■「不安」はあったほうが絶対良い

――改めて、たくさんの感情の中で一番最初に「恐れ・不安」を選ばれたところに浅香さんらしさが垣間見えた気がします。

「不安」はあったほうが絶対良いと思っていて、逆に言うと大事にしています。関わる相手に対しても、「不安」を持っている人のほうが信頼できるし安心します。パワフルでエネルギッシュな人ももちろん好きですが、自分はそういうタイプじゃないから迷いがある人のほうが理解できる。……やっぱりこの理論、面白いですね!

■“感情”の解明に焦点を当てたドラマ

――今作はこの心理学に基づいて“感情”にフォーカスする新感覚のサスペンスとなっていますが、浅香さんが面白いと感じる点を教えてください。

容疑者がすでに分かっている段階から始まって、“感情”を深く理解することで謎が解き明かされていくというストーリーとなっています。昨今「どうして?」と思うような事件がたくさん世の中を騒がせているけど、その動機を深掘りしてみると、誰もが思い当たるような感情がもとになっていたりする。明日は我が身とは言いませんが、「その気持ち、少し分かるかも」という“感情”の解明に焦点を当てているところが面白いと思います。

――浅香さん演じる風早涼は、“感情見え見えの刑事”という役どころですが、演じられていかがですか。

演じていてすごく楽しいです。いろいろな人と接して、いろいろなことに一喜一憂して、いろいろな表情ができる。演じていて「いいヤツなんだな」と気付きました。いいヤツを演じようと僕が意識しているのではなく、まわりの目に自然にいいヤツだと映るようなキャラクターです。まわりに振り回されながら登場人物の心に触れていくうち、風早自体も成長していくストーリーになっていて、とにかく楽しいです。個性豊かなキャラクターばかりで、それぞれの方とお芝居をするのも楽しいです。

■いい作品ができている自信

――共演者の皆さんとどんなお芝居をされていますか。

皆さん「そう来るんだ」と一筋縄ではいかない方ばかり。特に上司でチームのリーダーでもある雲川幸平役の山中崇さんは本当に想像もしないようなお芝居で返してくるんです。テストのときにふざけて僕の手を繋いできたこともありました(笑)。警察庁次長・平安衛役の船越英一郎さんは、普段は優しいのにお芝居となると威厳からくる“圧”がすごくて、最初はめちゃくちゃ緊張しました。ゲストの方々のキャスティングにも遊び心があふれているのでぜひ期待していてください。

――では最後に、視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。

現場が楽しくて、いい作品ができている自信があります。僕が演じる風早や主人公の朱梨、登場人物それぞれが背負うバックグラウンドや“感情”を見て、家族や友人、改めて身近な人の心を見つめてみてほしい。人の感情に寄り添うこと、人の心にしっかりと触れることの大切さを、このドラマで感じて頂けたらうれしいです。

■浅香航大
1992年8月24日生まれ、神奈川県出身。2011年、連続ドラマ『花ざかりの君たちへ〜イケメン☆パラダイス〜2011』で連続ドラマ初出演。代表作に『マッサン』『ひよっこ』(NHK)、『あなたの番です』『君と世界が終わる日に』(日本テレビ)、『今夜はコの字で』(BSテレビ東京)、映画『桐島、部活やめるってよ』、『見えない目撃者』、『劇場』など。2022年は、ドラマ『わげもん〜長崎通訳異聞〜』(NHK総合)、『村井の恋』(TBS)、『花嫁未満エスケープ』(テレビ東京)、『異世界居酒屋「のぶ」 Season2』(WOWOW)にレギュラー出演し、映画『チェリまほ THE MOVIE〜30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい〜』等に出演。