――松本さんが演じるカナタとは、どんな人物なのですか?

何事に対しても全力で取り組むひたむきな性格である一方、お調子者で能天気な性格です。ですが、しっかりと芯があり、どんな困難に直面しても絶対にあきらめないで、前に進もうとする青年です。

――松本さん的には、カナタは演じやすい役ですか。

自分に近いものを感じたので、演じやすかったです。簡単にはあきらめないというところや、何に対しても前向きに取り組むところは、すごく近いと思っています。僕自身も、たとえ不安を抱くことがあったとしても、どんどん乗り越えていこうとする前向きなところがあります。

――メイン監督の武居正能さんからは、最初にどんな言葉をかけてもらいましたか。

武居監督から初めに、カナタの性格である「明るさ」を、ちょっと普通の明るさじゃないところまで持っていってほしいと言われました。監督の要求をどのように表現したらいいか、そこが難しかったかもしれません。

――普通じゃない明るさとは、どれくらい明るいものなのでしょう。

周りが落ち込んでいる空気の中でも、いやそのテンションはおかしいだろ!と思うくらいの、場の状況をまったく読まない「明るさ」だと解釈して演じています。

――「自分はいまウルトラマンの現場で撮影しているんだなあ」と実感するような出来事はありましたか。

目の前にとてつもなく巨大な怪獣がいると想定して、銃を構えたりするシーンを撮っているときです。助監督さんから「ここに怪獣がいるんで、銃で狙ってください」と目印を見せてもらって、視線を合わせるんですけど、そういうとき「これがウルトラマンの撮影なんだな」としみじみ思います。演じてみると、とても難しいんです。どんな怪獣なのか現場でははっきりわからないので、自分である程度想像するしかないので……。銃の撃ち方も、専門の方に細かく教えていただきました。指導のおかげで、少しはサマになっているんじゃないかなと思っています。

――GUTS-SELECTのみなさんとのチームワークはいかがでしょう。

みんな明るく、いつも集まったときはワイワイと騒いでいる感じで、とてもよいチームワークが築けているんじゃないかと思います。特に、ムラホシ隊長の黄川田雅哉さん、カイザキ副隊長の宮澤佐江さんが盛り上げてくださって、先輩なのに隔たりがなく、楽しい空気を作ってくださっています。

――訓練生から一緒にいる間柄という若手隊員トリオが、カナタ、イチカ、そしてリュウモン ソウマ(演:大地伸永)なんですね。この3人で行動されることが多いと思いますが、現場での雰囲気はどうでしょうか。

ソウマを演じるノブ(大地)は、役の上ではクールなんですけど、ふだんはとてもおしゃべりが好きで、明るい笑顔が似合う方です。なので、現場に入って「クールにしているのがけっこう大変」だと言っています(笑)。イチカ役の村山さんもノブも僕と年齢が近くて、YouTubeの話とか、撮影の合間にしています。

――最初はみんな初対面だったGUTS-SELECTキャストのみなさんが、打ち解けていったきっかけのような出来事はありましたか。

撮影開始が昨年の12月からで、とても寒い時期だったんです。1日の撮影をこなした後、「寒いけど、今日も頑張った!」と言い合っていると、自然にみんなが打ち解けていったって印象です。

――放送が開始されると、ウルトラマンデッカーやカナタに憧れる子どもたちが松本さんに熱い視線を送ること間違いないと思います。松本さんは子ども好きなほうですか?

好きです。少し前に撮影のロケ先で、たまたま子どもたちがいたんですが、ウルトラマン好きな子たちがたくさんいて、嬉しかったです。光線のポーズを僕に見せてくれたりして、可愛かったなあ(笑)。まだ『デッカー』が放送されていないので、僕たちのことがちゃんとわかっていなかったと思うんですけど。今後、イベントで子どもたちと直接触れ合う機会もあるので楽しみにしています。子どもたちに慕われるカナタ隊員でありたいです。

――それでは、いよいよ放送が始まる『ウルトラマンデッカー』第1話の見どころを教えてください。

最初は特に目標を持たなかったカナタが、スフィア襲来をきっかけに、何かやらないといけないと決意する過程に注目してほしいです。具体的な夢などがなくても、とりあえずいろんなことに挑戦してみて、その中で自分のやりたいことを見つけていくというのも、いいと思うんです。この作品には、そういったドラマ的な見どころがさまざまな箇所に散りばめられています。カナタは自分でこうと決めた道へと進んでいきますが、そこで困難や壁にぶちあたります。厳しいと思える部分もありますが、それでもあきらめず前向きに、今やるべきことをやろうとどんどん突き進んでいく。そんなカナタの姿を子どもたちに観てもらって、応援してくださると嬉しいです。撮影はこれからも続きますし、主人公ですから責任重大ですけれど、常に前向きな姿勢で頑張りますので、『ウルトラマンデッカー』をぜひお楽しみください!

(C)円谷プロ (C)ウルトラマンデッカー製作委員会・テレビ東京