明治神宮前駅から徒歩1分、明治通り沿いの立地にアディダスのサステナビリティに対する取り組みを体感できる新たな直営店として、「アディダス ブランドセンター 原宿」(東京都渋谷区)がオープンする。

  • 「アディダス ブランドセンター 原宿」(東京都渋谷区)

スニーカークリーニングサービス「SNEAKER SERVICE」など、国内店舗初のサステナビリティサービス設置した店舗とのことで、今回は1月22日のオープンに先駆け、1月20日に開催されたプレス店舗内覧会に参加した。

取り扱い商品の3分の2が再生素材

地下1 F、地上2Fの3フロアの構成で、フットウェア・アパレルを中心に幅広いラインアップを取りそろえている同店。海をイメージしたというフロアのカラーリング、地図の等高線や波をモチーフしたデザインを配した内装が印象的な店内となっている。

  • 等高線や波をモチーフとしたデザインが印象的な内装(1F入り口付近)

今回のオープンに際して目玉となるサステナビリティ商品は、「オールバーズ」とコラボした「FUTURECRAFT.FOOTPRINT」(23.0cm〜30.0cm/1万3,500円)。1足あたり2.94kg CO2e (二酸化炭素換算)と、従来品から63%削減(ランニング フットウェア adizero RC3の測定値(7.86kg,CO2e)と比較)に成功した"脱炭素シューズ"だ。

  • 「FUTURECRAFT.FOOTPRINT」(23.0cm〜30.0cm/1万3,500円)

「こちらは会員様限定の販売ですが、こちらのコーナーではサステナビリティを代表する商品にフォーカスを当て、展開する商品を入れ替えながら紹介していく予定です。この店舗で取り扱う商品の約65%はサステナビリティな商品で構成されていますので、基本的にはどの商品を手に取っていただいても、サステナビリティに貢献できると言えます。再生素材100%の商品はなかなか少ないものの、各コレクションで再生素材の部材を積極的に使用しています」(アディダスジャパン担当者、以下同)

製造時やパッケージ、輸送、使用後の廃棄物管理方法とリサイクル方法まで配慮した商品で、カーボンフットプリント(温室効果ガス)はアディダス史上最少。アディダスでは他の商品でも再生素材の割合を表示するかたちで販売を行う。

「再生素材の由来はそれぞれの商品で変わりますが、海岸近くの地域から回収したペットボトルや魚網といったゴミをアップサイクルして商品化することに、アディダスではとくに注力しています。2015年に国連で発表した『パーレイ』というシューズを起点にラインを広げ、現在はシューズだけではなくアパレルやアクセサリー系のアイテムでも再生素材が使われています」

クリーニングサービスでスニーカーも長持ち

1Fはフットウェア、スポーツウェア、トレーニングウェア、ファッション寄りのカジュアルウェアなどを集めたウィメンズフロアとなっており、女性客が気軽に入店しやすい設計も同店の特徴だ。

  • 1Fがウィメンズフロア

1Fフロアの一角は給水スポットやオリジナルボトルの販売サービス「ウォーターファウンテン ウォーターボトル」を設置した(新型コロナの感染拡大に伴い、給水スポットの利用などは見合わせる予定とのこと)。こちらのウォーターステーションも国内店舗で初の取り組みとなる。

  • 給水スポットやオリジナルボトルの販売サービス「ウォーターファウンテン ウォーターボトル」

メンズフロアとなる2Fには、アディダスとしては国内店最大の売り場面積を誇るというアウトドアコーナーが設けられており、クライミングシューズなどのアイテムが陳列・販売している。アディダスの東京デザインチーム「クリエイションセンター東京」が手がけたアイテムも、こちらのフロアで展開する。

  • テレックスのフリーハイカーをモデルにしたコラボ商品も

  • こちらのTシャツは原宿店でのみでの取り扱い

各フロアの奥に設けられたフィッティングルームは、広くてラグジュアリーなつくり。こちらの床材にはマーモニウムという再生素材を用いており、一部の壁は間伐材を再利用した木毛セメント板という建材を取り入れた。

  • 広々としたフィッティングルーム

同店では外光と連動したLED照明システムの採用や、バックルームのライトに人感センサーを導入することで、使用電力の最適化を実施。現在、内装・インテリアとコンストラクションの2分野でリード認証(エネルギーや環境デザインにおいて世界中で使用されているグリーンビルディング認証プログラム)を申請中とのことだ。

  • 使用電力を最適化した店内

また、アディダスの公式アプリを店内で起動すると位置情報から「インストアモード」機能が自動で立ち上がり、スマホカメラでシューズをスキャンすることで、在庫確認などができる最新のサービスも導入されている。

  • 公式アプリを起動してシューズをスキャンすると在庫確認ができる

なかでも注目を集めているのが、地下1階フロアに設けられたスニーカークリーニング「SNEAKER SERVICE」のコーナーだ。

  • 下処理したスニーカーにスチーマーを当てて洗浄するデモの様子

「現在すでにロンドン、ドバイ、ベルリンなどでは開始しているサービスですが、日本では初のスニーカーサービスです。『EXPRESS CLEAN』、『BASIC CLEAN』(2,200円)、『PREMIUM CLEAN』(2,750円(adiClubメンバーは2,500円)いずれも税込)の3種類。『EXPRESS CLEAN』はアディダスのシューケア用品を使ったアッパー/ソールの簡単なメンテナンスで、メンバー様は無料で受けられます」

「PREMIUM CLEAN」ではクリーニングマシンやスチーマー使った外側の洗浄だけでなく、内部の除菌・消臭なども行える。あくまで汚れを落とすためのクリーニングのため、傷んだ靴の状態によっては対応できない可能性もあるそうだが、メッシュやスウェードなどほぼ全てのスニーカー素材に対応し、他ブランドのスニーカーでもサービスを受け付けるという。