手塚昌明監督ミニインタビュー

――手塚監督にとって東京タワーは『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』の撮影でなじみ深い建物になるのですね。

この付近にはロケハン・撮影で何日も来ていましたから、懐かしいですね。『東京SOS』は東京タワーさんの全面協力をいただけて、派手に壊すことができました。当時はまだ東京スカイツリーがなかったし、やっぱり東京を代表するのは東京タワーだなって思いました。東京タワーと、政治の中心である国会議事堂を破壊することで、怪獣映画の原点に帰ろうという思いがありましたね。浅田(英一)さんの特撮現場は、こちら(本編/人間サイドの撮影)の手が空いたときに、必ず観に行っていました。

――今回の東京幻想さんとのコラボ企画にあたり、手塚監督が書き下ろされたコンセプト・プロット「機龍幻想」は、イラスト「機龍(メカゴジラ)/品川幻想」の隣に掲示され、イラストの作品世界がより深くつかめるようになっています。そこに書かれたストーリーからは具体的なビジュアルが感じられ、「映画作品としても観てみたい」と強く思わせます。

僕自身、ゴジラ映画をまた撮りたい気持ちがものすごく強いですからね。いま作るとなると『シン』がタイトルに付くのかな、シン・機龍……違うか(笑)。『東京SOS』から19年経ちましたし、機龍を日本海溝の底から引き上げてふたたび起動させたいと思っているんです。

――「機龍復活」の物語、ぜひ観てみたいです! 西川伸司さんがデザインされた機龍は、誕生から20年を経た現在もなお特撮ファンからの人気が高く、ソフビフィギュアをはじめとする商品化にも恵まれていますね。

日本だけでなく、世界のあちこちにファンがいたり、クオリティの高い玩具を作ってもらえたり、機龍がほんとうにたくさんの人たちから愛されているのを実感します。映画の評判も良くて、ゴジラ映画を作ってよかったな、あのころ頑張った甲斐があったな、と喜んでいます。今回の「特撮のDNA」展をきっかけに『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』(2000年)や『ゴジラ×メカゴジラ』、『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』を改めて多くの人たちが観てくださって、新しい発見をしてくれたら嬉しいです。

  • 『ゴジラ×メカゴジラ』などで造形を手がけた若狭新一氏(左)と、機龍のデザインワークを務めた西川伸司氏(右)

  • 『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』のスタッフ4名が勢ぞろい。左から、若狭新一氏、浅田英一氏(特殊技術)、手塚監督、西川伸司氏

  • 特撮班・監督助手を務めた清水俊文氏(左)と、機龍(東京SOS版)スーツアクションを担当した中川素州氏(右)が久々の再会を果たした。清水氏は現在、東京現像所で東宝特撮映画の4Kリマスター修復作業を手がけている

  • 『モスラ』(1961年)より

「特撮のDNA 東京タワーSOS/ゴジラ・モスラ・東宝特撮展」は8月7日まで開催。そして8月11日からは同会場にて「特撮のDNA 平成ガメラ3部作 展/東京タワーにギャオス飛来!」が開催される予定(8月28日まで)。

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