• 『サヨウナラのその前に Fantastic 31 Days』より (C)NTV

“月曜日の主役”は、オーディションで西岡星汰に決まったが、「彼がどれだけ人生を懸けているかというのはすごく分かります。自分がこの年齢になると、その気持ちに逆に教えてもらうこともあり、初心を思い出しますね」と感化されるそう。

そして、「とにかく、自分が信じたとおりに頑張ったらいいと思いますし、僕たちは仲間としてその状況を作ってあげることが必要かなと思います。もちろんドラマの成功もありますが、彼の人生の成功をサポートするのも自分の成功であり、みんなが良い状態で仕事ができることが、まずは大事かなと思います」と、役者の先輩として温かく迎える姿勢を見せる。

一方で自身の若手時代は、「僕、結構オーディションの合格率が高かったんです(笑)」とのこと。「オーディションはたくさん受けましたが、あの雰囲気はもう嫌でした(笑)。10パターンの演技を準備しても、それを出すことができなかったりするし、『ここダメだな』とか言って緊張させる面接官がいるんですよ(笑)」と思い出しながら、番組や配信でその様子が公開された今回のオーディション参加者を、「もうたまらない気持ちだったと同情しますし、すごいなと思いますね」と称えた。

■コロナ禍で「自分の“根っこ”を見ました」

改めて、今回の役柄について聞くと、「すごく核心を突いたことを言う場面もありますが、とても愛情深い人間だと思います。教師という役ですが、生徒たちに対する思いに加え、娘に対する思いも深く、会話の中で、どういう気持ちで接しなければならないかという人間が根本的に持っている部分を表現できる役だと思います」と紹介。

セリフには、福井雄太プロデューサーの恩師の言葉がどんどん盛り込まれているそうで、「本当に良いことを言うんです(笑)。昔の先生は、勉強だけではなく人生を教えてくれる部分もあったと思いますので、教師というより教育者という意識で演じられたらと思っています」と意気込む。

コロナ禍という大きな環境変化の中で、「自分の“根っこ”を見ました」と明かす北村。つまり、原点を思い出したのだという。

「自分は何のためにこの仕事を始めて、何をしたかったのだろうと考えると、僕は子供の頃に影響力のある仕事を選びたいと思っていました。それは俳優であれ、歌手であれ、政治家であれ、影響力を通して自分に何ができるのかということ。その考えは今もあまり変わってなく、今回のドラマのような新しいチャレンジは、これからもいろいろと挑戦していきたいですね」と、さらなる意欲を示してくれた。

●北村一輝
1969年生まれ、大阪府出身。映画『日本黒社会 LEY LINES』(99年)などで注目を集め、『テルマエ・ロマエ』『猫侍』などの映画、『ガリレオ』『シグナル 長期未解決事件捜査班』『スカーレット』『天国と地獄~サイコな2人~』などのドラマに出演。今年は『サヨウナラのその前に Fantastic 31 Days』の放送や、映画『沈黙のパレード』の公開が控える。

スタイリスト/小林祥子
ヘアメイク/荒井智美