有名な昔ばなし「桃太郎」をヒーローモチーフとした新番組『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』がテレビ朝日系で好評放送中である。スーパー戦隊シリーズの第46作にあたる本作では、ドンモモタロウ(レッド)、イヌブラザー(ブラック)、サルブラザー(ブルー)、キジブラザー(ピンク)、オニシスター(イエロー)と、桃太郎とお供の犬、猿、雉、そして鬼という異色のチーム編成がファンの目をひいた。
彼らが戦いを挑む、人類の「敵」に該当するのが「脳人(ノート)」である。人間よりも高次元の存在だという脳人だが、その一方で人間界のものに興味を持つという不思議な一面をも持ち合わせている。
『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』放送を記念した単独インタビューの今回は、脳人のひとり・ソノニを演じる宮崎あみさが登場。白を基調とした神秘的なコスチュームに身を包んだ宮崎は、悪のヒロインとしての妖艶さと、笑顔が似合う天真爛漫さの両方を兼ねそなえ、視聴者の心をひきつける魅力にあふれている。ここでは、ソノイ役にかける宮崎の強い思いのほどを語ってもらった。
――今回の役はオーディションで決まったのですか。
そうです。最初はヒロインのオーディションを受けていたのですが、マネージャーさんから「ヒロインには落ちたけれど、敵のヒロインに合格しました!」と聞かされまして、ビックリしましたね。もう、戦隊ヒロインになる気まんまんでしたから(笑)。
――「悪」あるいは「敵」と呼ばれるグループにいる役について、どのような印象を持たれていますか。
昔から、アニメやマンガでもカッコいい悪役とか、自分の意志でしっかり行動している敵には、ちゃんとたくさんのファンがついています。私自身も悪役キャラをカッコいいな、好きだなと思うことがありますから、悪側、敵キャラを演じることになったと言われても、ぜんぜんイヤではなかったです。
――幼いころ「スーパー戦隊シリーズ」はご覧になっていましたか。
日曜日の朝、『プリキュア』シリーズとセットでいくつかの作品を観たような気がしますが、ほとんど覚えていないんです。でも大きくなってから、『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』(2018年)はお話が面白いのとキャラクターが素敵だったので、楽しんで観ていましたね。
――ソノニ役が決まったとき、まずどなたに知らせましたか。
母ですね。「レギュラー受かったよ! 敵だけど」って言ったら、おめでとう!と祝ってもらえました。でも次の日から家で私のあだ名が「悪い女」になったんですよ。何も悪いことしていないのに「悪い女なんだよね」って(笑)。
――ソノニとは、どんなキャラクターなのでしょう。
ひと言で説明すると「妖艶な大人の女性」なんだそうです。私にそういう妖艶さがあるのかどうかわかりませんが、もしかしたらないかもしれないですけれど、自分なりに冷たい女の子をイメージして演じるようにしています。
――美しい姿をしていますが、人間ではないのですね。
脳人(ノート)という、人間より上位の存在です。人間が欲におぼれちゃう姿を嫌って、消去してしまうんです。脳人には欲望というものがないらしいので、人間への対応がどうしても冷たくなります。
――ソノニの目が妖しく輝いていて、面と向かってお話をうかがっていると何やら魔力か妖術にかかってしまいそうです。
これは白のカラコンを入れています。ソノニのイメージカラーが白なので、白い衣装に合わせて瞳の色も白くしているんです。でも、目が疲れるので長時間の使用は避けています。これをつけたままだと、会う人みんなからビックリされます(笑)。
――役衣装を身に着けられたときのご感想はいかがですか。
うーん、けっこうお腹が露出していて、冬場は寒いなと思いました(笑)。首飾りもピアスも形がおそろいで、素敵なんですよ。ソノイ、ソノザもそれぞれの個性が引き出されていて、3人そろった写真なんかを見ると、なかなか強そうで。写真だといかにも性格が悪そうな女に見えるようです。
――撮影所の雰囲気はどんな感じでしょう。
私自身、テレビドラマの撮影は初めてなので、見るもの聞くもの、ぜんぶが難しいことばかりです。まだ撮影も始まって間もないので、ソノニというキャラクターがどこまで自分の中に入っているか、わかりませんから。設定では「人間の恋愛に興味を持つ」と書かれていますので、これから先どんなエピソードがあるのか、興味津々です。これからいただく台本を自分の中に取り込んで、魅力的なソノニを演じてみたいです。