帝国データバンクは4月16日、上場する食品メーカー主要105社を対象に実施した「価格改定動向調査」の結果を発表した。それによると、今年に入ってから値上げした品目は、累計6,000品目超におよぶという。

  • 2022年以降の食品値上げ品目数 月別

    2022年以降の食品値上げ品目数 月別

上場する食品主要メーカー105社における、2022年以降の価格改定計画(実施済み含む)を調査した結果、4月14日までに累計6,167品目の値上げ実施(計画含む)が明らかに。各品目の価格改定率(各品目での最大値)は、平均で11%となった。

  • 価格改定の食品 分野別

    価格改定の食品 分野別

今年に入り、食用油や小麦粉、大豆、砂糖など主原料系の高騰は周辺商材へ急速に波及するなか、直近でも冷凍食品や醤油、食肉加工品、水産練り製品、豆乳、菓子などで、原材料高を価格へ反映させる動きが急増。

値上げとなった品目数を食品分野別にみると、ハムなどの食肉加工品から、カマボコなどの水産加工品、即席めんなどの「加工食品」が最多の2,909品目。小麦や油脂などの原材料調達価格高騰に加え、原油高でラップなど包装材価格高騰を価格に反映したケースが多く、値上げ率は平均で12%だった。

次に多かったのが「調味料」で1,311品目、値上げ率平均は9%。食用油の価格高騰による影響が目立ち、特に、菜種油はマヨネーズやドレッシング類など調味料の原料として使われるため、これらの品目を中心に値上げが相次いだ。

3番目に多かったのが「酒類・飲料」で744品目。サトウキビなどから作られる粗粒アルコールの価格高騰のほか、輸入ワインなどが物流費高騰や円安の影響から値上げを実施。以下、「菓子」(431品目)でも、ジャガイモの不作のほか、油脂、砂糖といった原料高、包装資材の高騰が響き、「乳製品」(400品目)では、中国での消費拡大から輸入チーズの原料高が影響した。

今回の調査結果を受けて同社は、食品の値上げが止まらない要因として、「世界的な食料品相場の上昇に加え、原油価格の高騰に伴う物流費や原材料費の値上がり、為替でも円安傾向が続くなど全方位でコスト増加が続き、企業努力で吸収可能な余力を超えていること」をあげ、さらに今後については、「食料品の価格高騰は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻収束を問わず一過性ではないとの見方も強いなか、コスト上昇分を売価に反映させる形で、今後も各種品目で値上がりが続く可能性が高い」と分析している。