東京商工リサーチはこのほど、2021年度のハンバーガー店の倒産(負債1,000万円以上)は6件となり、前年度(1件)から急増したと発表した。このうち5件はコロナ関連倒産だった。

出店が加速、厳しい競争に

  • ハンバーガー店の倒産 年度推移(出典:東京商工リサーチWebサイト)

ハンバーガー店の倒産は、コロナ関連の持続化給付金や雇用調整助成金、ゼロゼロ融資など資金繰り支援策の効果で、2020年度は1件にとどまった。

しかし、2021年度に入ると、長引くコロナ禍での業績不振でダメージが蓄積すると同時にコロナ支援効果も減少し、手持ち資金が枯渇。小・零細店の息切れが顕在化し始め、倒産6件のうち、5件がコロナ関連倒産となった。

ハンバーガー店は、コロナ禍の中、テイクアウトやデリバリーが好調だが、大手チェーン店から中小企業まで出店が加速し、厳しい競争となっている。

同調査では、「熾烈な競争は消費者にはプラス面が大きい。だが、小麦などの食材価格や光熱費が上昇し、人手不足も採算低下に輪をかけるハンバーガー店には死活問題だ。大手と新興のハンバーガー店の生き残りをかけた競争が、どこまで進むのか、倒産増加の可能性が高まってきた」と懸念している。