テレビを見ているとつい目が行ってしまう、男性俳優、タレントさんたちのパーツがある。それが歯。特に前歯だったりする。芸能界で活躍する方たちは恵まれた容姿をより高めるため、デビュー後歯列矯正をすることが多い。真っ白で、整然とした歯並びは一般的に好印象を高める。健康保険適用外で高額な治療費がかかるのにも関わらず、希望者が後を絶たないのはそれだけ歯並びが印象を操作しているということだ。

ただ今回の主旨として強く訴えたいのが「少しくらい歯並びは悪いイケメンは可愛いくないだろうか」ということである。この考えがただの趣味なのか、それとも正論であるのか。本文を通して検証してみたい。

何をやらせても可愛く収まる、小動物系前歯

千葉雄大

まずは自然体の歯並びでいる著名人男性のことを、ここでは「前歯男子」と総称する。このフレーズを聞いて一番に思い浮かぶのは、千葉雄大さん。演技での活躍もさることながら、バラエティー番組で堂々と披露する"あざとさ"に一役買っているのが、チョン、と突き出た2本の前歯。本来の造形美に加えて、可愛らしさが5倍増しになっている。「ああ、自分のことをよく分かっているんだな、はいはい」と納得せざるを得ない、仕草や言動。『あざとくて何が悪いの?』(テレビ朝日系)への出演回は面白くて何度も見てしまった。

そして次に思い出すのは、成田凌さん。朝ドラ『おちょやん』(NHK総合・2020年)では、ヒロインを裏切って不倫する夫役。映画『愛がなんだ』では交際へ踏み出さない男役……と、クズ男の役をやらせたら今No.1ではないかと思う。トップモデルであったことを彷彿させる、すらりとした四肢に、線の細さ。タバコを吸うシーンがよく似合う。

ふたりに共通するのは、歯が小動物系であること。これが可愛い。このおかげで、あざとさを振り撒かれようが、クズ男でいようが、プラマイゼロ。前歯はイメージダウンを救う。

"ちょいガタ"の歯並びは大物への証かもしれない

  • 菅田将暉

俳優業というのは、役のためには自らの体を差し出すことを厭わないらしい。この原稿を書こうとして色々調べていくと、役作りのために歯を抜く人いるというのは昔から聞く。凡人には背中がざわっとする行為である。でもそれだけの覚悟を持っているからこその、俳優道なのかと感じた2人がいる。

まずは菅田将暉さん。演じても、撮られても、歌っても向かうところ敵なし。日本中が彼の動向から目を離せず、そして離さなかったことを後悔しない作品へ次々と出演している。記憶に新しいところでは『ミステリと言う勿れ』(フジテレビ系)の、ちょっと偏屈な久能整役。並走するように大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK総合)では源義経役。並べるだけでも何かを受賞できそうな勢いである。そんな菅田さん、くだんの前歯男子である(私調べ)。ホワイトニングこそしているけれど、全体的にナチュラルな歯並び。

竹内涼真

癒し系ビューネくんのはずだったのに、いつの間にかワイルド系に転換されていた竹内涼真さんも実は歯並びが可愛い。今やどんな作品でも主演を務めている大物なのに、そこだけは変わっていない。菅田さんと同じく、これから日本の俳優界を背負っていくであろうお二方。歯列矯正に踏み込まないのは、将来の役作りを思ってなのか、それとも純真さを残したいのか。個人的には後者を応援したい。

ここまで個人的な歯並び四天王を紹介したけれど、ラストにホープをお二人ほど。それが俳優の濱田龍臣さんと、アイドルグループの井上瑞稀さん(HiHiJet)だ。現時点では確認していないけれど、できれば矯正はしないでこのまま進んで欲しいと願う。ここで書いてきたように、あくまでも自然で印象の悪くない歯並びは人気を左右する……かもしれないので。