大阪ガスとJR西日本は15日、湖西線沿線において、両社で共同開発した強風予測システムを試験導入すると発表した。

  • 湖西線の普通列車。117系も使用される

両社は2019年から強風予測に関する共同研究を行っており、大阪ガスの気象予測技術と、JR西日本のAI開発技術を掛け合わせることで、湖西線沿線にて従来より高精度に強風予測ができるシステムを開発したという。6月15日、湖西線沿線において試験導入を行うための契約を締結した。

今後、湖西線で強風が見込まれる場合の列車運行における安全性のさらなる向上、運転規制時(運転見合わせ・徐行など)における代行輸送の確保や利用者の円滑な周知をめざし、本導入に向けて検証を進めていく。他の路線や鉄道会社への展開、道路関係事業者など風による影響を受ける分野への展開も視野に入れている。

  • システム構成イメージ

  • 特急「サンダーバード」や新快速も湖西線を走行する

大阪ガスは2008年から独自手法による気象予測を開始し、AIの活用による精度向上にも取り組んでいる。2018年に気象予報業務の許可を取得しており、今回のシステムはこれを活用したサービスの第1号案件となる。JR西日本は2017年からデータサイエンスの取組みを本格的に開始。2020年に「データソリューション室」を設立し、データ分析やAIを用いた業務変革を進めている。

大阪ガスとJR西日本は、お互いの強みを掛け合わせて生まれた強風予測システムの活用により、鉄道の安全性と利便性の向上に貢献するとしている。