方で、警戒心も強いことから普段とは違う場所や環境に連れて行かれたり、知らない人がいたりすると、大人しくなってしまうことがあります。

その様子から、普段とは違って大人しくしている様子のことを「借りてきた猫」といいます。

■例文

  • 彼は普段はよくしゃべるのに、今日はまるで借りてきた猫のように静かだ
  • 緊張のせいか、彼は借りてきた猫のようになっている
  • うちの子は人見知りが激しく、外では借りてきた猫のようになってしまう

猫に関することわざや慣用句を知って使いこなそう

  • 猫に関することわざや慣用句を知って使いこなそう

    猫に関する言葉はいろんなシーンで使えるものです

猫は歴史的にも古くから人間と一緒に暮らしてきた動物で、私たちにとって身近な存在です。それだけに、猫が登場することわざや慣用句などはとても多く、さまざまなシーンで使われています。

今回ご紹介した猫に関することわざや慣用句などをうまく使いこなして、コミュニケーションに活かしてください。