私たちは、普段からさまざまな音が聞いており、耳は休めない状態にあるという。小林製薬が「耳温活」をテーマにオンラインセミナーを開催し、耳疲労の原因や対策、耳を温めることでのリラックス効果について説明した。
耳疲労による睡眠への影響は?
まず、きたにし耳鼻咽喉科院長 日本アーユルヴェーダ学会理事長 北西剛氏が登壇し、耳疲労が及ぼす睡眠への影響と温めることのリラックス効果について説明した。社会変化に伴い疲労も5G時代となっており、肉体疲労、精神疲労、副腎疲労、脳疲労、そして現在は第5世代となる五感疲労・耳疲労が問題になっているのではと北西氏。
私たちの生活の中では、地下鉄車内の音やドライヤー、さらに音楽機器の発達やスマホ普及により非常に耳に負担がかかっている。夜間や就寝中もつねに聴覚・嗅覚は働いており、耳疲労は睡眠に関連する症状と深い関係があるという。
また、検査データでは異常や症状がない、いわゆる"未病"の人や睡眠に関する悩みも増加傾向にあり、こうした未病に対するケアが重要だと北西氏は話す。「入眠直後(ノンレム睡眠)90分ほどの睡眠が一晩の睡眠の質を決める」と説明し、寝る前には耳を温める"耳温活"、足湯などがおすすめだそうだ。
耳温活でリラックス効果を - 寝つきの悪さを改善
続いて、小林製薬 日用品事業部サーモ&ウェルネスケアカテゴリー ウェルネスケア研究開発グループ 氏家彩奈氏が登壇し、耳を温めることでのリラックス効果について研究結果をもとに紹介した。
同社は、きたにし耳鼻咽喉科にて、耳介への温熱刺激によるリラックス度、手の温度、唾液中sIgA濃度について、健常成人20~40代10名を対象に試験を行った。その結果、すべて上昇という結果に。「耳介への温熱刺激は副交感神経を優位にさせ、リラックス効果を高める可能性が示唆された」と氏家氏は話す。
自分ではあまり負担を感じていない音でも、耳には大きな負担がかかっている。耳温活を取り入れ、睡眠の質をあげることで、心身のリラックスも期待できそうだ。