いすゞ自動車のSUV「MU-X」が日本に上陸している。パシフィコ横浜で開催中の「人とくるまのテクノロジー展2022」(5月27日まで、オンラインでも開催中)に展示中だ。実物を見るとゴツくてデカくてカッコいいのだが、日本で売る予定はあるのだろうか?
7人乗りの本格派
「MU-X」はいすゞが「PPV」(Passenger Pickup Vehicle)と呼ぶSUV。ピックアップトラック「D-MAX」の派生車種で、2020年11月に7年ぶりのフルモデルチェンジを実施した。「フレーム付きPPVならではの悪路走破性と耐久性、牽引性能が評価され」ているそうで、タイを中心とするASEAN地域やオーストラリアなど、世界60カ国以上で販売中だ。ピックアップトラックの荷台部分をキャビンにしただけのクルマではなく、後席の居住性を考慮してリアのサスペンションなどを変えてあるという。
- 展示車両「MU-X」の主要諸元
駆動方式 | 4×4 |
乗車定員 | 7人 |
全長/全幅/全高 | 4,850mm/1,870mm/1,825mm |
最低地上高 | 235mm |
トランスミッション | AISIN 6AT |
タイヤサイズ | 265/50R20 |
エンジン型式 | 4JJ3 |
総排気量 | 2,999cc |
最高出力 | 140kW/3,600rpm |
最大トルク | 450Nm/1,600~2,000rpm |
車両重量 | 2,175kg |
車両総重量 | 2,800kg |
最大牽引重量 | 3,500kg |
ブースにいたいすゞ社員によれば、MU-Xを日本で売る予定はないとのこと。「117クーペの人気ぶりを見ると、いすゞの乗用車にはファンが依然としていらっしゃるのではないかと思いますし、ゴツくて本格的な7人乗りSUVとなれば、一定数は売れるのでは?」と食い下がってみたのだが、やはりメーカーとして日本に導入し、販売網を整備してビジネスを展開するというのは、けっこうハードルが高いそうだ。全くの主観ではあるのだが、この話をしてくれたいすゞ社員が、どことなく残念そうな表情を浮かべていたのが印象に残った。