ひと筋縄ではいかない型破りなキャラクターたちが、この世にはびこる悪に立ち向かうスーパー戦隊シリーズ最大の異色作にして意欲作『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』が、ただいま好評放送中である。

ドンモモタロウ/桃井タロウ(演:樋口幸平)と4人の「お供」たちの奇想天外な活躍が3月6日より始まってから、はや4か月が経とうとしている。さまざまに散りばめられた「謎」やいくつかのキャラクター同士の「因縁」などがこれからどのように発展していくのか、濃密かつスリリングなキャラクタードラマに子どもから大人まで幅広い年齢層が高い興味を示している。

  • 石川雷蔵(いしかわ・らいぞう) 2003年生まれ、埼玉県出身。2017年、スターダストモデルオーディションに合格し、芸能界入り。『ガンダムビルドリアル』(2021年)『もしも、イケメンだけの高校があったら』(2022年)などのテレビドラマ、『午前0時、キスしに来てよ』(2019年)『高津川』(2022年)などの映画、そしてウェブドラマ、ミュージックビデオ、CMなど幅広いフィールドで活躍。『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』ドン14話より桃谷ジロウ/ドンドラゴクウ役でレギュラー入りする。 撮影:大塚素久(SYASYA)

タロウが死んでしまう衝撃回・ドン13話「さよならタロウ」に続き、ドン14話「みがわりジロウ」から、作品世界に桃谷ジロウという青年が登場した。生まれながら「ヒーロー」になることを宿命づけられていると豪語するジロウだが、彼のキャラクターもまた他のドンブラザーズのメンバーと同じく、ひとクセもふたクセもありそうな男である。

ヒーローになりたいという欲求が誰よりも強いが、内なる部分にやっかいな問題をかかえているというジロウを演じるのは、2003年生まれの石川雷蔵。黄金時代の邦画・時代劇を愛する父によって昭和の大スター「市川雷蔵」から付けられた名を持つ石川は、まさに生まれながらにヒーローとなる宿命を背負ったジロウ役とベストマッチ。精悍なルックスと鍛え抜かれた体を武器に張り切る石川に、スーパー戦隊「追加戦士」を演じるにあたっての心がまえや、メンバー同士のチームワークのよさについて、そして特撮ヒーロー役を演じることへの喜びを話してもらった。

――石川さんが子どものころは、どんな「スーパー戦隊」を観ていましたか。

『侍戦隊シンケンジャー』(2009年)が大好きでした。シンケンレッドが強くてカッコいいなと思っていましたし、敵の怪人が怖くて、ちょっとビクビクしながら観ていた思い出があります。

――『ドンブラザーズ』出演は、オーディションで決まったのでしょうか。

そうです。最初のレギュラー5人を決めるオーディションにも参加していたんですけれど、そのときはスケジュールの都合もあり辞退となり、後で追加戦士のオーディションもあるよと言っていただき、それに臨みました。

二度目はオーディションの空気感がわかっていましたし、やりやすかったですね。追加オーディションの際、『ドンブラザーズ』のことを知っておいたほうがいいだろうと思い、配信されたドン1話「あばたろう」、ドン2話「おおもも、こもも」を観てみたんです。でも、何もつかめませんでした(笑)。最近のスーパー戦隊を観ていなかったこともあって「僕の知ってる戦隊じゃない!」と、ちょっと戸惑いがありましたね。

――『ドンブラザーズ』は長年「スーパー戦隊」を観ているファンでも、今までと違う、クセが強い戦隊という思いがありますから……。オーディションでは、審査員の方たちに向けてどんなアピールをされましたか。

ひととおり面接が済んだところで、このまま終わるのはどうか、心残りはないのかと考えて、「ちょっといいですか」と部屋を出る間際に、上半身裸になって肉体をアピールしました。ずっと筋トレを続けていたので、肉体を見てもらおうとしたんです。

――ジロウ役が決まったと知らされた瞬間のお気持ちを聞かせてください。

オーディションの合否は、当日にわかることになっていました。報告をいただいたときは自宅で「やったぜ!」と叫んで母親とハイタッチしました(笑)。

――ジロウがアバターチェンジするヒーロー・ドンドラゴクウを初めて見たときはどう思いましたか。

派手だなあって思いましたね。ゴールドの戦士で赤も入っている。これって、ぜったい人気出るヒーローじゃないかって、嬉しくなりました。こんなカッコいいヒーローになるのだから、それに見合う演技をしなければいけないと、気が引き締まりました。