取引先と会う時に必ず押さえておきたいのが名刺交換のタイミングです。社会人経験が少ない人はもちろん、コロナ禍の影響で人と会う機会が減少したことで、名刺交換のタイミングがよくわからなくなってしまった人も多いでしょう。

できるだけ取引先に良い印象を持ってもらうためにも、適切なタイミングで名刺交換したいところです。この機会に、あらためて名刺交換のタイミングを確認しておきましょう。

この記事では、名刺交換のタイミングやマナー、注意点とともに、名刺交換の基本的な流れなどを紹介します。

  • 名刺交換の基本と正しいタイミング

    名刺交換のタイミングや渡す順番・マナーなどを解説する記事です

名刺交換の基本と正しいタイミング

社会人経験が浅い人は、名刺交換の仕方がよくわからない人も多いでしょう。また、コロナ禍の影響で、名刺交換を行う機会は減りつつあります。

ここでは、いざ名刺交換しようとした時に慌てないよう、名刺交換の基本的なマナーや正しいタイミングを紹介します。

最初の挨拶を交わしたすぐ後に行う

名刺交換は、相手に自分を知ってもらうための自己紹介として行います。そのため、ビジネスで初めて会う人とは、名刺を交換するのが基本的なマナーです。

名刺交換は、最初の挨拶を交わしたらすぐに行います。相手に初めて会った時に、自己紹介の挨拶をする中で、会社名や名前などを述べながら名刺を渡してください。

立場が下の人から立場が上の人へ渡すのが基本

名刺交換をする機会があるなら、どちらが先に名刺を差し出すべきなのかも知っておきましょう。

基本的には、立場が下の人あるいは訪問した側が相手へと歩み寄り、挨拶しながら先に名刺を差し出します。先方へ出向く時には、すぐに名刺を出せるよう準備しておきましょう。

自分が先に名刺を差し出すべき状況にもかかわらず出すのが遅れてしまった場合は、「申し遅れましたが」とひとこと添えて、名刺を差し出してください。

複数人いる場合の名刺交換の順番

ビジネスでは、1対1ではなく、複数のメンバーと会う機会もよくあるものです。そのような場合は、立場が上の人から順番に名刺交換を行います。順番の目安は下記の通りです。

  1. 自分の上司と先方の上司
  2. 自分の上司と先方の担当者
  3. 自分と先方の上司
  4. 自分と先方の担当者

まずは上司が先方と名刺交換をした後で、自分が名刺交換をしてください。先方の担当者と自分が空いているからといって、名刺交換を始めたりしてはいけません。それぞれの上司が名刺交換している様子を一歩引いた位置で見守ります。スペースに余裕がある場合、2と3は同時に行います。

名刺を差し出すタイミングが重なった場合

ビジネスシーンにおいて名刺交換する方法は、渡す側が両手で差し出し、受け取る側が両手で受け取る方法と、双方が同時に差し出して交換する方法があり、現在は後者の同時交換が主流です。

名刺入れの上にのせてある名刺を右手で持ち、左手は相手がその上に名刺を載せやすいように、名刺入れを水平に保持します。名刺交換をスムーズにする覚え方は、右手に名刺、左手に名刺入れを持った「右側通行」です。右手の名刺を相手の名刺入れの上に載せるように差し出します。こうすることで同時に名刺を交換することが可能です。

名刺交換時の挨拶例文

名刺交換を行う場合、黙って名刺を差し出すのではなく、挨拶しながら行いましょう。名刺交換の際に使える挨拶の例文を紹介します。

名刺を差し出す側
・(名刺を差し出しながら)A社の山田と申します。どうぞよろしくお願いします。
名刺を受け取る側
・(受け取りながら)ちょうだいいたします。よろしくお願いします。

もし名前の読み方がわからなければ、その場で確認しましょう。また、名刺の情報をもとに質問して、会話をするとコミュニケーションが深まります。

名刺交換する際に、参考にしてください。

  • 名刺交換の基本と正しいタイミング

    名刺交換は会ってすぐに挨拶しながら行うのが基本マナーです

名刺交換のタイミングを逃した場合の対応

状況によっては、名刺交換がスムーズにできないこともあり得ます。ここでは、名刺交換のタイミングを逃してしまった場合の対応方法を紹介します。

名刺を出さなかった相手への対応

名刺交換のタイミングを逃してしまったり、相手が名刺を出し忘れてしまったりした時には、こちらから名刺を求めても失礼ではありません。ミーティングなどが終わり帰る前に、「恐れ入りますが、お名刺をいただけないでしょうか」とお願いするといいでしょう

名刺が手元にない場合の対応

時には忘れてしまうなどで、名刺が手元にないこともあります。そのような場合、「名刺を忘れてしまいました」と正直に伝えるのは避けてください。

口頭で社名や名前を伝え、「申し訳ございませんが、ただ今名刺を切らしております」とお詫びするのがマナーです。相手の名刺を受け取ってからオフィスに戻った後に、お詫びの手紙を添えて名刺を郵送しましょう。

  • 名刺交換の基本と正しいタイミング

    名刺交換のタイミングを逃した場合の対応

タイミング以外にも気をつけたい名刺交換時の3つの注意点

名刺交換は自己紹介も兼ねて行うものですので、タイミング以外にも注意すべき点がいくつかあります。ここでは、特に注意したい名刺交換のポイントを紹介します。

きれいな名刺を準備する

社外の人と会う機会があるなら、事前に名刺の準備をするのは欠かせません。

必要な枚数を準備するとともに、名刺に折れ曲がりや汚れなどがないかをチェックしましょう。折れている名刺や汚れている名刺を渡すのは失礼にあたります。身だしなみと同じように、名刺も清潔感があるものを準備しましょう。

名刺入れに気を配る

ビジネスシーンでは、名刺は名刺入れから出すのがマナーです。名刺交換の際には、名刺入れも相手の目に入り、自分の印象に結びつきます。

名刺入れは種類が豊富にあり、素材や色、形などもさまざまです。派手すぎる名刺入れや貧相に見える名刺入れは避けた方がベターです。清潔感があり、相手に好印象を与えられるような名刺入れを選びましょう。

指先を清潔にする

名刺を差し出す時には、名刺だけでなく指先も相手の目に留まります。そのため、指先も清潔にしておくと好印象です。長すぎたり汚れていたりする爪などは、清潔感に欠けるため、日頃からケアしておくのがおすすめです。

急な名刺交換の際にも相手に清潔感を与えられるよう、常に指先はきれいに保っておきたいですね。

  • タイミング以外にも気をつけたい名刺交換時の3つの注意点

    名刺交換時には相手にいい印象を与えられるよう気をつけたいポイントがあります

名刺交換後の3つの注意点

ここでは、もらった名刺の扱いについての注意点を紹介します。

持ち方に注意する

名刺交換して受け取った名刺は、両手で持つのが基本です。その際、ロゴマークや社名が指で隠れないように気をつけましょう。

また、もらった名刺を自分の胸の高さよりも高い位置で持つことで、相手に対する敬意を表せます。

すぐにしまわない

名刺交換でもらった名刺をすぐにしまうのはNGです。打ち合わせやミーティングが終わるまで名刺入れの上に重ね、机に置いておきましょう。その際、曲がらないようきれいに置くよう注意してください。

ミーティングが終わる頃に、名刺入れにしまいましょう。

大切に扱う

名刺交換でもらった名刺は、相手そのものだと思って大切に扱いましょう。名刺の裏をメモがわりにしたり、折ったりするのはNGです。

  • 名刺交換後の3つの注意点

    名刺交換でもらった名刺は丁寧に扱いましょう

名刺交換のタイミングは会ってすぐに! 交換し忘れないよう準備しておきましょう

名刺交換は、取引先の相手と会ってすぐに行います。基本的には立場が下の人から立場が上の人に差し出すのがマナーなので、訪問した側から差し出すのが一般的です。訪問先から先に名刺を差し出されることもあるかもしれませんが、その場合は慌てずに受け取ってから、「申し遅れましたが」とひとこと添えて渡してください。

また、必要な枚数の名刺をあらかじめ準備しておきましょう。ただしポケットや財布などではなく必ず名刺入れに入れておくことがビジネスパーソンとしてのマナーです。

名刺交換のタイミングは慣れるまでは戸惑うことがあるかもしれませんので、基本的な手順を覚えておくとよいです。この記事の内容を参考に、スムーズに渡せるよう心掛けましょう。