スターバックス コーヒー ジャパンは12月1日、東京・大手町の和田倉噴水公園内に「スターバックス コーヒー 皇居外苑 和田倉噴水公園店」をオープンする。環境負荷低減を目的とした実証実験を行う「グリーナーストア」と呼ばれる環境配慮型店舗の日本1号店。

  • 「スターバックス コーヒー 皇居外苑 和田倉噴水公園店」

オープンを前に開かれた会見には、代表取締役最高経営責任者・CEOの水口貴文氏が登壇。同社が2030年に向けた目標として「二酸化炭素排出量を50%削減、廃棄物の50%削減、水の50%削減」を掲げていることを挙げ、そのための取り組みとしてこれまで、再生可能エネルギーへの切り替えや紙ストロー・紙カップの導入、プラ製ギフト包装資材の全廃を行ってきたことなどに触れた。

さらに、ストローが不要な容器の導入や、11月22日より実証実験が開始された「借りるカップ」への取り組み、コーヒーの豆かすのリサイクルなど、「Reduce、Reuse、Recycle」を意識した取り組みも行っており、近年スターバックスコーヒーでは環境負荷低減に向けた取り組みが加速している。

環境負荷低減を目指す「グリーナーストア」

今回オープンするグリーナーストアとは、スターバックスが世界自然保護基金(WWF)と策定した国際認証「Greener Stores Framework」の基準を満たす店舗のこと。従来の店舗に比べCO2 排出量は約30%、水の使用量は約20%削減することができ、環境負荷低減を目的としたソリューションの実証実験を展開する「サステナビリティハブ」としての役割も持つ。

  • 大きな窓からは和田倉噴水公園が見渡せる

スターバックスコーヒー全体として、2025年までに全世界でこのグリーナーストアを1万店舗展開することを目標にしており、日本でも2022年春までに数店舗展開、さらに2022年10月以降に新規出店する店は随時グリーナーストアとして展開していく計画だ。

  • 皇居ランナーが立ち寄れる給水スポットも

サステナビリティハブ1号店のロケーションに和田倉噴水公園選んだ理由として、水口氏は「緑も多く素晴らしいロケーションであること、そして環境省の傘下でもあることから最初のサステナビリティハブとして適していると考えた」と話した。

1. カップを使い捨てない

グリーナーストアでは「使い捨てカップ使用量の75%削減」を目指しており、店内利用時は「マグ」か「樹脂製グラス」、持ち帰り時には「リユーザブルカップ(110円)」や11月22日より実証実験を展開している「借りるカップ」の利用が推奨されている。これまで同様、マイタンブラー(持ち帰りは21円引き、店内利用では22円引き)の利用も可能。

  • 原則としてリユースの飲用方法から選ぶことが推奨されている

  • 店内ではマグカップか樹脂製グラス、持ち帰りではリユーザブルカップや借りるカップなどが選べる

樹脂製グラスは和田倉噴水公園店で初めて登場する容器だが、軽く扱いやすいだけでなく、透明度が高くまるでガラス製のように見栄えが良いのが特徴だ。

  • 樹脂製グラスはまるでガラス製のようで写真映えも◎

2. 食べものをできるだけ捨てない

通常フードはレジ横の陳列ケースに並べられているが、ボリューム陳列のため包材を開けて陳列する必要があり、その結果廃棄してしまうことも多い。デジタルサイネージから注文してもらうことでフード商品の包材を開けずに冷蔵庫で保管することができ、一部テスト店では一定の効果が出ていることから廃棄の削減が期待できる。

  • 陳列ケースではなくデジタルサイネージで注文する

3. 店内を使い捨てない

さらに、店内の造作物についても環境負荷低減の試みが随所に施されている。本来であれば廃棄されてしまう漁網やキャンバスなどをアート作品に生まれ変わらせた造作物や、CO2排出量を削減するタイルなど、内装のほぼすべてがリサイクル性を考慮した素材からできているというから驚き。

  • 鮮やかなアートは実は廃棄される漁網を再利用したもの

さらに、出店工事時の廃棄物削減も徹底しており、廃棄物のうち85%は鉄や紙に生まれ変わるマテリアルリサイクルへ、15%はバイオマス燃料などにサーマルリサイクルし、埋め立てされる廃棄物0%を目指す。

客席の椅子やテーブルは国産のものを使用することで、壊れてしまっても修理をしながら長く使うなど、廃棄物を徹底して削減する意気込みを感じる。

  • リサイクルガラスや和紙を用いた照明

  • コーヒーの豆かすと牡蠣の殻が練りこまれたタイル床

4. 水を使い捨てない

店内にはスターバックスとして初めて導入する、自律分散型水循環システムの手洗い場が登場。手に付着した約2%を除く、残り98%の水はすべて循環利用される。手洗い場上にあるモニターではエネルギー消費量やコーヒー生産地での取り組みが映像で表示されている。

  • 水循環システムの手洗い場

  • フィルターが入っており、水が循環利用される

店舗限定メニューは3種類

「和田倉噴水公園店」限定メニューとして、和三盆を使用した3つのメニューがある。

  • 和三盆をつかった優しい甘味が特徴の「和三盆 ムース フォーム アーモンドミルク ラテ」(Tall/持ち帰り540円、店内利用550円)、「和三盆 アーモンドミルク フラペチーノ」(Tall/持ち帰り648円、店内利用660円)、「アイス 和三盆 ムース フォーム アーモンドミルク ラテ」(Tall/持ち帰り540円、店内利用550円)

「和三盆 アーモンドミルク フラペチーノ」(Tall/持ち帰り648円、店内利用660円)は、フラペチーノ内に練りこまれた細かいアーモンドと和三盆が優しくマッチ。粗く刻まれトッピングされたアーモンドもアクセントになっている。「アイス 和三盆 ムース フォーム アーモンドミルク ラテ」(Tall/持ち帰り540円、店内利用550円)はもっちりと吸い付くようなきめ細やかな泡とアーモンドミルクも組み合わせが絶品だった。いずれも和三盆のほんのり優しい甘みに癒やされる。