日本人の心や人と人とのふれあいを温かくとりあげてきた番組と人に贈られる「第30回橋田賞」の受賞作品および受賞者が3日、発表された。

  • 仲野太賀と井上貴博アナ

脚本家・橋田壽賀子さんが理事を務めていた橋田文化財団が主催している同賞。今回、橋田賞大賞は該当者なし。橋田賞は、『阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし』(NHK)、『日本沈没-希望のひと-』(TBS)、橋本裕志(脚本家)、東山紀之(俳優)、中田喜子(俳優)、仲野太賀(俳優)、井上貴博(アナウンサー)が受賞。新人賞は、杉咲花(俳優)と吉沢亮(俳優)に決定した。

また、理事長の井上弘氏は「奇しくも明日(4月4日)が橋田先生の一周忌というときの橋田賞の発表になりました。今年の橋田賞は、橋田先生が大切に描いていらした日本人の心とふれあいを特に表す作品や人が選ばれています。橋田先生のご冥福を祈るとともに、先生の放送文化への思いがこれからの放送を担う方々に引き継がれていくことを願います」とコメントを寄せた。

なお、受賞者には、本賞の置時計と副賞の賞金100万円が贈られる。

それぞれの受賞理由は以下の通り。

橋田賞大賞

該当なし

橋田賞

■『阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし』 (NHK)
芸人として活動する阿佐ヶ谷姉妹の何気ない日常を描いたホームドラマ。人とのつながりや温かさの大切さを押し付けることなく届けることができた。長く続くコロナ禍の中、たくさんの視聴者を励まし、癒し、温かさで包み込んだ。

■『日本沈没-希望のひと-』 (TBS)
日本人の温かさを感じさせるドラマ。日曜劇場らしい手堅い俳優陣に「地球温暖化」など昨今のエッセンスを加え、見ごたえのある内容だった。49年前の原作をタイムリーな企画として蘇らせることに成功した。

■橋本裕志 (脚本家)
『エアガール』(テレビ朝日)『日本沈没』など第一線で活躍する脚本家。『エアガール』では、日本がすべてを失った戦後、力強く立ち上がり、時代を切り開いた不屈の精神を感動をもって描き、『日本沈没』では大胆に原作を変更し、新鮮かつ見ごたえあるものにした。

■東山紀之 (俳優)
『刑事7人』(テレビ朝日)『サンデーLIVE!!』(テレビ朝日)などドラマ・MCと長年にわたって幅広く活躍。橋田作品(『御いのち』『源氏物語』(TBS)など)の心の中のヒーローとしても活躍。

■中田喜子 (俳優)
『渡る世間は鬼ばかり』(TBS)の5人姉妹のひとりとしておなじみ。『プレバト!!』(TBS)では俳句名人として脚光を浴びるなど、ドラマだけではなく、バラエティ・クイズでも長年にわたって幅広く活躍してきた。

■仲野太賀 (俳優)
『コントが始まる』(日本テレビ)『#家族募集します』(TBS)などたくさんのドラマで活躍。コミカルな役からシリアスな役まで幅広い表現力を持つ存在感ある実力派俳優。

■井上貴博 (アナウンサー)
『Nスタ』(TBS)のキャスターとして、さわやかで知的でありながら、正直で熱い口調で切り込む姿にコロナ禍で不安が広がる中、多くの視聴者の共感を得た。

橋田賞新人賞

■杉咲花 (俳優)
『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』(日本テレビ)において、盲学校高等部に通う視覚障害のある主人公の人生の迷い、恋や夢、友情を繊細かつ大胆に演じた力量は特筆に値する。また、『おちょやん』(NHK)では、大正から昭和の戦前、戦中、戦後の激動を生きる女性を演じ、その卓越した演技は、高い評価を得た。

■吉沢亮 (俳優)
大河ドラマ『青天を衝け』(NHK)では、平凡な農家に生まれた渋沢栄一の青春時代から近代日本を代表する実業家になった壮年期、老年期まで、波乱万丈な生涯を清々しく自然体で演じきった。