米倉涼子、没後30年・松本清張作品の魅力語る「やっぱり特別」な作品は

8月4日に没後30年を迎える作家・松本清張さんのドラマ9作品が、8月1日よりCSテレ朝チャンネル1、2で放送される。このたび、女優の米倉涼子がコメントを寄せた。

CSテレ朝チャンネル1、2で放送される松本清張作品＝テレビ朝日提供

戦後日本を代表する社会派推理小説の巨匠・松本清張さん。『点と線』『ゼロの焦点』『砂の器』など数々のベストセラー小説を発表、数多くの作品がメディアミックスという言葉がない時代から映像化されてきた。その人気は時代を超え、現在でも設定を変えるなどして新たに映像化されるものも。松本清張さんは1992年8月4日、82歳でこの世を去ったが、それから30年にあたる今年8月、過去にテレビ朝日で放送された連続ドラマを含む作品を放送する。

テレビ朝日での清張作品で数多くの主演を務めてきた米倉。スペシャルドラマのほか、2004年の『黒革の手帖』から2006年『けものみち』、2007年『わるいやつら』と3本の連続ドラマは松本清張3部作として米倉の代表作となっているが、今回はその中から、脊髄損傷で動けない夫を養っていた薄幸の女性が金と権力にまみれた男たちと出会い、妖しく変貌していくさまを描く『けものみち』を放送する。さらに『土曜ワイド劇場』の人気シリーズ『家政婦は見た!』の原作でもあるスペシャルドラマ『熱い空気』、米倉が悪女に手を差し伸べる弁護士を演じ、「映画版とは全然違う」と回顧する『疑惑』も。『熱い空気』は松本清張没後20年に放送され、おかっぱ頭に黒縁メガネという米倉の変身ぶりも話題となった。

さらに米倉本人が「特別な存在」だと話す『黒革の手帖』(2004年版)も放送。横領に成功した女性銀行員・原口元子(米倉)が、その巨額の金を元手に銀座にクラブのママに転身。のし上がろうとする元子とその周辺でうごめく人々の姿を描いたサスペンス巨編となっている。米倉演じる元子の冷酷で情熱的な悪女ぶりで高視聴率を記録したが、今回は没後25年の2017年に武井咲主演で再連続ドラマ化された作品も放送。元子の設定も異なり、SNSも登場している。

そのほか、地上波で2夜連続放送、東京ドラマアウォード作品賞優秀賞(単発ドラマ)を受賞し、玉木宏のテレビ朝日ドラマ初主演作となった『砂の器』(全2話)、第41回放送文化基金賞優秀賞などを受賞した尾野真千子主演の『坂道の家』、堀北真希主演の『霧の旗』など、豪華キャスト・スタッフによる名作が次々と登場する。

■米倉涼子コメント

松本清張先生の作品で、私が務めさせて頂いたのはいわゆる「悪女」と呼ばれる女性が多かったのですが、単純に演じていて面白いんです。根強い男尊女卑が背景にあるような時代に、「見返してやる」という思いを役に乗せて演じられる爽快さもありました。破滅的な結末を迎えても、また雑草みたいに生えてくるような強さを感じるところも魅力です。

演じた作品それぞれに思い入れがありますが、私にとって「黒革の手帖」はやっぱり特別な存在ですね。20代に出会った最初の松本清張作品でしたけど、とにかくすごい俳優さんばかりでしたし、縁の無かった「高視聴率」と呼ばれる作品として皆さんに喜んでもらえました。クラブに通ったり、豪華な着物を着たり、クラブのママとして作法を学ぶことも多くて大変でしたけど、刺激がたくさんありました。内山プロデューサーさんと記念館やお墓参りにも行ったりもしましたね。

あとは、「熱い空気」はとにかく演じていて面白かったです。おかっぱかぶって、眼鏡かけて、そばかす描いて(笑)!また今後いつか松本清張作品を演じてみたいと思いますし、その時はもちろん「悪女」を楽しみたいと思います。

■放送ラインナップ