「あの時、あんなこと言わなきゃよかった」「本当はこう言いたかったのに」と、後悔していることはありませんか? 特に子どもは言葉の使い方を間違えてしまったり、つい余計なことを口走ったりしてしまうことも……。そんな時、やり直しや取り消すことができたらいいですよね。
小学校で生徒指導を担当されているエイさん(@zikatu1)は、子どもに、発言し直す、あるいは発言を取り消すチャンスを与えるようにしているのだとか。その方法が、こちらです。
カウンセラーさんが『今のなし権』を先に伝えてると聞き、生徒指導で取り入れている。子どもはつい口走っちゃうこともあるし、嘘をついちゃうこともある。だからそんな時は、怒らず「今のは本心?それともなしにする?」と聞く。「今のはなし」「OKじゃあ忘れる」子どもには黙秘権よりこっちの方がいい
(@zikatu1より引用)
大人に怒られまいとして、つい嘘をついてしまうことって、少なからずあると思うのですが、それをなかったことにしてあげるというこの方法、素晴らしいですね。
この投稿に「これは発明だ…! 」「その取り組み最高ですね」「すごくいいこと聞いたという気持ち。目から鱗? 」と、称賛の声とともに、早速取り入れたいという声も多数寄せられていました。
・すごく良い試みだと思う。そうやって許された子は、きっと他人に寛容になれる。
・ちょっと導入してみようかな 高校生だけど生徒指導で…。
・これいいな、言ったことを責めるように詰めてしまうより、取り消せば忘れてもらえるほうが子供にとってやり直しの機会を与えられてる感じになるんだろうな。
・いい! とてもいいですね! 大人もどんどん使いたいし、逆に使われたらスッキリ忘れる力もつけたいところ。
・この考え方は素晴らしい! ダメ出しばかりしていると何も言わなくなって隠し事ばかりになってしまってしまうし、我が家でもぜひ取り入れてみたい!
多くのTwitter民から支持されたこの方法。日頃から多くの子どもたちと接するエイさんは、具体的にどんな効果を感じていらっしゃるのでしょうか? エイさんにインタビューしてみました。
―― 日々子どもたちと接する中で、「今のなし権」が必要だと思われるのはどんな場面ですか?
エイさん:「今のなし権」は子どものトラブル対応や生徒指導として話を聞く場面で必要だと感じてます。
―― 「今のなし権」は、具体的に子どもにとってどんなメリットや効果があるとお考えになりますか?
エイさん:子どもは、「怒られる」と思うと萎縮して黙ったり、嘘をついたりしてしまうことがよくあるので、言い直せる権利が分かることで安心して話せるメリットがあると思います。また、子どもの本心を聞き出せると、教員はトラブル解決や適切なサポートができるので、そういう面でも子どもにはメリットがあると思います。
―― エイさんご自身が、子どもと対話する際に心がけていることや気を付けていることがあれば教えてください。
エイさん:大事にしているのは、カウンセリングマインドです。生徒指導担当をする中で、初めは“指導“しなくてはと怖い生徒指導者になろうとしていましたが、生徒指導の元はアメリカのスクールカウンセリングをモデルにしてると知り、そこからは子どもの思いに寄り添うカウンセリングマインドを大事にするようになりました。今は怖さのかけらも感じさせないように気をつけて、とにかく話しやすい雰囲気を大事にしています。
―― 今回のツイートに多くの反響が寄せられていますが、率直な感想を教えていただけますでしょうか。
エイさん:こうして広がるとなんだか自分のツイートしたものではない気がしてしまうのですが、「子育てに役立てます! 」というコメントなどを頂き、誰かの役に立てたことをうれしく思います。
怖さを感じさせないよう気を付けて子どもに接しているというエイさん。こうしたツイートをきっかけに、エイさんのような先生が増えてくれるといいですね。エイさんのツイートは、どれも「なるほど! 」と勉強になるような投稿ばかりなので、興味のある方は、チェックしてみてくださいね。
カウンセラーさんが『今のなし権』を先に伝えてると聞き、生徒指導で取り入れている。子どもはつい口走っちゃうこともあるし、嘘をついちゃうこともある。だからそんな時は、怒らず「今のは本心?それともなしにする?」と聞く。「今のはなし」「OKじゃあ忘れる」子どもには黙秘権よりこっちの方がいい
— エイ (@zikatu1) January 12, 2022