「折半」「折半する」などはよく聞く言葉ですが、意味を正しく理解できていますか? 似た意味に「割り勘」がありますが、折半との違いを説明できるでしょうか。

本記事では折半の意味や類語、英語表現などをくわしくご紹介します。ぜひ参考にしてください。

  • 「折半」の基本的な意味

    「折半」の基本的な意味や使い方を知りましょう

折半の意味とは

「折半」は「せっぱん」と読みます。意味を確認しましょう。

折半の意味は「二等分すること」

折半とは主に金銭に対して使い、「金銭や利益などを二等分すること」という意味があります。折半の「折」には「折る」のほかにも「切り離す(分ける)」などの意味があります。

折半は「公平にする」のニュアンスが強い

折半は「半分に折る、分ける」という意味から「公平にする」という意味もあります。「利益を折半する」とは「公平に分け合う」という意味です。

  • 「折半」の基本的な意味

    「折半」は「半分にする」という意味があります

折半と割り勘の違いとは?

折半と同じように金銭を等分する言葉に「割り勘(わりかん)」があります。折半と割り勘の違いを確認する前に、割り勘という言葉について解説します。

割り勘は「割り前勘定」の略

割り勘は「割り前勘定」の略です。「割り前」とは「金銭を各自に割り当てること」という意味。割り前勘定は、「勘定(代金)を人数で割り、各自に平等に振り分けて支払うこと」という意味です。

この割り前勘定という言葉は江戸時代に使われていたとされ、それを略した「割り勘」は、大正時代のころから使われ始めたとされています。

折半と割り勘の違いは人数

折半は「半分に分ける」という意味から、基本的には二者間で分けることを言います。これに対し割り勘は、二者に限らず大人数で分けるときにも使える言葉です。

割り勘はフランクな表現なので要注意

割り勘という言葉は深く浸透していますが、ややフランクな印象を与えます。友人や同僚に対してはいいですが、ビジネスシーンで上司や顧客に対してはあまり適切とは言えません。割り勘にしたい場合には「各自3000円とさせていただきます」のように、別の言葉に置き換えるとよいでしょう。

  • 「折半」と「割り勘」の違い

    「割り勘」はくだけた言葉のため、ビジネスシーンでは適さないことも

折半の使い方

折半の本来の意味は「半分にする」「二等分する」ですが、以下のようなニュアンスも含んでいます。

動詞形「折半する」を使用することが多い

折半を動詞にすると「折半する」となります。例えば同僚と2人で食事に出かけ、会計を二等分したという際は「会計を折半にした」とするか、「会計を折半した」とすることもできます。

出費や利益に対して使う

「折半」は主に出費や利益など、金銭面において使われます。例えば明治の作家・徳富蘆花(とくとみろか)の著書『思出(おもいで)の記』には、「叔父は已に父と身代を折半したを以て足れりとせず」という一文が出てきます。「身代(しんだい)」は「資産」「給金」を意味する言葉なので、この頃にも金銭を分けるという意味で「折半」が使われていたことがわかるでしょう。

基本的に、二者間で使う

折半は「半分にする」という意味なので、基本的には二者いる場合に使います。ただし、それ以上いる場合でも「ここはみんなで折半しましょう」などと使われることもあります。

  • 「折半」の使い方

    折半を使うのは、基本的には二者間です

折半の例文

折半の例文をまとめました。日常でも、ビジネスシーンでも使われます。

家賃を折半する

同棲やルームシェアなど、ひとつの家に複数の人が住んでいる場合に、その2人で家賃を公平に分けて支払うということを表しています。3人以上で分けるときに使われることもありますが、本来の折半は「半分に分ける」という意味であることを覚えておきましょう。

折半で出資する

例えば共同経営の企業で他社に出資するとき、または2人で企業を立ち上げようとして出資したときに、折半という言葉を使えば平等に金額を出し合ったことがわかります。

  • 「折半」の例文

    折半の例文を紹介しました

折半の類語・言い換え表現

折半の意味を確認したところで、次に類語を紹介します。「等しく分ける」という意味を持つ単語はいくつかありますが、折半のように金銭や利益に対して使われる代表的な言葉は以下の2つです。

頭割り

「頭割り(あたまわり)」は「金品などを、人数に応じて等しく分ける」という意味があります。「報酬はすべて頭割りにする」などと使うことができます。折半のように二者間に限らず、それ以上の状況でも使うことができます。

山分け

「山分け(やまわけ)」は「手に入れたものを半分に分ける、等分する」という意味があります。「半分に」という意味があるように、基本的には折半のように二者間で分け合うことを指しています。ただし「山分け」には「等分する」という意味もあるため、それ以上の状況で使ったとしても間違いではありません。

  • 「折半」の類語

    折半の類語には頭割りや山分けなどがあります

折半・折半するの英語表現

折半の英語表現について解説します。

折半は「fifty-fifty」

折半は英語で「fifty-fifty」と訳されます。直訳は「50と50」で、「半分に分ける」という意味になります。「go fifty-fifty」で「折半にする」という意味になります。

  • go fifty-fifty with a person.(人と分け前を半々にする)
  • share the profits fifty-fifty.(利益を折半する)

折半するは「halve」

折半するという動詞は「halve」という単語にも訳されます。「go halves」と言い換えることもできます。

  • go halves on the proceeds.(売上金を折半する)
  • 「折半」の英語は?

    海外の人と「折半」するときに使えるでしょう

折半とは金銭や利益を半分に分けること

折半という言葉についてまとめました。折半のもともとの意味は「金銭や利益を二等分すること」です。このことからわかるように、折半は2つに分けるときに使います。それ以上に分けるときに使われることもありますが、本来の意味を忘れないようにしましょう。

折半に対して割り勘は、3人以上の大人数で金額を分けるときにも使うことができます。ただし割り勘は少し砕けた印象の言葉のため、ビジネスシーンで上司や顧客がいる場では避けるほうが無難です。「おひとり3000円とさせていただきます」のように、別の言葉で言い換えましょう。