俳優の草なぎ剛がMCを務める『最後の○○~日本のレッドデータ~』の第3弾が、4月15日(NHK BSプレミアム・BS4K 22:00~22:59)に放送される。

  • 草なぎ剛

世界で唯一無二の職人の技、その工場でしか作られなくなった製品など、日本には人知れず消えつつある「最後の〇〇」いわば“日本のデッドデータ”がある。この番組は、数多くの「最後の○○」を紹介し、日本の多様性を再発見する知的探求ドキュメンタリーだ。

今回登場するのは、京都で日本髪の“究極の美”を生み出す92歳の結髪師、最高品質の“メイドインジャパン”を復活させた若きランプ職人。MCの草なぎが「最後の○○」に光を当て、不屈の信念や生きざま、知られざる価値に迫る。

草なぎは「3度目の収録でしたが、毎回必ず良い発見や出会いがあります。前回テーマの“在来野菜”は、その後すごく調べて実際に買いに行きましたし、今回も職人の技で作られた物が本当に欲しくなりました。いつも何かしら影響があるんです。また、職人の方が生涯現役でバリバリ仕事をされている姿はすばらしいなと思いました。自分の仕事にとってもすごく刺激になり、また頑張ろうと思える番組です」とコメント。

番組の魅力について「原点に返らせてくれるところですね。少し生き方を正してくれる番組だと思っています。今失われつつあるものの中に、生きる道標のようなヒントがある。もう一度、振り返ってみるといいものがあるのではないかと思います」と語った。

番組では、職人たちが熱中している様子が映されるが、時間を忘れて夢中になってしまう瞬間について草なぎは「デニムとブーツを見ている時が一番好きですね。手入れをしている時は夢中になっています。ちょっと汚れたブーツが大好きなので、あえて磨かないんです(笑)。シワや泥が付いていると、さすがに拭ったりしながら『これくらいの汚れ感がいいな』と眺めています。デニムも年代別に並べてみたり、履いていないものもあるので『このデニムはそろそろ下ろそうかな』とか考えている時、頭の中が無になってリラックスできています」と明かす。

そして、「強がって『僕はもう、ものはいらない』と言ってしまいますが、実はやっぱり好きなんでしょう。新しいものも好きですが、昔のものも好きです。頭を空っぽにしてくれるので心にメリハリが生まれて、切り替えになりますね」とも話した。

また、番組を通じて、さまざまな職人たちがつながり合ってものが完成することを実感したそうで、「一つのものを作るためにつながっているんですね。買ったものが手元にあるのが当たり前の状況ですが、それまでにはたくさんの人が手をかけて、いろいろな工程を経て一つのものが出来上がっている。それが手作りであればあるほど大変です。そういうことを改めて考えると『やっぱりものって大切にしないと』と思う。自分の基本を正してくれる感じがありますね」としみじみ。

「失われてしまうものや途絶えてしまうものもありますが、またいつかよみがえるかもしれない。一方で、失われてしまったことさえ分からない時もあれば、失われる寸前で知ることもある。そういった、失われつつあるものの中に大切なもの、忘れちゃいけないものはあるんじゃないかと、いつも思います。『最後の〇〇』では職人さんの熱意や情熱が分かりやすく伝わってきて、すごく楽しかったですね」と振り返った。

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