住宅費、教育費、老後資金……物価上昇の波が押し寄せ、人生の三大支出負担はますます重くなるばかり。でも、貯めないわけにはいきません!

そこで今回は、7年で1800万円の貯蓄に成功した3児を育てるワーキングマザーのゆきこさんにインタビュー。貯蓄の9割が投資というゆきこさんに、投資を活用した三大支出への備えについて伺いました。

ゆきこさん

関東圏内で夫と、6歳、4歳、1歳の3人の子どもたちを育てるワーママ。独身時代から浪費家で、共働きにもかかわらず結婚1年目で貯金0円。長女の誕生をきっかけに家計を見直し、試行錯誤を経て、7年間で総貯蓄1800万円を達成。インスタグラムのフォロワー数は16万人超。新著に『貯金0円からはじめる 一生お金に困らないための生活』がある。

貯蓄の9割を投資が占めている理由

――一生のお金を考えるとき、「住宅資金」「教育資金」「老後資金」について、それぞれどのように備えていますか?

教育資金と老後資金については、基本的には「投資」で備えています。

教育資金に関しては、すぐに現金化できる預金に加えて、ジュニアNISAを活用しています。老後資金は、iDeCoを活用しています。

その他にも、つみたてNISAや米国株、投資信託などを運用していて、「備えるお金」を増やしています。実は、総貯蓄の9割は投資になるんです。

教育資金も老後資金も、2~3年後にすぐ使うお金ではないというのがポイントです。必要になるまで10年、15年と寝かせるお金だと考えると、銀行だけにお世話になっていて良いのだろうかと疑問を抱くようになりました。

日本の銀行に預金したとしても、0%に近い金利しかつきません。でも、投資で運用すれば、2%、3%と利回りがある可能性もあります。ですから、そこに賭けてみようと思ったんです。

住宅に関しては、「ライフプラン表」で賃貸と持ち家、それぞれに掛かるお金をシミュレーションした結果、双方に大きな差がありませんでした。住宅ローンを完済すれば土地と家が残るということで、長女が小学校に入学する前にマイホームを購入しました。

――「投資」という選択に踏み切れない人も多いと思いますが、ゆきこさんは不安などありませんでしたか?

もちろん、不安もありました。でも、だからこそ自分で勉強しました。投資について自分で勉強すると、腑に落ちることが多くなったんです。

例えば、普段からiPhoneを使っていたり、Googleで検索したりと、日常生活の中で使っているものがアメリカの会社のものだということに気づくようになると、お金が多く流れていたり、将来の見込みがあったりする国や分野に投資していくことが大事だなと思うようになりました。

NISAやiDeCoに税金などの優遇があるのも、国から備えることを推奨されているから。自分たちできちんとお金を増やす、残すということが求められる時代になってきていると思います。

  • ゆきこさん家の総貯蓄

お金だけでなく"知識"も蓄える、厳しい世の中を生き抜くために

――物価上昇がじわじわと家計に影響を及ぼし始めていますが、家計管理にどんな対策が必要だと思いますか?

食べないわけにはいかないので食費はかかりますし、生きていくために必要なものは買うという選択肢を取ることになりますよね。ですから「無駄なものは買わない」ということに尽きると思います。

――日本の状況も日々変わっていて、不安が募りますよね。

日本経済がこの先どうなるかはわかりませんが、これからを生きる子どもたちのために、お金を備えておくことはもちろん、例えば政治に興味を持って選挙に行くとか、日本で作られる製品を購入して応援することで国内できちんとお金が流れるようにするとか、個人でできる範疇にはなりますがやっていきたいと考えています。

どうしたら次の世代の暮らしを守っていけるのか、誰かに頼るのではなくて、自分自身で考えることが大切ですし、お金のことに限らず幅広い知識を蓄えていくことができれば、理想的ですよね。

――これから貯蓄を頑張りたい方へのメッセージをお願いします。

このインタビューを読んでくださった方は、心のどこかで"今の自分を良くしたい""家計管理ができるようになりたい"と思っているはずです。そうでなければ、この記事に関心すら持たないでしょう。この記事を読もうと思ってくださった、それだけで"十分に変われる"と伝えたいです。

強い気持ちを維持することは大変ですし、パートナーの理解が得られないと孤独を感じることもあると思います。でも、そんな時は、SNSを覗いてみてください。同じように頑張っている人がいます。私は今も昔も自身のInstagramのフォロワーさんたちに支えられ、励まされています。1人じゃないなと思えることも大切です。

無理はせず、自分が楽しいと思える範囲で、貯蓄生活に挑戦してみてください。

『貯金0円からはじめる 一生お金に困らないための生活』(ゆきこ 著/荒堀辰幸 監修/KADOKAWA 刊)

夫婦共働きで3人の子どもを育てながら、7年で1800万円貯めたワーママが贈る、人生100年時代を安心して過ごすための「お金のあれこれ」を紹介。ズボラな家計管理法、月1総貯蓄チェックによるモチベーションUP術、「教育のお金」「マイホームのお金」「老後のお金」を投資メインで補っていく考え方、夫を家計参加に誘う「やる気ワード」など、一生のお金にまつわるメソッドを集めました。フィナンシャルプランナー・荒堀辰幸さんの監修も交え、「一生にかかるお金のデータ」「世界一やさしい投資信託レッスン」「保険で見直すべきポイント」などもあわせてお届け!ゆきこ家がマネープラン達成のために始めた、現在進行形のリアル失敗談&成功談を、余すことなくお伝えします。