「にわかファン」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。本記事では、「にわか」の意味をはじめ、語源や由来、使い方などをくわしく解説します。また、近年使われるようになったネット用語での意味もあわせてご紹介します。

  • にわかとは

    にわかを理解し正しく使いましょう

「にわか」とは

にわかは「突然に」「一時的に」といった意味があり、古くは江戸・明治時代から使われはじめたといわれています。

当時は主に名詞として使用されていましたが、現在は「にわか雨」などのように形容動詞としてよく用いられます。

「にわか」の意味

にわかは大きく分けて次の4つの意味で用いられます。

(1) 物事が急に起こるさま。突然

(2) 主に名詞の上につけて、急にその状態になる意をあらわす。にわか雨など

(3) 病気が急変する様子

(4) 一時的であること

これらは形容動詞として一般的に使用されている意味です。

よく用いられるのは(1)や(2)で、「突然に」「急に」といった意味で使用されます。「にわか雨」などのように、名詞ににわかをつけることで、急にその状態になったことをあらわすこともできます。

そのほか、名詞としての意味もあります。これは「俄狂言」の略として使われていたもので、現代では一般的ではないかもしれません。

漢字では「俄」や「俄か」、「仁輪加」「仁和賀」などと書きますが、あまり漢字は使用されず多くがひらがなで表記されます。

にわかの語源・由来

にわかという言葉自体は江戸・明治時代から用いられるようになり、古語の「にはか」が語源であるといわれています。

当時は素人が即興で行う「俄(にわか)狂言」と呼ばれる寸劇が流行しており、そこから一般的に使用されるようになったようです。この「俄狂言」は、のちに職業として寄席などでも行われるようになります。

にわかの類義語・対義語

にわかの類義語には「突如」や「たちまち」「唐突に」などがあります。物事がいきなり起こるさま、そしてその突然起こったことに驚きが含まれるような言葉が類義語に該当するといえます。

対義語には「徐々に」「ゆっくりと」があります。にわかとは対照的に、段階的にゆっくりと物事が進むさまをあらわす言葉が対義語に該当するでしょう。

本来の「にわか」の使い方

これまでみてきたように、にわかは「突然に」「一時的に」といった意味をもつ言葉です。文章としてはどのように使えるのか、例文を2つご紹介します。

・「そうだ、北海道に行こう!」とにわかに思いたつ

北海道に行こうといきなり思いたった様子があらわれています。「にわかに思いたつ」を「急に思いたつ」と言い換えても意味が通じます。

・あの人が仕事を辞めるなんて、にわかに信じがたい

起こった出来事に対してすぐには信じることができないといった様子があらわれています。こちらも、「急には信じがたい」とも言い換えられますね。

  • ネット用語としてのにわか

    にわかは「突然」「一時的に」などの意味で使われます

ネット用語としての「にわか」

近年、ネット上で「にわかファン」や「にわかオタク」という言葉をよく聞くようになりました。これらは2019年のラグビーワールドカップ日本大会から広まったといわれています。

ネット上で「にわかファン」が広まった使われるようになった

2019年のラグビーワールドカップ日本大会。自国開催が相まって全国的に盛り上がり、ラグビーファンが一気に増えたのと同時に「にわかファン」という言葉が全国に広まるきっかけになったといわれています。

この年の「ユーキャン新語・流行語大賞」にもノミネートされるなど、ネット用語としての「にわかファン」は2019年に一気に使われはじめたのです。

意味は前述したとおりで、普段はラグビーを観戦しない人がワールドカップをきっかけに突然ファンになったさまを意味しています。ラグビーに興味のなかった人が急にファンになった、とも言い換えられ、どちらかというとネガティブな要素も含んでいます。

「にわかファン」を略して「にわか」とも言われます。

ネットスラングとしての「にわか」の例文

ネットスラングとしてのにわかの例文をみてみましょう。

・彼はにわかだから、あのアーティストへの情熱はそんなに長くは続かないよ

・にわかのくせに知ったかぶっているから嫌われる

文章から、少しネガティブな意味あいが感じられるでしょうか。一時的に好きになっているだけだから長くは続かない、という例文です。

ネットでの「にわか」の使われ方

近年主にネット上で用いられるようになったにわかは、前述の例文のように少しネガティブなニュアンスを含みます。「ファン」や「オタク」と合わせて用いられるように、主にエンターテイメントやスポーツの分野で使用されます。

話題になっているから、人気だからなどの理由で、急に、または一時的にファンになるという意味では、「ミーハー」と似た意味で使われるといってもいいでしょう。

「にわかファン」の対極的な言葉には、「コアなファン」「古参」などが挙げられます。

  • 「ファッションオタク」とは

    「にわかファン」は2019年のラグビー・ワールドカップで広まりました

「ファッションオタク」とは

「にわかオタク」と似た言葉に「ファッションオタク」があります。服飾にこだわりをもつファッションのオタク、といった意味もありますが、実は少し異なる別の意味があります。

「ファッションオタク」って?

「ファッションオタク」は、次の2種類の意味で用いられます。

(1) 服飾に強いこだわりをもち、知識やそのものを収集している人、といった意味で用いられる表現。いわゆる「ファッション分野のオタク」のこと

(2) 真のオタクではないが、一見すると真のオタクであるかのように振る舞っている人をさす表現。いわゆる「ファッション(装い)としてのオタク」のこと

(2)が「にわかオタク」と近い意味です。にわかオタクもファッションオタクも、どちらも真のオタクではないという点では共通していますが、実は少しニュアンスが異なります。

「にわかオタク」と「ファッションオタク」の違い

「にわかオタク」と「ファッションオタク」は、近い意味をもちつつも少し異なったニュアンスがあります。「にわかオタク」は何らかの影響を受けて急にオタクになったにもかかわらず、オタクとして少し背伸びをしている人をあらわします。

それに対し「ファッションオタク」は、はじめからそのもの自体にあまり突っ込む気はなく、オタクを装っているだけの人をあらわします。

広くみると真のオタクでない点は同じですが、背伸びをしている、装っているというようにニュアンスに違いがあることに注意が必要です。

  • 【おまけ】にわかがつく言葉や指輪

    「ファッション」は「装う」という意味をもちます

【おまけ】「にわか」がつく言葉や指輪

にわかがつく言葉やブランドをご紹介します。どのような意味で使われているのか、またどのような意味が込められているのかを想像してみるのも楽しいかもしれません。

にわか雨

「にわか雨」は天気予報などでもよく使われるため、聞いたことがある方も多いでしょう。急に降り出す雨、一時的に降る雨、という意味で用いられています。

にわか仕込み

「にわか仕込み」は、時間のない中ですぐに知識をつけさせることを意味しています。すぐに、急にという「にわか」に、教えて身につけさせるという「仕込み」をかけ合わせた言葉です。

「NIWAKA」の指輪

「NIWAKA」という京都発祥のジュエリーブランドがあります。1200年の歴史を有する京都で誕生した「NIWAKA」のジュエリーは、日本の美意識が息づいた洗練されたデザインが特徴です。

  • にわかを正しく使えるようになろう

    にわかはジュエリーブランド名にも用いられています

にわかを正しく使えるようになろう

にわかには「突然に」「一時的に」といった意味をもちます。もともとは即興の寸劇から用いられるようになった言葉で、近年ではネット上で「にわかファン」といった使い方も広まっています。

本来の意味とネット用語としての意味の違いを理解し、正しく使えるようになりましょう。