東急電鉄は5日、田園都市線で使用している8500系の定期運行が2023年1月に終了することを受け、ヘッドマーク装着、有料撮影会、列車の貸切イベントなど実施する「ありがとうハチゴー」プロジェクトを4月6日から開始すると発表した。

  • 東急田園都市線などで活躍した8500系が2023年1月に定期運行終了

8500系は新玉川線(渋谷~二子玉川園間、現在は田園都市線の一部)と営団地下鉄(現・東京メトロ)半蔵門線の相互直通運転開始に伴う乗入れ車両として、当時すでに使用されていた8000系をベースに、1975(昭和50)年に開発された。

当初は4両編成だったが、輸送力増強のため増備が続き、最終的に10両編成化され、東急電鉄最多の400両(10両編成×40編成)が製造された。1976(昭和51)年に鉄道友の会ローレル賞を受賞。田園都市線だけでなく、東横線や大井町線でも8500系が使用され、東急線沿線の多くの人々の日常の足として活躍した。

現在は2編成が残り、運行されているが、後継車両である5000系や2020系の導入が進んだことから、2023年1月をもって定期運行を終了する予定となっている。

  • 現業社員のデザインによる「ありがとうハチゴー」プロジェクトロゴ

「ありがとうハチゴー」プロジェクトは、8500系の定期運行終了に際し、日頃から8500系の運行に携わる運転士、車掌、駅係員、検車区員ら現業社員が「長くご愛顧いただいたお客さまへ感謝の気持ちを伝えるとともに、長年にわたり当社の主力車両として活躍した8500系車両を労いたい」という思いから企画された。車両の先頭部にヘッドマークを装着するほか、人数限定の有料撮影会と貸切イベント列車の運行、記念グッズ・記念きっぷの発売、特別サイトの開設など、順次実施する予定となっている。

ヘッドマークの装着は4月20日から開始し、定期運行終了まで、現業社員によるオリジナルデザインのヘッドマークを現在残っている2編成(8631F・8637F)の両先頭部に1枚ずつ装着する。

  • 8500系は現在、2編成が残る

有料撮影会「ありがとう8500系 in 長津田検車区撮影会」は、8500系2編成(8631F・8637F)の並びを撮影でき、過去に掲出したヘッドマークを装着したフォトセッションや客室内も撮影も実施。4月17日に10時から10時50分まで、11時から11時50分までの2部制で行われ、参加費は8,500円。クラブツーリズムのサイトにて、4月6日10時から各回30組を先着順で受け付ける。

貸切イベント列車は、田園都市線の車庫である長津田検車区の洗浄線から出発し、車庫線を経て長津田駅から鷺沼駅まで走行。鷺沼~宮前平間の本線上で折り返し(通称「谷落とし」)、再び田園都市線を走行して長津田検車区へ戻る日帰りツアーとなる。15歳以上限定で5月8日に実施され、参加費は5,000円。クラブツーリズムのサイトにて、4月18日10時から100名を先着順で受け付ける。

「TOKYU STYLE」では、8500系の機器音のダウンロード販売、過去に使用されたヘッドマークがデザインされたクリアファイル(5枚セット)やチャーム付きアクリルキーリングなどの記念グッズの販売を4月16日10時から実施。8月上旬からは、東急線主要駅にて「ありがとう8500系記念きっぷ(仮称)」の販売も予定されている。

4月17日10時には、「ありがとうハチゴー」特設サイトを開設。8500系の歴史と特徴を紹介するページのほか、イベント情報やグッズ紹介コーナーも設ける。新しい情報は随時更新していくとのこと。