引っ越しの日取りには大安がおすすめといわれますが、大安の日は人気のため引っ越し業者の料金が高く、なかなか引っ越し日に調整できないこともあります。別日で調整した結果、先負(せんぶ・さきまけ)が引っ越し日になったとしたら、その縁起が気になる方もいることでしょう。

そこで今回は、先負の引っ越しや縁起が良い時間帯などについて、詳しく解説していきます。引っ越しに最適とされる日や、避けた方がよいとされる日などもご紹介しますので、引っ越しを考えている方はぜひ参考にしてください。

  • 先負に引っ越しをしても問題ない?

    先負に引っ越しをしても問題ないのかどうか、引っ越しに適しているのはどのような日なのか、それぞれ解説していきます

先負に引っ越しをしても問題ない?

先負とは?

先負は、その日の吉凶を占う「六曜(ろくよう)」の一つとして広く知られています。六曜とは14世紀ごろに中国から伝えられ、幕末以降から広く使われるようになりました。現在でも、慶事弔事の際には六曜を意識して日取りを決めるケースは少なくありません。

先負は「先んずれば、すなわち負ける」を意味し、勝負事や急用には向かず、平穏に過ごすのが吉とされる日です。また、「負」という文字が入っていることから、契約や訴訟は控えた方が良いと言われています。

しかし、六曜は仏教用語ではなく、あくまでも慣習や俗習の類です。名称や順序は時代の流れと共に変わり、意味の解釈もさまざまなので基準も曖昧です。

なお、先負を含めた現代の六曜は下記の通りです。

六曜 意味
先勝 何か行うのであれば、急ぐことが吉とされている日。午前は吉、午後は凶。
友引 相打ち勝負なしの日。つまりいいことはないが悪いこともない日。祝いごとは好ましいが葬式などの凶事を忌む日。朝晩は吉、正午前後は凶。
先負 何事も控えめに平静を保つ日。訴訟などの争いごとは避けた方がいい日。午前は凶、午後は吉。
仏滅 万事に凶とされている日。葬式や法事の日としては問題なし。
大安 万事大吉の日。特に婚礼にふさわしい日とされている。
赤口 凶日で、特に祝いごとは大凶。「赤」から連想される火の元、刃物に要注意の日。正午前後は吉、朝夕は凶。

先負に引っ越しは縁起が悪い?

六曜の解釈はさまざまですが、一般的に先負は「急ぐことはせず、静かにゆっくりと過ごすのが良い日」と解釈されています。そのため、引っ越しのように慌ただしいイベントを避ける人もいるようです。

ただ、六曜はあくまでも慣習であるため、気にならないのであれば先負に引っ越しをしても全く問題はありません。

先負に引っ越しをするなら時間は午後が良い?

先負は「午前中は凶、午後は吉」とされています。縁起を気にするのであれば、午後から引っ越し作業を始める方がいいでしょう。なお、午後から引っ越しをすると料金が安くなる傾向があるので、料金面のメリットもあります。

しかし、この考え方にも科学的根拠はないため、先負の午前中に引っ越しをしても全く問題ありません。

  • 先負に引っ越しをしても問題ない?

    先負はその日の吉凶を表す六曜の一つで、科学的根拠に基づいた考え方ではありません

先負のほかに「仏滅」や「赤口」も引っ越しに向いていないとされる

先負のほかに「仏滅(ぶつめつ)」や「赤口(しゃっく・しゃっこう)」も引っ越しに向いていない日とされています。向いていないとされる理由を見ていきましょう。

仏も滅する大凶日「仏滅」

仏滅は「万事凶」とされているため、引っ越しの日に選ばない人も多いようです。以前は「物滅」という字が充てられ、「古い物を滅して新しいことを始める」という意味がありました。その一方で「物を失う」という悪い意味もあったようです。

いずれにしても、解釈や充てられる漢字が時代と共に変わるということは覚えておいた方がいいでしょう。

血や火事を連想させる「赤口」

赤口は「凶日」で、仏滅に次ぐ凶日とされています。また、火や刃物に注意すべき日とも言われています。「赤」という字は火や血を連想させるため、引っ越しを避ける人もいるようです。時間帯に関しては「正午が吉、朝夕は凶」とされています。

  • 先負のほかに「仏滅」や「赤口」も引っ越しに向いていないとされる

    「仏滅」や「赤口」は引っ越しに向いていないとされています

引っ越しに向いているとされる日はいつ?

引っ越しに向いているとされる日は「大安(たいあん)」、「友引(ともびき)」、「先勝(せんしょう・せんかち)」です。引っ越しに向いているとされる理由を見ていきましょう。

引っ越しの日取りに最適な「大安」

大安は「大いに安し」という意味があり「万事大吉」とされています。そのため、婚礼などの祝いごとだけではなく、引っ越しの日として大安を選ぶ人も多いようです。

縁起が気になるのであれば大安を選びたいところですが、引っ越しの予約が集中するために料金が高くなるというデメリットがあります。費用の安さを優先するなら、大安を避けて引っ越しをするのが賢い方法です。

大安に次いで引っ越しに向いている「友引」

「友引」は「友を引く」とされるため、葬儀などは友引を避ける傾向にあります。以前は「共引」という字が充てられ、「何事も引き分けになる日」とされていたようです。このことから「何事もなく終わる日」という意味につながり、引っ越しに向いていると考える人もいます。時間帯は「朝夕が吉、正午は凶」とされています。

午前中に引っ越しをするなら「先勝」

「先勝」とは「先んずれば、すなわち勝つ」ということから「急ぐことが吉」とされる日です。午前中に物事を済ませると幸運につながるという考え方から、先勝の午前中は引っ越しに向いているとされています。午後は凶に変わるため、縁起が気になるのであれば午前中にすべての作業が終わるようにするといいでしょう。

  • 引っ越しに向いているとされる日はいつ?

    引っ越しに向いているとされる日は、「大安」、「友引」、「先勝」です

先負に引っ越しをしても問題ない

先負は引っ越しの日に向いていないとされていますが、あくまでも占いにより言い伝えられたものなので、気にせずに引っ越しをしても問題ありません。「仏滅」や「赤口」も引っ越しの日に向いていないとされますが、科学的根拠はありません。

引っ越しに向いているとされる日は「大安」や「友引」です。ただし、大安は料金が高くなる傾向にあるので、引っ越し費用が割高になるという現実的なデメリットもあります。

六曜を考慮するのももちろん良いですが、まずは費用や自分と家族のスケジュールを優先して、引っ越し日の調整を行いましょう。