民放キー5局(日本テレビ放送網、テレビ朝日、TBSテレビ、テレビ東京、フジテレビジョン)の2022年度第1四半期決算(22年4~6月)が5日、出そろった。

  • 民放キー5局

ウクライナ情勢、原材料費の高騰などが影響し、5月下旬から広告市況が急激に悪化。TBSホールディングスの資料によると、スポット収入の地区投下量(推計)は、6月で前年同期比12.7%減少した。月ごとのスポット収入を公表している局を見ると、6月で日テレは17.6%減収、TBSは4.2%減収となっている。

一方、今年度からTVerなど無料配信の広告収入を公表する局が出てきた。日テレの「デジタル広告」は9.9億円(22.4%増)、フジの「配信広告」9.9億円(165.2%増)、TBSの「無料配信収入」は金額非公表だが53.0%増だった。

今年度に入り、ゴールデン・プライム帯の総個人視聴率(PUT)の減少が顕著となっており、4月期(4月4日~7月3日)はゴールデン32.4%(3.3ポイント減)、プライム30.4%(3.1ポイント減)と低迷。日テレ・フジの重点指標であるコア(13~49歳)でも、ゴールデン18.2%(2.7ポイント減)、プライム17.7%(2.6ポイント減)となる中で、従来の地上波広告収入と新たな広告収入の今後の推移に注目が集まる。

各局の業績は、以下の通り。

【日本テレビ放送網】
・売上高 :713.1億円(前年同期比3.6%減)
・営業利益: 99.5億円(23.2%減)
・経常利益:119.8億円(19.6%減)
・純利益 : 78.6億円(26.4%減)

・タイム収入 :271.3億円(4.9%減)
・スポット収入:290.9億円(7.9%減)

・番組制作費:214.4億円(4.1%増)

【テレビ朝日】
・売上高 :536.2億円(1.7%減)
・営業利益: 28.3億円(44.7%減)
・経常利益: 57.9億円(23.3%減)
・純利益 : 46.1億円(15.3%減)

・タイム収入 :189.4億円(4.5%減)
・スポット収入:226.4億円(4.5%減)

・番組制作費:172.3億円(6.5%増)

【TBSテレビ】
・売上高 :548.6億円(2.0%増)
・営業利益: 56.0億円(16.3%減)
・経常利益: 65.7億円(11.7%減)
・純利益 : 46.5億円(17.7%減)

・タイム収入 :195.7億円(3.5%減)
・スポット収入:215.1億円(1.6%減)

・番組制作費(直接費のみ):182.1億円(3.3%増)

【テレビ東京】
・売上高 :276.0億円(8.1%増)
・営業利益: 24.7億円(38.0%増)
・経常利益: 53.5億円(62.3%増)
・純利益 : 53.6億円(64.2%増)

・タイム収入 :108.1億円(0.5%増)
・スポット収入: 70.9億円(0.2%減)

・番組制作費:80.2億円(0.2%増)

【フジテレビジョン】
・売上高 :554.7億円(1.5%減)
・営業利益: 26.0億円(9.2%減)
・経常利益: 25.9億円(14.2%減)
・純利益 : 17.5億円(11.7%減)

・ネットタイム収入 :160.4億円(2.3%減)
・ローカルタイム収入: 26.8億円(4.3%増)
・スポット収入   :213.0億円(7.5%減)

・番組制作費:157.4億円(1.6%減)