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改めて、長年にわたって追い続ける舞妓・芸妓の世界の魅力を聞いてみると、「皆さん本当に真面目に、日中ずっと稽古して、おしろいや着付けをしてお座敷に行って、そこで日頃の成果を出すというのを一生懸命やっているんです。舞妓さんから芸妓さんになる前に辞めていく方も結構多いので、残って続けている人は本当にすごいと思います。芸妓さんになっても一生修業と言われ、辞めない限りは80~90代まで現役の方もいらっしゃるので、すごい世界ですよね。その頑張りがあるからこそ、伝統が守られていくんだと思います」と感心。

花街には、彼女たちが身につける鮮やかな着物や、繊細な技術が光る簪(かんざし)などを作る伝統工芸の職人を支える役割もあるそうで、「西陣織や友禅染などもそうですが、京都の文化と花街が全部セットで伝統を守る責任を担っているというのが、取材をしてよく分かりました」と解説してくれた。

この世界で何人もの舞妓や芸妓を育ててきた大文字の女将さんだが、今回の番組の中で、新人を採るのは彩音さんで最後だと打ち明けている。若い人たちとのジェネレーションギャップや自身の体調を理由に挙げているが、「1人の舞妓さんを受け入れると、6年は面倒を見ないといけない。親御さんから預かるという気持ちで育てているとおっしゃるんですが、それは相当大きな責任ですよね」と苦労を想像。

その上で、「女将さんは自分のところで育てた子が独立しても、そこで終わりではなく、ずっと面倒を見ていくんですよ。だから今後の取材については、女将さんと相談しながら考えていきたいと思います」と、20年続くシリーズの展望を話している。

●市川雅康
1959年生まれ、福岡県出身。畑正憲監督の映画『子猫物語』(86年)の助監督として映像業界のキャリアをスタートし、『ムツゴロウとゆかいな仲間たち』(フジテレビ)、『仲代達矢の日本映画遺産』(日本映画放送)といった長期シリーズのドキュメンタリー番組や、海外紀行番組などを制作。『ザ・ノンフィクション』では『泣き虫舞妓物語』シリーズのほか、狂言・茂山千五郎家の密着シリーズなどを手がける。