現在放送中のTBS系日曜劇場『マイファミリー』(毎週日曜21:00~)で、二宮和也扮する鳴沢温人と共に会社を立ち上げ、ビジネスパートナーとして温人を支える女性・立脇香菜子を演じている高橋メアリージュン。近年、連続ドラマへの出演が続き、その存在感のある芝居は作品に良いコントラストを与えている。しかしモデルからキャリアをスタートさせた高橋にとって、女優業に進む際には、大きな壁を感じていたという――。

  • 『マイファミリー』立脇香菜子役の高橋メアリージュン

2004年から雑誌『CanCam』の専属モデルを務めるなど、ファッションモデルとしてキャリアをスタートさせた高橋。その後、2012年の連続テレビ小説『純と愛』で、夏菜演じるヒロイン・狩野純の兄・正(速水もこみち)の妻・マリヤ役として女優デビューする。

そこから『闇金ウシジマくん』シリーズでは、ヒステリックで凶暴な闇金の女経営者・犀原茜役で強烈なインパクトを残すと、映画『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』でも、志々雄真実(藤原竜也)の愛人・駒形由美を情熱的に演じ切るなど、ややデフォルメされたキャラクターで“強め”な印象を残した。

高橋は「女優を始めた頃は、自分がハーフであることをすごく気にしていて、あまり普通の役というか、一般的な物語での役柄を演じることは難しいのではないか」と大きな不安があったという。

高橋の言葉通り、以前はややエキセントリックな役柄を演じることが多かったが、近年は“強め”な役はもちろん、いわゆる日常を描く物語のキャラクターを演じる機会も増えてきた。自身が感じていた不安は、作品を重ねるごとに少しずつ薄れてきたという。

「ありがたいことに、いまはハーフという外見的なこととは関係なく、いろいろな役柄に挑戦する機会を与えていただき、すごくうれしい気持ちがあります」。

同時に、普通の人を演じることの難しさも痛感しているという。「正直エキセントリックな役柄の方が、思い切りできるというか、迷いがない部分はあります。一方で、リアルにそこにいる……というキャラクターは、すごく難しいんです。つい『もっとやらなければ……』と思う気持ちが強く、大丈夫なのかな。足りているかなと不安になっちゃうんですよね」。

しかし作品を重ねるごとに、“そこにいる”というお芝居も、大切な表現方法だということを学んだ。「何もしないという言葉が正しいか分かりませんが、いまは作品のなかに溶け込むこと、穏やかに佇むなかで、しっかり意味を持たせることを意識しています」。