6月上旬にクランクインし、約半年が過ぎた。日々、義時のことを考え演じている中で、「自分が義時なのか、義時が自分なのかわからなくなってくる」という感覚があるそうで、「大河ドラマで主役をやらせてもらっている醍醐味だなと感じています」としみじみ。

そして、「道のりが長いので大変だなと思うことは多いです。ほぼ毎日撮影をしているので、不思議な感覚です」と言い、「まだまだ全然ゴールも見えないですし、それでいて半年も撮影が過ぎている。いつもは仕事に行っている感覚ですが、その感覚とは変わってきていて、生活の一部になってきている。こういうことをライフワークと言うのかなと感じています」と話した。

このような感覚は大河ドラマの主演ならではの経験だと思うが、現場では、座長としての振る舞いを意識することなく、自然体で過ごせているという。「いろんなところで自分の現場を持たれている方たちもいっぱいいるので、僕が引っ張って『こんな現場にするぞ』ということをしなくていいのですごく楽で助かっている。僕も居たいように居て、非常に居心地よくやらせてもらっています」。

また、「徐々に積み上げている関係性や信頼が、どんどん現場を良くしているという感覚はあります」と、撮影を重ねる中で現場への手ごたえが増しているようだ。

「状況が状況なので、現場以外で皆さんとコミュニケーションをとることは難しいですが、小池栄子さん(政子役)、宮澤エマさん(実衣役)、片岡愛之助さん(宗時役)、坂東彌十郎さん(時政役)とは、北条家の家族としての結束が強くなって、父の日に北条のみんなで彌十郎さんにワインをプレゼントしたんですけど、彌十郎さんがとても喜んでくれていたのは印象に残っています」と北条家キャストとのエピソードを明かし、見どころの一つである政子とのシーンについても「小池栄子さんはドシっと構えて受け止めてくれる方なので、楽しいものになっていると思います」と語った。

注目の第1回「大いなる小競り合い」で描かれるのは、1175年、平清盛(松平健)が大権力者として君臨していた日本。伊豆の地では、北条義時(小栗旬)が兄・宗時(片岡愛之助)、姉・政子(小池栄子)らとのんびり暮らしていた。しかし、流罪人・源頼朝(大泉洋)が義時の幼なじみ・八重(新垣結衣)と恋仲になり、男児が生まれたことで状況は一変。清盛から頼朝の監視を任されていた八重の父・伊東祐親(浅野和之)は激怒する。そして、頼朝が姿をくらます中、北条家にも捜索命令が下る。

■小栗旬
1982年12月26日生まれ、東京都出身。98年、ドラマ『GTO』で連続ドラマレギュラーデビュー。03年、舞台『ハムレット』で蜷川幸雄演出の舞台に初出演し、蜷川作品の常連となる。『花より男子』シリーズ(05~07)、『花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~』(07)で一気にブレイク。『クローズZERO』シリーズ(07/09)の大ヒットで人気を不動のものとする。『シュアリー・サムデイ』(10)で映画監督デビューも果たした。近年の主な主演作は、映画『銀魂』シリーズ(17、18)、『人間失格 太宰治と3人の女たち』(19)、『罪の声』(20)、ドラマ『日本沈没-希望のひと-』(21)など。

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