丼チェーン「伝説のすた丼屋」「名物すた丼の店」を運営するアントワークスはこのほど、全国30代のサラリーマンを対象に「サラリーマンのお財布と外食事情」に関する調査を実施し、結果を公表した。

  • 30代のサラリーマンはランチの際、どこで何を食べている?

4月からさまざまな商品が値上げラッシュとなり、はや2カ月。サラリーマンのランチの“お財布事情"は、どのようになっているのだろうか。

例えば、「低価格チェーン」の代名詞ともいえる牛丼大手チェーン3社でみると、去年の暮れに各社一斉値上げに踏み切ったばかりだが、早くも値上げという企業も多く出ている。

日本のサラリーマンの給与平均は30年前とほぼ変わらないといわれており、相次ぐ値上げに「かなり厳しい」「もう生きていけない」という人も多いかもしれない。

実のところ、1度のランチに使うことのできる金額はいくらくらいなのか。働き盛りのサラリーマンの本音を探るうちに、安くても満足できるメニューが分かるかもしれない。

そこで今回、同社は「サラリーマンのお財布と外食事情」に関する調査を実施。調査期間は、2022年5月13日〜5月14日、全国30代のサラリーマン1,014人を対象にインターネット調査にて行なった。モニター提供元は、ゼネラルリサーチ。

■働き盛りのサラリーマン、どんなランチを食べている?

はじめに、現在のランチ事情について調査した。「どのような場所・種類でランチをとっていますか?(複数回答可)」と質問したところ、「持参した弁当」(42.6%)と回答した人が最も多く、次いで「コンビニ弁当やカップラーメンなど」(33.2%)、「おにぎりやパン類、紙パックのジュースなど」(28.7%)、「社員食堂」(21.3%)、「ラーメンや牛丼などのチェーン店」(19.9%)と続いた。

調査の結果、約4割は弁当を持参していることがわかった。また、コンビニで買うできあいの弁当を食べている人も見受けられる。一方で、約4割は食堂やチェーン店と回答し、外食でしっかりとお腹を満たしている様子もうかがえる。

では、平均的なランチ代はどれくらいなのか?「1回のランチに使う平均的な金額はどのくらいですか?(1人あたり)」と質問したところ、「500円未満」(50.2%)と回答した人が最も多く、次いで「500円〜1,000円未満」(46.0%)、「1,000円以上」(3.8%)と続いた。

9割以上が「1,000円未満」と回答。また、1,000円以上と回答した人はごく少数にとどまり、外食でもランチは1,000円以内に収めたいという人が大半のようだ。

■本当はしっかり食べたい!?サラリーマンの本音とは

  • 食べたいものを我慢している人もいる?

ランチは弁当やコンビニで安く買えるもので済ませ、費用をできるだけ抑えるようにしている人が多いことが明らかとなった。そのため、中には、食べたいものを我慢している人もいるのではないか?

そこで、「実際のランチと本当は食べたいランチの内容にギャップはありますか?」と聞いたところ、約6割が「大きなギャップがある」(19.6%)、「少しギャップがある」(40.1%)と回答した。

本当に食べたいものを食べている人のほうが少数派のようだ。それは、お財布事情によるものが大きいのだろうか?

「お財布事情に問題がなければ、軽めのランチではなくガッツリ食べたいと思いますか?」と質問したところ、約7割が(「とてもそう思う」(29.9%)+「ある程度そう思う」(40.9%))と回答した。

節約のために、食べたいものや食べたい量を我慢している様子がうかがえるが、本音ではどんなランチが食べたいのだろうか? 理想のランチについて具体的に聞いた。

<外食したい!お腹一杯食べたい! サラリーマンの本音>
・「いつもはコンビニで安く済ませているがガッツリ腹膨れるまで食べたい」(会社員/北海道)
・「費用も時間も抑える為に、コンビニでパンを買って食べているが、肉体労働なのでたまには肉料理をしっかり食べたい」(会社員/埼玉県)
・「節約のため、自宅からお弁当を持参したり、お勤め品で済ますことが多いが、昼からガッツリ外食をしたい」(会社員/埼玉県)
・「大盛り丼もの、男臭いご飯が食べたい」(会社員/東京都)
・「持参弁当ばかりだが、外食したい」(会社員/滋賀県)

このような回答が寄せられた。

「本当はガッツリいきたい」という切実な思いがうかがえる。持参した弁当やコンビニでランチを済ませている人が多数を占めていたが、たまには外食をして、いつもよりちょっと贅沢なものをお腹一杯食べたいと思っている人も多いようだ。

■30代のサラリーマン、そもそもランチにどのようなことを求めている?

  • ランチに求める要素として、何を優先したいと考えている?

ここまでの調査で、多くのサラリーマンは金額を抑えるために、ランチをあまりガッツリ食べていないことがわかった。では、ランチに求める要素として、何を優先したいと考えているのだろうか?

「できればランチに欲しいのは、どのような要素ですか?(上位3つ回答)」と質問したところ、「お手ごろな値段」(80.9%)と回答した人が最も多く、次いで「美味しさ」(69.2%)、「ボリューム(量、食べごたえ)」(62.3%)と続いた。やはり、ランチでは価格を抑えることが最優先のようだ。

ただ、美味しさやボリュームにも多くの回答が寄せられたことから、「安く、美味しく、お腹一杯食べられる」ランチを求めているといえる。

■ランチと夕飯で求めているものの違いは?

  • 夕飯時では、外食をどのような時にしている?

ここまで、30代サラリーマンのランチ事情について聞いてきた。ランチでは外食を我慢している人も多いようだが、夕飯時では、外食をどのような時にしているのだろうか?

「夕飯を外食(またはテイクアウトや出前)にするのはどんな時が多いですか?(複数回答可)」と訊ねたところ、「料理をするのがめんどくさい時」(41.9%)と回答した人が最も多く、次いで「残業などで帰りが遅くなった時」(40.3%)、「職場の社員と行く時」(23.0%)、「仕事を頑張ったと思った日」(22.2%)、「帰り道で誘惑(匂いや雰囲気、食欲など)に負けてしまった時」(21.7%)と続いた。

仕事を終えた身体で料理をする気力がなかったり、残業などで時間が取れなかったりして、外食などで夕飯を済ます人が多いようだ。また、そんな時だからこそ、美味しいものをガッツリ食べてスタミナを回復させたいという思いもあるのかもしれない。

その場の気分や状況で気軽に外食をしている様子から、ランチよりも夕飯時のほうが、外食に行く機会が多いのではないかと考えられる。では、それを踏まえて、夕飯にはどのような要素を求めているのだろうか?

「夕飯に欲しいのは、どのような要素ですか?(上位3つ回答)」と質問したところ、「美味しさ」(78.0%)と回答した人が最も多く、次いで「ボリューム(量、食べごたえ)」(65.2%)、「お手ごろな値段」(63.5%)と続いた。

ランチに求めることと上位の3要素は同様であるものの、ランチでは「価格」を最優先している一方で、夕飯には、それ以上に「美味しさ」や「ボリューム」を求めており、優先順位に違いがみられた。ランチと夕飯では、夕飯を優先して好きなものを食べたいという背景もあって、ランチを節約する傾向にあるのかもしれない。

■ガッツリ食べたい?でも安く済ませたい?どんなメニューが向いている?

  • 豚肉を使った料理では、どのメニューが人気?

時間やお金、食べたいものを考慮してランチや夕飯のメニューを決めているかと思うが、いずれにしても、「ガッツリとした食事が食べたい」という思いは多くの人が持っているように見受けられる。

ガッツリと言えば、やはり思いつくのは“肉"。例えば、豚肉を使った料理では、どのメニューが人気なのだろうか?

​「豚肉料理を食べるなら、どのメニューが好ましいですか?(上位3つ迄)」と質問したところ、「生姜焼きや炒め物の定食」(65.3%)と回答した人が最も多く、次いで「トンカツ(+ご飯)」(64.3%)、「豚肉の丼もの」(39.5%)、「豚肉の唐揚げ(+ご飯)」(39.0%)、「ポークカツカレー」(30.0%)と続いた。

生姜焼きや炒め物の人気が高いが、カツや唐揚げなどの揚げ物も非常に人気だ。また、丼ものや唐揚げは牛肉や鶏肉がメジャーではありますが、豚肉の丼ものや唐揚げも人気が高いことがうかがえる。好みはあるにせよ、ガッツリとした肉料理は比較的どのメニューも好きな人が多いといえる。

では、これらのメニューが、先程の調査で挙げられた「安く、美味しく、お腹一杯食べられる」という3要素を兼ね備えていたとしたら、どれくらいの頻度で食べたいと思うのだろうか?

「そのメニューが“安くて旨いものをお腹一杯食べられる"のなら、どのくらいの頻度で食べたいですか?」と聞いたところ、「いつも食べたいと思う」(33.9%)、「たまには食べたいと思う」(57.9%)と回答。9割以上が「食べたい」と積極的な回答をし、3要素を揃えた食事を理想としていることがわかる。

ランチではできるだけ節約して外食は控える傾向にあるようだが、この3要素が揃っているようなメニューなら、たまには外食をしても痛手にはならないかもしれない。

■サラリーマンは、お財布に優しく、うまいものを、お腹一杯食べたい!

今回の調査で、30代のサラリーマンのランチ事情や、ランチに求めていることについて明らかになった。

多くの人は、弁当を持参したり、おにぎりやカップラーメンなど、コンビニで安く済ませたりしていた。そのような人は、ランチ代の平均額も500円未満に収まっている方が多い。

外食をしている人も多く見受けられましたが、それでも1,000円未満に抑えている人が多く、できるだけ安く外食を楽しみたいという思いがうかがえる。

また、普段持参の弁当やコンビニでランチを済ませている人も、お財布事情を気にしなければ、本当はもっと豪華なものや食べごたえのあるものを食べたいと思っている人が多いことがわかった。

その一方で、夕飯時には比較的気軽に外食を選択する様子がうかがえた。ランチはとにかく安さを第一としているようだが、夕飯はそれよりも美味しさやボリュームを求めているようだ。

仕事終わりの夕飯で少し贅沢に外食をするためにも、ランチは節約したいと思うのかもしれない。しかし、ランチの時も、価格を抑えつつお腹一杯食べられるなら食べたいという気持ちはあるだろう。

同社では、「そんなサラリーマンの希望を叶えるお店で、たまには外食をしてみてはいかがでしょうか?」と結んでいる。