■吉本芸人の励ましに感謝「周りみんないい男です!」

――先ほど「大挫折」「絶望」という言葉も出ましたが、解散危機はありましたか?

平井:解散を考えたことは僕は1回もないですね。「辞めよう」もない。もう続けるしかない。そこは腹くくっています。

浦井:僕も辞めようというのは一番遠いところに置いていました。

――いつかわかってもらえるという自信があったのでしょうか。

平井:折れそうになるときはもちろんあって、その都度周りの人が「このまま続けて」「面白いから」と言ってくれて。久々のテレビの収録があったときに、なんかの事情で「収録ここまでです」って僕らの前で終わって何も披露できなくて。こんなことあるんか……これがテレビかと。落ち込んだときに、その収録に参加していた先輩のアイロンヘッド・辻井(亮平)さんがツイッターで「男性ブランコっていうおもろいヤツがおるから、絶対見といてください」ってつぶやいてくれたときは涙が出るくらいうれしかったです。よし、頑張ろうって。

――落ち込んでいるだろうと思ってつぶやいてくれたということでしょうか。

平井:そうだと思います。その日の夜に。それはずっと今後も覚えてますね。めちゃくちゃいい男です。周りみんないい男です! 同期も。「絶対大丈夫やから」って。

――吉本芸人さんってそういう絆が素敵ですよね。

平井:ほんまに。「思ったことあったら教えて」ってネタについて言い合ったりするんですけど、これ言ったらおもろなるからやめとこうというのがマジでない。ライバルではありますが、全力で俺だったらこう思うけどなって言い合っています。

――男性ブランコのお二人の関係も素敵だなと感じますが、仕事の仲間になって変わってしまったということは?

平井:月1マクド行く仲っていうこの感じがずっと。これがちょうどいいのかもしれないです。月1回、「こんなん見たで」「あれ見た?」みたいな。今でも会話の内容は、好きなものの話ばかり。当時と距離感は変わっていないです。

――月1マクドみたいな友達としての時間がこれからも毎月あるといいですね。

平井:そうですね、まずはマクドナルドさんに行こうか(笑)。当時の友達感は今もあるかもしれないですね。

■キングオブコント優勝に向けてマシンガン戦法でネタ作り

――『キングオブコント』優勝が目標とのことですが、昨年は準優勝。優勝するためには何が必要だなと感じましたか?

平井:何が足りてなかったかっていうのはわからなくて。ただ、浦井から又聞きで聞いたのが、ガクテンソクの奥田(修二)さんが、『THE MANZAI』でファイナリスト常連になっていたときに、「無名のときは周りと競う。でもファイナリストというのが乗っかると過去の自分と戦わなあかんから難しい」と話していたと聞いて、確かにそうだなと。きっと去年と比べられる。去年より劣っていたら点数が低くなると思います。

浦井:去年の印象を超えてなかったら、普通の減点より大きい。

平井:去年の2ネタを絶対超えるネタを作らないといけないという気持ちですが、どうやったらできるのかわからないので、マシンガン戦法でたくさん作って、その中にいいのがあればと。これいけるんじゃないかなというネタをブラッシュアップしていく作業をして、その中でこれだというのが出てきたら。

浦井:金の卵がポンって。それを見逃さないように。

――将来的にはどういう風になりたいと考えていますか?

平井:近い目標として、今年『キングオブコント』で優勝し、来年全国ツアーでどの都市に行ってもちゃんとチケットが完売するというのを目標にしています。そのほかでやりたいことは、水族館や博物館、動物園など、館系・園系でコントができたら。水槽の前でコントやるのか、博物館だったら剥製の前でコントやるとか、面白そうだなと。お笑いを普段見ていない方も見てくれるのかなと思うのでやりたいです。

――M-1も、2年前は出場されていませんが、挑戦を続けられています。漫才への思いも教えてください。

平井:漫才は人を好きになってもらえる余地があるんじゃないかなと。コントは、男性ブランコのコントを好きになる人が集まってくれる。漫才は、浦井・平井を好きになってくれる人が来てくれる。層が違う気がして、両方やったらお客さんがたくさん来てくれるのではないかという思いで、漫才も男性ブランコの表現として必要なものだと去年思いました。僕は両立するなんて無理だと思っていたんですけど、浦井が「『M-1』出ようか」って。確かに人柄を好きになってもらえたらめちゃくちゃありがたいので、漫才もやっていきたいです。

――コントと漫才で心境は全然違いますか?

浦井:コントと漫才で心持ちは全然違います。コントはきっちり流れが決まっていて空手の型みたいな。アドリブはあまりない。漫才は、組手のような感じで全く違うなと。ただ、お互いが作用するなと感じていて、漫才の時のフリー感、アドリブ感がコントの中でも出しやすくなっています。

平井:コントはセリフをきっちり決めて、漫才は台本がないのでその場でやっている感じで作っていて、それがコントにもいい作用になっているというか、コントも肩の力を抜けるように。きっちりやらないといけないという緊張が10割方占めていましたが、漫才をやることによってコントでも自分の言葉で言えるようになったら楽しくなってきました。