4月クールは4作の連続ドラマに同時出演し、今作が今年9つ目のドラマとなるなど引っ張りだこの俳優・浅香航大。しかし浅香が“俳優”という職業に対して最も強く抱く感情は「恐れ・不安」だという。「いついらないと言われるか分からない」「ずっとつらかった」「仕事が欲しいという悩みは常にある」「休みが怖い」――葛藤を明かす一方で、浅香はその不安を敢えて「大事にしている」とも力強く断言する。

  • 俳優の浅香航大 撮影:宮田浩史

    俳優の浅香航大 撮影:宮田浩史

現在放送中の読売テレビ・日本テレビ系ドラマ『オクトー ~感情捜査官 心野朱梨(しんのあかり)~』(毎週木曜23:59~)では、感情が“色”で見える刑事・心野朱梨(飯豊まりえ)とバディを組むエリート崩れの刑事・風早涼を演じている浅香。今回のインタビューでは、ドラマの軸となっている“あらゆる感情は、「喜び・信頼・恐れ・驚き・悲しみ・嫌悪・怒り・期待」という8つの基本感情が混ざり合って生まれる“という「感情の輪」の心理学も交えて浅香の“深層”に迫る。

■引っ張りだこな現在も抱える不安

――浅香さんは今年8月に30歳を迎えられます。以前の取材で「昔はつらかった時期もあったが、最近は嫌だった自分も好きになれた」と仰っていましたが、“つらかった時期”にはどんな思いを抱えていましたか。

いやー……ずっとつらかったです。確かにここ数年は作品数も相まって悩んでいる暇がないという感覚ですが、「仕事が欲しい」という悩みは常にあります。正解のない世界ですから、「どうしたらいいのかな」、「もっとこうなりたい」、「今自分がいる場所は」と考えたり、休みが怖かったりしますね。

――今のように、出演作が続いているほうが安心できると。

今も不安です!

――今作が今年9つ目のドラマだったりと連続して作品に出られていますが、それでも不安だと感じるのでしょうか。

もちろん、もちろん。いつ「いらない」と言われるか分からないですからね。

■“俳優”や“仕事”へ抱く感情

――そんな浅香さんが“俳優”や“仕事”へ強く抱いている感情を、今作に登場する「感情の輪」の中から選ぶとしたら。

「プルチックの感情の輪」。あらゆる感情は、「喜び・信頼・恐れ・驚き・悲しみ・嫌悪・怒り・期待」という8つの基本感情が混ざり合って生まれるという心理学に基づく=読売テレビ提供

ドラマの紹介文にもある通り「あらゆる感情は混ざりあって生まれる」ものなので、すごく複雑なのですが(笑)、選ぶなら……まず「恐れ・不安」。その隣の「敬愛・信頼」も僕らしいなと思います。

――「恐れ・不安」は正に今伺ってきたお話の通りですね。「敬愛・信頼」は共演者さんやスタッフさんへの思いでしょうか。

そうですね、愛は大事にしたいです。あと「期待」の感情も。

――どんなことに「期待」の感情を抱きますか。

出演する作品でどんな共演者の方と出会えるか、また、皆さんに届けた後の反響やどんなふうに楽しんでもらえるかという期待です。

――逆に「悲しみ」や「嫌悪」などの感情を感じることは少ないですか。

「後悔」はあります。仕事でもプライベートでも、「もっとこうすればよかったな」、「あのときこう言っていれば良かったな」といつも考えてしまいます。