Vシネクスト『仮面ライダーセイバー 深罪の三重奏(トリオ)』(監督:上堀内佳寿也)が、1月28日より全国劇場にて期間限定上映される。本作はテレビシリーズ『仮面ライダーセイバー』の最終章から8年後が舞台となり、かつて世界の平和を守るため邪悪な敵と戦った3人の剣士、仮面ライダーセイバー/神山飛羽真(演:内藤秀一郎)、仮面ライダーブレイズ/新堂倫太郎(演:山口貴也)、仮面ライダーエスパーダ/富加宮賢人(演:青木瞭)の“その後”の姿が描かれている。

  • 川津明日香(かわづ・あすか)。2000年生まれ、東京都出身。2014年「ミス・セブンティーン2014」のグランプリに選ばれ、雑誌『Seventeen』誌で専属モデルを務める(2018年まで)。2016年2月には映画『黒崎くんの言いなりになんてならない』で女優デビューを果たし、『砂の塔~知りすぎた隣人』(2016年)『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(2019年)『科捜研の女 Season21』第11話(2022年)などのテレビドラマに出演。2022年4月公開予定の映画『今はちょっと、ついてないだけ』にも出演する。撮影:大塚素久(SYASYA)

小説家である飛羽真の担当編集者であり、持ち前の明るさと行動力でソードオブロゴスの剣士たちとも深く関わっていた須藤芽依もまた、本作で存在感を発揮している。テレビシリーズでは登場しただけでその場をパッと明るくし、コミカルな動きと愛らしい表情で作品の「癒し」を担当した芽依だったが、あれから8年を経た本作ではより大人っぽさを増し、新たな魅力を見せてくれている。

ここでは映画の上映を記念し、芽依を演じる川津明日香に単独インタビューを敢行。大人になった芽依の役作りへの工夫や、内藤、山口、青木と共に挑んだ主題歌「Bittersweet」歌唱の裏話を明かしてくれた。

――本作の台本を読まれたときの印象はいかがでしたか。

「仮面ライダー」シリーズのスピンオフって、「2号(サブ)ライダー」をメインにした番外編、というイメージだったんです。でも今回は飛羽真、倫太郎、賢人の3人がしっかり際立つ作品だと知って、意外に思いました。設定的には、「最終章から8年後」という部分がやっぱり気になりましたね。8年って、絶妙な年数だなって。5年とか10年ではない、8年という歳月をみんながどう埋めていくんだろうと、興味がわきました。

――8年後という設定で、特に意識したこととは何でしょう。

台本をいただいたとき、あまりにも難しくシリアスな内容だったこともあって、キャスト同士集まって、ちょっと会議みたいなことになりました。気になったのは、テレビシリーズから続いている「芽依と倫太郎との(恋愛)関係」がどうなっているかです。山口くんと、2人の「描かれていない8年間」をどうするか、意識のすりあわせが必要だと思いました。具体的にどう、ということではなくて、この8年でこんなことがあったんじゃないかという経緯だけは共有しておきたかったんです。

――芽依の役作りについてはいかがですか。

テレビシリーズの芽依は23歳の設定です。そのわりにはかなり若い格好をしていたなという印象で、等身大の自分ではなく、もっと幼いキャラクターを意識していました。8年後では30代の女性になっているわけで、それなら以前のイメージとは逆に大人っぽい雰囲気を作ればいいんだなと。そういう意味では、他のみんなよりも「8年後」を表現しやすかったかもしれません。上堀内監督からも「今回の芽依は“脚を出さない”衣装です」って言われましたし、台本にもそんなセリフがあります。編集者としてキャリアを積んで、それなりに出世している感じなので、以前よりもよさげなブランドのかばんを持つとか、そんなところも気にしました。飛羽真と一緒にいるシーンが多くあるので、長年一緒に仕事をしているよい距離感のパートナー同士に見えるよう、飛羽真とのバランスを意識して監督と何時間もかけて衣装を選びました。

――テレビシリーズでも節目となるエピソードを手がけられた上堀内監督だからこそ、8年後にそれぞれのキャラクターがどんな変化を遂げたか、にこだわられていたのでしょうね。

上堀内監督とは、『セイバー』テレビシリーズが始まる前、プロモーション映像のころからご一緒していました。最初のエピソードで監督から「ここを面白いシーンにしたいから」と、芽依のコミカルなセリフや動きの指導があったんですけれど、監督がテストでしゃべったことのほうが、私よりずっと面白いんですよ。監督を超えられないという(笑)。でも、後半にさしかかったエピソードになると、私もずっとコミカル担当をやってきただけあって、特に何も言われず自由に演じることができました。監督には各キャラクターへの強い思いがありますから、そこを酌み取りながら自分の芝居をするというところが、いつも難しいところですね。

――演技面で、8年前の芽依との明確な違いを出そうとされたのは、どんなところでしょうか。

身振り手振りが多くハイテンションだった以前の芽依と違って、今回は飛羽真や間宮に対しても静かに語りかけるとか、陸を優しくケアするようなシーンが多いんです。しゃべり方も地声に近く、今お話ししているくらいの落ち着いたトーンにしています。芽依がキッチンで食器を洗っているシーンなんて、演じていて新鮮でした。今までだったら、誰かに洗ってもらっていたかもしれませんし、自分で洗う!と言いながらお皿を割っちゃったりしそうなところ(笑)、ごく自然にこなしていますから。落ち着いた芽依をお楽しみいただけます。