JR東日本は28日、利用の少ない線区の経営情報(収支・営業係数・収支率)を開示した。コロナ禍の影響を受けた2020年度、開示対象となった中で最も営業係数の大きかった区間は陸羽東線の鳴子温泉~最上間で、「22,149」だった。

  • 陸羽東線(愛称「奥の細道 湯けむりライン」)用のカラーリングを施したキハ110系。石巻線などでも運用される

今回、JR東日本は平均通過人員2,000人/日未満の35路線・66区間を開示対象線区とし、2019年度(コロナ禍前)・2020年度(2020年後)の経営情報として、収支・営業係数・収支率を新たに公開。営業係数は「各線区の営業費用を運輸収入で割り、100をかけた値」とのこと。100円の収入を得るためにかかる費用を示し、「100」未満なら黒字、「100」を超えたら赤字とされる。

陸羽東線は東北本線と接続する小牛田駅、東北新幹線と接続する古川駅から鳴子温泉駅を経て、山形新幹線と接続する新庄駅までを結ぶ全線非電化の路線。このうち古川~新庄間が開示対象となり、古川~鳴子温泉間・鳴子温泉~最上間・最上~新庄間の3区間に分けて経営情報が開示された。中でも鳴子温泉~最上間の平均通過人員が少なく、2019年度は79人/日。コロナ禍の影響を受けた2020年度は41人/日と、さらに減少した。

鳴子温泉~最上間における2020年度の運輸収入は約200万円、営業費用は約4億9,200万円で、収支はマイナス4億8,900万円、収支率は0.5%となった。営業係数は2019年度の「8,760」から、2020年度は「22,149」に。今回の開示対象線区における2020年度の営業係数ワーストとなった。