• 涙する寿仁葉さん (C)フジテレビ

今回の主人公の1人である舞妓・寿仁葉(じゅには)さん(19)の印象は、「非常に天真らんまんで素直ないい子ですよね」というが、そんな彼女を襲ったのがコロナ禍だ。

「稽古もなければお座敷も舞台もない。感染したらいけないので、できることは花街の中で散歩するくらいで、あとはずっと家にこもっていた時期が続いたんですよ。そうすると、昼夜逆転の生活になって、モチベーションを保てずにメンタル的にも弱ってしまって。ただでさえ大変で厳しい世界なのに、そこに全く次元の違う厳しさが降ってきたという状況なので、それは10代の女の子が経験するにはあまりにも大きなことで、かなりつらいだろうと思いました」

長年にわたり大文字の舞妓たちを見てきた中でもあまりに特殊な事情に、その様子を撮るのは心苦しかったという。

「心配なのもあって話を聞いてみるんですけど、取材を重ねるにつれてメンタルが下がっていくのが分かって、トンネルの出口も見えないわけじゃないですか。話を聞くことはできても何か軌道修正する力もないので、取材をしていてこちらもずっとつらかったです。そんな彼女のもとに、信頼できる先輩が駆けつけてくるのですが、痛みが分かる経験者の言葉は大きいですね。寿仁葉さんの心にだいぶ刺さったようです」

■異例の大卒で花街へ…マイナス環境での奮闘

「後編」の注目の1つは、そんな寿仁葉さんの行く末だ。「親しい先輩たちが辞め、1人で修業しなきゃいけなくなったところに、コロナが襲ってきて、メンタルがどんどんへこんでいく。何とか自分で頑張ろうとするんですけど、なかなかうまくいかず、女将さんもこのままでは厳しいとおっしゃっていて、崖っぷちに立たされます。ここまでいくと後は本人次第なので、寿仁葉さんが周りや女将さん、実家のご家族の期待に応えられるのかというのを、ぜひ見ていただきたいと思います」と紹介。

もう1つの注目点は、中学卒業とともに入るのが常識の花街で、親の反対を押し切って大学を卒業して飛び込んできた彩音さん(22)。「非常に頑張り屋さんなんですけど、やはりコロナでお座敷も舞台もない中で、経験を積んでいく機会がない。そういったマイナスの環境に置かれてしまう中での彼女の頑張りにも注目してほしいです」と予告する。

  • 談笑する寿仁葉さん(左)と彩音さん (C)フジテレビ

それを踏まえ、「自分の力ではどうしようもない困難な状況の中で、心が折れそうになって、涙をこぼすことにもなりますが、それでも何とか自分と闘いながら希望を持ち続けて、夢の実現に向けて頑張っていく2人の姿があります。コロナ禍というのは、視聴者の皆さんも今背負ってらっしゃる状況だと思うので、『頑張れ』という気持ちで見守っていただけたらと思います」と呼びかけた。