小田急電鉄は2022年3月期第3四半期の決算発表に合わせ、決算について想定される質問・回答を参考として同社サイト内に掲載した。この中で、ダイヤ変更による減便で保有車両数を60両削減でき、車両新造等の設備投資を約50億円削減できると説明している。

  • 小田急電鉄の通勤車両5000形

同社は2022年3月12日にダイヤ変更の実施を予定しており、これによる増収効果や費用削減の影響に関する質問への回答として、朝方ラッシュ時の特急増発効果として年間1億~2億円程度の増収を図るほか、減便により保有車両数の60両削減が可能としている。保有車両を削減することで、今後発生を見込んでいた車両新造等の設備投資も約50億円削減でき、あわせて修繕費等の減少も見込まれるとのこと。新ダイヤに合わせた採用計画・要員計画については引き続き検討していく。

運賃改定については、新型コロナウイルス感染症の影響でこの先の収入を見込みづらい状況が続いていることから、まずは経営合理化や設備投資計画の見直しといった自助努力による支出抑制に取り組むことを優先すると説明。特急料金の値上げについては現時点で未定であり、今後の利用動向を踏まえ、特急列車の需要喚起や収支改善につながる施策を行うという。鉄道駅のさらなるバリアフリー化のために創設された新たな料金制度について、具体的な運用方法などの確認を進め、バリアフリー化の加速に向けて活用する方向であるとしている。

  • 小田急電鉄の特急ロマンスカー・GSE(70000形)

小児IC運賃一律50円化については、3月12日のダイヤ変更とともに開始する予定。短期的には年間2.5億円程度(2018年度実績をベースに試算)の減収と考えているものの、日常での外出に加え、箱根・江の島といった観光地に気軽に訪れてもらえるような需要喚起を行うことで増収につなげていく。長期的には「子育てしやすい小田急沿線」の実現に寄与し、事業基盤である沿線人口の獲得につながると考えているとのこと。