レストラン検索・予約サイトの最大手「食べログ」がこの度、「カレー百名店2022」を発表した。

やはり夏は身体が自然とカレーを欲する季節である。スパイス効果で全身の発汗作用を活性化し、身体をクールダウンさせる。それが由緒正しき日本の夏の乗り切り方だろう。そんな時季に最新のカレー百名店を選出してくれるとは、実にタイムリーだしありがたい。食べログさん、サンキュー!!

ということで、さっそくトレンドに乗っかって、今回選出されたお店をいくつか味わってみたい。まず向かう先はやはり、ここしかないだろう。カレー界のキング・オブ・キングス「ボンディ」だ!

カレー界の絶対王者「ボンディ」の実力とは

最初に「カレー 百名店」について補足しておこう。

食べログはさまざまなジャンルの「百名店」を毎年集めて更新しており、そのジャンルは寿司、ラーメン、エスニック、うなぎ、焼き鳥……などなど、実に多岐に渡る。

ぶっちゃけ、食べログ上で星3.4以上を獲得しているお店に外れはない。しかし、都市部には星3.4以上のお店など数多く存在するし、そうなるとなかなかいいお店が絞りづらいという問題も出てくる。そんなとき、食べログの「カレー 百名店」を参考にすれば、まさに勢いに乗っている旬の名店が一発で丸わかり……ってわけだ。

やや前置きが長くなったが、今回向かったのは、百名店の常連である「欧風カレー ボンディ 神保町本店」。カレーの街・神保町に本店を構え、権威ある「神田カレーグランプリ」では初代王者に選ばれた超有名店である。創業は1973(昭和48)年で、「欧風カレー発祥の店」とも囁かれている。

筆者も個人的に何度か訪れているが、その実力は本物……だったと思う。……多分。

いや、実はコロナ禍のせいもあって、最後に訪れたのがもう4~5年も前なので、ハッキリとその味を覚えているわけではないのだ。毎回食べるたびに感動していた記憶はあるし、知人たちも「ボンディは美味い」と口を揃える。今さらクオリティの高さを疑うわけではないが、改めて食べてレポートすることで、その味を永遠に脳裏に焼き付けたいと思う。

ボンディは全国的な知名度の割に、小ぢんまりとした路地裏の年季の入ったビルの一角に店を構える。初見だと、なかなかそれと気づかない可能性もあるので注意してほしい。店内は明るさを抑えたムーディな雰囲気で、どこか昭和レトロな喫茶店の趣がある。時が経つにつれて、店内も今後ますます名店らしさが増していくのだろう。

メニュー表を見ると……

やはりビーフカレーがオススメのようだ。ポークやチキンだけでなく、エビカレーやアサリカレー、魚介カレー、ホタテカレーなど、海鮮系のカレーも豊富である。全部気になるなぁ。おっと、「チーズのせ」というトッピングも用意されている。

おやっ?

レトルトカレーも買えるようだが、これはチーズカレーなのか。こうなると、チーズカレーも気になるな……。

ということで、看板メニューのビーフカレー(1,600円)にチーズをトッピングして注文することに。これでボンディの推しメニューはどちらも一気に楽しめるハズ。辛さは無難に中からをセレクトしてみた。

注文してすぐに運ばれてきたのがこちら。

ボンディ名物のひとつ、ポテト&バター。ポテトをカレーの付け合せとして提供してくれる店は少なくないが、その先駆けはボンディだと言われている。その理由としては、じゃがいもは水分含有量が多く、カレーと一緒に煮込むと味が水っぽくなってしまうからだと言われている。しかし、日本ではカレーにじゃがいもは付き物ということで、別皿で提供するに至ったようだ。

続いてカレー本体が到着!

久々のご対面だけど……

なんか、もはや威厳のようなものが漂っているような。牛肉もゴロゴロと入っているし、チーズも惜しみなくトッピングされている。

ライスの上にもチーズ。そしてさらにカリカリ梅、カッパ漬けがオン。改めてみると、すごく個性的である。

ではさっそくいただいちゃいましょう。カレーをライスにドバっとかけて……

いただきます!

うっっっっっっっっま。一瞬、周囲の客が全員消えたかと思ったくらい、カレーの美味さに全意識が持っていかれたような気がした。ちょっと一回、カレーだけで食べてみよう。

美味すぎる!

まず感じるのはものすごく濃厚なコクと甘み。カレーではあるのだが、ここまでまろやかで味わい深いカレーが他にあるだろうか。

調べてみると、ボンディのカレーは初代店主がフランスでブラウンソースの奥深さに惹かれ、これをカレーに応用できないかと考えて開発されたものだという。材料としては、ブラウンソースにビーフ、ポーク、野菜のスープ、そしてバターで長時間じっくり炒めたタマネギ、ニンジン、リンゴなどを加えて作られているのだという。

トッピングのチーズもとろけ具合が最高で、味も甘みとコクがあってカレーによく合う。カレー全体の味がよりまろやかになり、ワンランク上の高級感を与えてくれる。

ゴロゴロ入ったビーフもめちゃくちゃ美味しい。よく煮込まれていて触感はホロホロ。全然強く噛む必要がない。肉の旨みもたっぷりで、こりゃたまらん……!

ちなみに、ポテトはそのままバターを付けて食べてもいいし、バターとポテトをカレーにトッピングして食べてもいいようだ。個人的には、ポテト自体がとても美味しかったので、そのまま味わうのが正解のように思う。口の中を一度リセットする役目も担ってもらえるし。

ということで、久しぶりに食べたが、やはりカレー界のキング・オブ・キングスのクオリティは異次元だった。この調子では、少なくとも欧風カレーというジャンルでボンディ超えを果たす名店はなかなか誕生しないのではないか……と思えてしまうほど、その美味さは圧倒的である。

神保町にくることがあればぜひ寄ってみてほしいし、関東圏外に在住されている皆さんも、ぜひボンディを軸に旅行の計画を立ててみてはいかがだろう?その価値ありと自信を持って推薦できる名店である。ごちそうさまでした!

欧風カレー ボンディ 神保町本店
【住所】
東京都千代田区 神田神保町2-3
【営業時間】
月~木 11:00~20:30(LO20:00)
金 11:00~21:00(LO20:30)
土日祝 10:30~21:30(LO21:00)