日本テレビ系情報番組『ZIP!』(毎週月~金曜5:50~)で、きょう3月1日にスタートしたドラマ『サヨウナラのその前に Fantastic 31 Days』(7:50頃 ※全23話)。隕石衝突による地球最後の31日間を、月曜から金曜まで曜日ごとに視点を入れ替えて描き、5人の主役がリレー形式で紡ぐ作品だが、この“水曜日の主役”を演じるのが、女優の南沙良だ。

昨年、ドラマ『ドラゴン桜』(TBS)で注目を集め、今年はさらなる飛躍の年になることが期待される南。将来は「型にはまらない表現ができる人になりたい」と意欲を語ってくれた――。

  • 『サヨウナラのその前に Fantastic 31 Days』に出演する南沙良 撮影:蔦野裕

    『サヨウナラのその前に Fantastic 31 Days』に出演する南沙良 撮影:蔦野裕

■自分を変な視点から見る癖がある

曜日ごとに異なる主人公が存在し、それぞれの視点で描かれるという今作に「最初にお話を頂いたときは、初めての経験なので、新鮮な気持ちで楽しみでした」という南。

演じるのは“もう1人の自分が、脳内でその出来事を冷静に分析している”というキャラクターだが、「自分を変な視点から見てしまう癖は私にもあるんです。学生時代に学校で何人かで話しているときに、私は全然しゃべれないんですけど、一方で頭の中でいろいろ考えていたりしたので、そういうところは重なるかなと思います」と共感した。

劇中で、“夕方のニュースでは、毎日冒頭で隕石と地球の距離が発表される”という世界が描かれ、新型コロナウイルスの感染者数が夕方に毎日伝えられる現実を想起させる今作。「最初にタイトルを見て、ストーリーを聞いたときに、もっと日常から離れた物語かなと思ったんですけど、台本を頂いて読んでみると、自分の普段の生活にリンクするような部分もあったりするので、そういうところも共感しやすいと思いました」と印象を語る。

そこで、地球最後の日が来ることが分かったら、どんな行動をするかと聞いてみると、「本当にくだらないんですけど、やり残したことがいくつかあるので、それをしてから家族とゆったり家で過ごせたら良いなと思います」と回答。

その“やり残したこと”をさらに聞くと、「途中までしか見てないアニメを見るとか、ディズニーに行けたらいいなとか、本当にくだらないんです!(笑)」と恥ずかしがりながら打ち明けたが、最後は日常の生活を過ごしたいという願望から、今の生活が充実していることがうかがえる。

■『ドラゴン桜』で「前向きになれた」

充実という点で言うと、昨年は『ドラゴン桜』(TBS)で注目を集めたが、「あの作品でお芝居に対してもっと前向きになれた気がします。以前はあそこまで明るい性格の役をやったことがなかったので、いろいろ不安を抱えながら演じていたんですけど、お芝居をして楽しかったですし、いろんな方に『見てるよ』と言っていただけたので、他にもいろんな役ができたらいいなと思いました」といい、1つのターニングポイントになったようだ。

女優を目指したのは、「昔から“違う人になりたい”っていう思いがすごく強くて、それを考えたときに、違う人になることをお仕事にしている女優さんってカッコいいなと思うようになって、私もなりたいなと思ったんです」という意識から。その夢を周囲に話していると、叔父が雑誌のオーディションを見つけてくれ、見事合格して芸能界入りを果たした。

今回のドラマは“月曜日の主役”はオーディションで西岡星汰に決定したが、南自身もまだオーディションを受ける機会が多いのだそう。実は「オーディションはすごく苦手で…。人の前で『自分の言葉でしゃべってください』とか『自己紹介してください』とか言われると、頭が真っ白になっちゃうんです(笑)」と、意外な一面を明かした。

今後の目標を聞くと、「型にはまらない表現ができる人になりたいと思っています。お芝居だけじゃなくて、イラストだったり、本を読むことが好きで文章を書くことも好きなので、いろんなもので表現していける人になりたいと思います」と意欲。

そして、今回のドラマでは、「毎朝見てくださる方に何か少しでも伝わるような作品になるように、私もいいお芝居ができたらと思います」と意気込んだ。

●南沙良
2002年6月11日生まれ、東京都出身。映画『幼な子われらに生まれ』(17年)で女優デビュー。初主演映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(18年)で、報知映画賞、ブルーリボン賞など、数々の映画賞を受賞し、その演技力が高く評価される。そのほか、映画『居眠り磐音』『もみの家』『太陽は動かない』、ドラマ『うつ病九段』(NHK BSプレミアム)、『六畳間のピアノマン』(NHK総合)、『ドラゴン桜』(TBS)、Netflix映画『彼女』など出演作多数。2022年は、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK)、映画『女子高生に殺されたい』『この子は邪悪』などが控える。

スタイリスト/小林祥子
ヘアメイク/荒井智美