現状のレギュラー番組は引き続き担当することになり、「これだけ恵まれた環境で会社を辞める人もなかなかいないと思います。すごく感謝しています」と新たなスタートを切る中で、すでにいくつかの局と打ち合わせをセッティングし、それぞれに提案できる企画書作りを進行。企画募集のコンペに手当たり次第参加するという形ではなく、企画会議を重ねて求めるものに応じた提案を行い、成立につなげていくというスタイルを採っていく方針だ。

独立してフリーの立場となったことで意識するのは、クリエイターの地位向上。「請け負った番組について権利を持っていく必要もあると思います。そうしないと、ひたすら本数を作っていかなければ儲からない、制作費を受け取るだけの“足し算の世界”になってしまうので、配信で見られるとパーセンテージが入ってくるといった“掛け算の世界”に行けたらと思うんです。やりがいだけでは今後絶対に無理が生じてくるので、そこは時代が変わるように頑張れたらいいなと思います」と、今後を見据える。

また、これまでにはなかった、アイデアや発想を提案していくコンサル的な仕事も相談を受けているのだそう。さらに、就職セミナーやOB訪問などで学生たちと交流した経験から、「いろんな人と“面白い”って何だろうと考えたり、頭を柔らかくする会話をする場所があってもいいかなと思って、僕みたいな者の話を聞いてくれるのであれば、少人数でもいいのでオンラインサロンも開設する予定です」と構想を明かした。

■“見る人楽しい、出る人楽しい、作る人楽しい”

「Sunny Pictures」という社名の由来は、「小学生の頃、北風を避けて日差しが当たってポカポカする芝生の斜面があって、そこがすごく気持ち良くてみんな集まってきたんだという話をカミさんに何回もしてたみたいで、子供の名前をそこから付けたんです。なので会社を作るときにも、みんなが集まってきて、居心地がいい『サニー』はどこかに入れようと思ったのですが、結果『ソニー・ピクチャーズ』と似てるなって(笑)。番組名も何回も付けてきましたけど、名前を付けるのって改めて難しいですね。でも、うまくコンセプトに合った社名になったと思います」と胸を張る。

  • 「Sunny Pictures」

3つの輪が重なったロゴは、「(笑福亭)鶴瓶師匠がよくおっしゃる“客よし、店よし、世間よし”という『三方よし』がありますけど、僕は“見る人楽しい、出る人楽しい、作る人楽しい”を仕事をする上でのモットーにしているので、それを表現しています」とのこと。そこに、サニーの頭文字“S”を配しているが、「とにかく僕の作るものは見た人が楽しいと思ってもらい、困っている人を笑顔にする提案ができる会社にしたい」と、“スマイル”の意味も込められている。