JR東日本が利用の少ない線区の経営情報を開示。大糸線は信濃大町~南小谷間が開示対象(平均通過人員2,000人/日未満)とされ、白馬~南小谷間において2019年度の営業係数「3,852」、2020年度の営業係数「8,358」となった。

  • 大糸線を走る普通列車

大糸線は南小谷駅を境に、松本~南小谷間をJR東日本、南小谷~糸魚川間をJR西日本が管轄している。JR東日本の区間は直流電化され、普通列車等の他に特急「あずさ」を1日1往復運転。「リゾートビューふるさと」をはじめ、臨時列車も運転される。一方、JR西日本の区間は電化されておらず、現在はディーゼルカーによる普通列車を中心に運転される。

JR西日本は今年4月、輸送密度(平均通過人員)2,000人/日未満の線区について、経営状況に関する情報を開示している。大糸線南小谷~糸魚川間の情報も開示され、2019年度の平均通過人員は102人/日。コロナ禍の影響を受けた2020年度、平均通過人員は50人/日に減少した。営業係数(100円の収入を得るためにかかる費用。「100」を超えると赤字)は「2,693」(2017-2019平均)、「3,431」(2018-2020平均)とのことだった。

今回、JR東日本は平均通過人員2,000人/日未満だった信濃大町~南小谷間について、信濃大町~白馬間・白馬~南小谷間の2区間に分けて経営情報を開示。白馬~南小谷間は大糸線のJR東日本区間で最も利用者が少なかったものの、2019年度の平均通過人員215人/日、2020年度の平均通過人員126人/日で、JR西日本区間の南小谷~糸魚川間より多かった。

ただし、白馬~南小谷間における2019年度の運輸収入は約1,000万円、営業費用は約4億600万円、収支はマイナス3億9,500万円、収支率は2.6%、営業係数は「3,852」で、南小谷~糸魚川間の営業係数を上回る数値に。コロナ禍の影響を受けた2020年度、利用者減少にともない、運輸収入も約500万円に減少。営業費用は約4億2,000万円で、収支はマイナス4億1,500万円、収支率は1.2%、営業係数は「8,358」。前年度より悪化し、JR東日本が経営情報を開示した中でも上位に入る数値だった。