値上げが相次いでおり、対象となる商品も多岐に渡っています。これまでの値上げは、ビールやたばこ、お菓子といった直ちに家計に影響が出ないものが多く、深刻ではあったものの、やりくりでなんとかできる範囲のものでした。しかし、これから続く値上げは生活必需品も多く、その負担は大きくなっていくことでしょう。

  • 相次ぐ値上げに「ムダ買い」していませんか?

    相次ぐ値上げに「ムダ買い」していませんか?

今後値下げの要因となるニュースは、国内生産の農作物などが豊作で安くなっている。廃棄直前のものを救って欲しいといったものでしょう。もちろん、これらも活用して家計の足しにすることはできます。

しかし、コロナ、ウクライナ情勢、円安の状況下で、その多くを輸入に頼っているものは、今後値上がりつづけるでしょう。

家計においては、値上げの発表があると、慌てて買い物をしてストックを増やし過ぎてはいませんか。実はあの値上がりアイテムも、買い過ぎたら無駄になってしまうかも知れません。ストックルールを決めて適正在庫を考えていきましょう。

ストックルールの「きほん」

ストックルールの「きほん」を紹介します。

  • 定番品である
  • し好品ではない
  • 腐らない、傷まない、酸化しない、虫がつかない
  • 賞味期限が長く災害時に備えられる

定番品である

たとえ値上がりするものであっても、いつも使っているものでなければ、買い溜めをする必要はありません。

し好品ではない

お菓子やお酒、ジュースなどのし好品類の値上げも発表されていますが、買いすぎると消費も増えてしまいがち。必要な分を必要なだけ買うようにした方が節約につながります。値上げを機にし好品の出費について考えてみるとよいでしょう。

腐らない、傷まない、酸化しない、虫がつかない

そもそも肉や魚、野菜など消費期限が短いものを買い溜めする必要はありません。その理由は、傷んでしまえば廃棄率が高くなり結局はムダになってしまうからです。 また、小麦は値上がり幅が大きいものですが、パンや製菓など小麦粉を多く使う調理等をしない限りは、それほど家庭での消費量は多くはありません。保存方法を間違うと、虫が発生することもあるので1袋購入して、なくなりそうになったら買う程度で十分と言えるでしょう。

調味料は砂糖や塩には賞味期限がありませんがとは言え、買い溜めする必要性はありません。その他の調味料も半年から1年くらいが賞味期限ですので、家族の人数にもよりますが、プラス1~2のストックで十分と言えるでしょう。

賞味期限が長く災害時に備えられる

ストックできるものは、食品で言えば、賞味期限が半年~1年以上あるものです。1年以上あるものは缶詰や乾物といった比較的保存性が高いものです。そしてまた、災害時の非常食としても利用できるものが望ましいと言えるでしょう。

即席めんの賞味期限は製造から半年です。油で揚げてある麺の場合、徐々に酸化して食味が悪くなってきます。即席めんは常食する必要はありませんが、非常食にもなるため、ローリングストックで家族の人数×3日分程度あると安心です。

食品の値上がりは家計に直結するものですが、慌てずローリングストックを意識して、PB商品やセール、クーポンを活用してやりくりしていきましょう。

食品の他にもさまざまなものが値上がりしています。日用品などの対応方法を考えておきましょう。

トイレットペーパーなどの紙類や洗剤、ラップなどの日用品も値上げが続いています。消耗品でもあるので、ある程度のストックを持っていたとしてもいつかは消費するので心配なら多めに持っておくのは問題ありません。

ただし、これら日用品は保管スペースを多くとるものもあるため、家族の人数や消費量にもよりますが、2人暮らしならプラス1~2のストックで十分ではないでしょうか。

最近我が家のトイレットペーパーは、安くてスペースの節約にもなるシングル2倍巻をドラッグストアのクーポンを使って割引価格で購入します。洗剤や柔軟剤は、7月ごろに行われるAmazonプライムセール時に箱買いで1年分まとめ買いをします。

赤ちゃん用のおむつは、サイズアップのこともあるので、まとめ買いをする際はサイズに気を付けて買うようにしましょう。

コスメ・ブランド品などにも注意

海外コスメや海外ブランド品など、欧州から来る製品や材料などが現在遅延していて、品切れ、品薄になっているものをみかけるようになりました。その理由は、ウクライナ情勢で飛行機が減便していることと、コンテナの混雑と港湾の混乱のためです。

海外コスメなどで定番品を使っている人は、入荷が遅れているため商品があるうちに繋ぎ分を含めて買っておくか、代わりとなるアイテムを探しておいた方がよさそうです。また海外ブランドも、円安や金価格の上昇でブランドバッグやジュエリーの値上げ発表も予想されます。

買い占めで品不足になると起こること

パニック買いは、値段上昇の要因になります。例えばマスクが手に入らない、トイレットペーパーが手に入らないなど、必需品が品薄になると、セールがなくなり、定価で買うことになります。そして場合によっては、高級ティッシュなど高いものしか店頭に並んでいないことも。

パニック買いの買い占めは、百害あって一利なし。そのためにも適正な在庫をローリングストックで備えることが大切と言えるでしょう。