名刺交換はその先のビジネスを円滑に進めるための入り口です。新入社員の入社時のみならず、人事異動や組織変更などに伴って、ビジネスの出逢いはいつも名刺交換から始まるといえます。コロナ禍で人と関わる機会が減り、社会人経験が浅い人は特に、名刺交換の仕方に不安を覚えている人も少なくないでしょう。

初対面の人と交わす名刺交換をスマートにこなすことができれば、第一印象もグッとアップします。いざ名刺を交換することになって慌てないよう、名刺交換の仕方はしっかり覚えておきたいところです。

この記事では、名刺交換の基本的なやり方と、名刺を渡す時・名刺を受け取る時の注意点を紹介します。正しい名刺交換のやり方を覚え、ワンランク上の社会人を目指しましょう。

  • 名刺交換の仕方とマナー

    名刺交換の仕方やマナーなどを解説する記事です

【名刺交換の仕方】名刺交換の基本的なやり方

名刺交換は、基本的なビジネスマナーの一つです。名刺交換する機会が少ないと忘れてしまいがちな名刺交換の仕方をおさらいしておきましょう。

ここでは、名刺交換の仕方を順番にご紹介します。

1.名刺を準備する

ビジネスで初めて会う相手とは、挨拶と一緒に名刺交換を行います。スマートに、迅速に、笑顔で対応できるよう、あらかじめ準備しておきましょう。

まずは必要な名刺の枚数を準備して、名刺入れに入れてください。名刺交換のマナーとして一番守らないといけない点は「自分の名刺を切らさないこと」です。名刺を多く使いそうな日は、名刺入れとは別に予備をバッグに入れておくなどの用意周到さが必要です。

名刺入れは上着の内ポケットや鞄の取り出しやすい場所などに入れ、必要なタイミングでさっと取り出せるように準備しておきましょう。

2.名刺を渡す

取引先など初対面の人と顔を合わせたら、すぐに名刺入れを取り出しましょう。以下はどちらか一方から渡す場合の渡し方の手順です。

(1)名刺は相手に正面を向けて、自分の名刺入れの上に載せます
(2)両手の親指で、載せた名刺を押し出すように相手に差し出します。その際、名刺の社名やロゴ、肩書き、氏名の文字に親指がかからないよう配慮しましょう
(3)そして少し前傾姿勢になりながら相手の目を見て、自分の所属する会社名や部署、氏名(フルネーム)を名乗ります

3.名刺を受け取る

相手が差し出した名刺を受け取る場合も、渡す時と同じように、少し前傾姿勢になって両手で受け取ります。「頂戴いたします」と感謝の気持ちを伝えながら受け取ってください。

受け取ったら必ず氏名の読み方を復唱して確認します。名前を呼び間違えることほど失礼なことはありません。同じ漢字でも「河野」様が「カワノ」様なのか「コウノ」様なのか、「長谷」様が「ナガタニ」様なのか「ハセ」様なのか、はっきり記憶することが、その後のビジネスに大きく影響するからです。

相手の名乗りの言葉が聞こえにくかったり、名前の読み方が不確かだったりする場合もあるかと思いますので、

「〇〇〇〇様でいらっしゃいますね」
「〇〇〇〇様とお読みしてよろしいでしょうか」

とその場で確認しましょう。

4.名刺を名刺入れの上に重ねて机の上に置く

受け取った名刺は、すぐに名刺入れにしまわないようにします。名刺交換後の商談や打ち合わせの間は、もらった名刺をテーブルの上に直接置かず、名刺入れの上に置きましょう。置く場所は、自分の左側手前が適切です。

複数人と名刺交換した場合は、一番上の役職の方の名刺を名刺入れの上に置き、他の方の名刺は座席順に並べておきましょう。

同時に受け渡しする場合 名刺を出すタイミングが相手と同じになり、同時交換する場合は、文字に指がかからないように名刺を右手で持ち、左手は相手がその上に名刺を載せやすいように、名刺入れを水平に保持します。

前傾姿勢になって名乗りながら、相手の名刺入れの上に載せるように、右手で差し出します。

名刺交換をスムーズにする覚え方は右手に名刺、左手に名刺入れを持った「右側通行」です。名刺入れは名刺の「座布団」だと思って、その上にやり取りしましょう。相手の名刺を左手の親指で名刺入れと挟むように受け取った後は、すぐに右手を添えて、両手で持ちます。

立場が下の人から渡すのが基本

名刺交換をする際は、立場が下の人や訪問した側から名刺を先に差し出すのが基本です。他社を訪問した時は、自分から名刺を渡すようにしましょう。

もし目上の人から先に差し出された場合は、慌てずに相手の名刺を受け取り、「申し遅れましたが」と一言添えて自分の名刺を渡せば問題ありません。

  • 名刺交換の仕方とマナー

    名刺交換の仕方は基本的なビジネスマナーとして覚えておきましょう

【名刺交換の仕方】名刺を渡す時のマナー

名刺交換にはさまざまなルールやマナーがあるので、すべて覚えるのは大変ですが、社会人の常識といえる事柄なので、しっかり覚えておきましょう。

ここでは、名刺を渡す際に気をつけるべきマナーをご紹介します。

立ち上がって行う

名刺交換は座ったままではなく、立った状態で行います。会議室などに通され先に座って待っているような場合でも、名刺交換を行う時には必ず立ち上がりましょう。

また、自分以外の人が名刺交換をしている間も、立ったまま待つのがマナーです。自分だけ後から立ったり、名刺交換後にすぐに着席したりしないように注意してください。

机を挟んで行うのはNG

名刺交換は相手との間に何もない状態で行います。会議室のテーブル越しに行うのはNGですから、必ず1歩、テーブルの横に移動して、相手の正面で名刺交換を行いましょう。

会議室が狭くスペースがない場合などは「テーブル越しに失礼いたします」と一言添えて名刺を差し出すと、たいへんスマートです。

両手で持って渡す

どちらか一方から名刺を渡す際、名刺は相手に正面を向けて両手で差し出すのが基本マナーです。同時交換する場合を除いて、片手で差し出すのはマナー違反ですので注意してください。

先に差し出された場合は一言添える

自分が訪問者あるいは目下側であるにも関わらず、相手から名刺を先に差し出された場合、自分の名刺を渡す時には一言添えましょう。

「申し遅れましたが」と添えて、後は通常の名刺交換と同じ流れで行えばOKです。

きれいな名刺を準備しておく

名刺には、氏名のほかに、社名や部署、肩書、連絡先といった、持ち主の大切な情報が記載されています。「自分の名刺は自分の顔」「相手の名刺は相手の顔」であると考えると、自ずと扱うときのルールがわかってきます。「自分の顔」である名刺ですから、汚れたり折れたりしたものを差し出すことは絶対に避けなければなりません。 相手にいい印象を与えられるよう、きれいな名刺を準備しておきましょう。

名刺入れに入れておく

名刺を綺麗に保つためには、名刺入れを持つことが大切です。名刺交換をすると、財布や手帳、首から下げる身分証明書の裏から名刺を取り出す人が散見されます。予備の名刺であっても、ポケットや財布から出して相手に渡すのはNGです。だらしない印象や失礼な印象を与えてしまいます。社会人として必ず名刺入れを持ちましょう。

  • 名刺を渡す時の6つのマナー

    名刺を渡す時には立ち上がって渡すなどのマナーがあります

【名刺交換の仕方】名刺を受け取る時のマナー

名刺交換の際、渡し方だけでなく受け取り方にも注意を払うことで、相手からの印象がよくなります。ここからは名刺を受け取る際のマナーを見ていきましょう。

両手で受け取る

「相手の名刺は相手の顔」ですから、大切に扱い、受け取る時にも両手で受け取るのが基本的なマナーです。同時交換の場合も、右手で名刺を差し出しながら、左手に保持する名刺入れの上で受け取ります。受け取った後は、すぐに右手を添えて、両手で持ちます。

受け取った名刺をすぐにしまわない

受け取った名刺をすぐに名刺入れにしまうのはNGです。立っている間は名刺入れの上に持ち、テーブルがある応接室などの場合は、椅子に座ったタイミングでテーブルの上に置きます。名刺入れは「座布団」です。名刺をテーブルの上に直接置かず、名刺入れの上に置きましょう。

名刺をしまうタイミングは、厳密に決まっているわけではありません。その場の雰囲気によって柔軟に判断します。基本は「相手の名前を覚えたらしまう」ですが、現場ではテーブルに置いた名刺を名刺入れにしまう動作は、会議や商談がそろそろ終わるという合図になることが多くあります。

名刺をしまうタイミングは、相手や周りの人に合わせれば間違いありません。

受け取った名刺の持ち方に注意

受け取った名刺を持つ際には、指を置く場所にも注意しましょう。

特に気をつけたいのは相手の会社のロゴの上や氏名の上に指を置かないことです。会社のロゴや氏名を隠すように指を重ねるのは大変失礼です。

名刺を持つ際は、余白部分に指を置くよう気を配りましょう。

タイミングを逃したら名刺交換を求めてもよい

到着が遅れるなどの事情があり名刺交換ができなかった場合は、タイミングを見計らって名刺を求めてもマナー違反ではありません。

会議や商談の終了後に「恐れ入りますが、名刺を交換させていただけますでしょうか」と伝えて、名刺を交換しましょう。

  • 名刺を受け取る時の4つのマナー

    名刺を受け取る際は持ち方やしまうタイミングなどに気をつけましょう

名刺交換した後のマナー

名刺は相手の分身のようなものですので、名刺交換で受け取った名刺の扱いには注意が必要です。ここでは、名刺交換した後のマナーをご紹介します。

名刺の裏をメモに使うのはマナー違反

一度名刺交換した人に後日会って、「〇〇さん、先日はありがとうございました」などと挨拶ができることは、大きなビジネスチャンスにつながり、とても大切です。ですから名刺交換した際に、交換した日付や相手の特徴を名刺にメモした上で、大切に保管してほしいと思います。

ただし、「名刺は相手の顔」ですから、相手の目の前で名刺にメモをするのはNGです。会議や商談が終わり、相手と別れてから書き留めるようにしましょう。

名刺の裏にメモ欄が設けられていることもありますが、それは名刺を渡す人が伝言を残すためのスペースです。名刺にメモしておきたい事柄があったとしても、相手の目の前でメモするときは名刺ではなく別の紙に書いておきましょう。

名刺を忘れて帰らない

名刺交換でもらった名刺を忘れて帰ることは、失礼に当たりますので必ず持ち帰りましょう。会議や商談が終わった後には書類などと一緒にせずに、必ず名刺入れにしまってから席を立つようにしてください。

  • 名刺交換した後の2つのマナー

    名刺交換した後の名刺は相手の顔と思って扱いには注意してください

名刺交換の仕方は社会人としての基本!

名刺交換の仕方は社会人として身につけておくべきビジネスマナーです。まずは必要な枚数を名刺入れに入れて準備しておきましょう。相手の人数が増えたときに備えて、数枚多く準備しておくのがベストです。名刺をかなり多く使うことが予想される日は、名刺の箱ごとバックに入れておき、都度名刺入れに補充しましょう。

名刺交換の際は、必ず立ち上がって相手の正面に移動して行います。テーブル越しで交換をするのは失礼にあたるので注意しましょう。名刺は大切なビジネスツールですから、丁寧に両手で扱うのが基本です。そして、受け取った名刺はすぐにしまわないよう気をつけてください。名刺を相手そのものと思って、大切に扱いましょう。

名刺交換は、社会人として必須のビジネスマナーですが、マナーに捉われすぎてぎこちない動きになってしまっては、相手に好印象を与えることはできません。この記事の内容を参考に、名刺交換の基本手順を理解して、スムーズに名刺交換できるようにしていきましょう。