お年玉を渡す時に、金額やポチ袋の書き方、お金の入れ方は押さえておきたいポイントです。また、せっかくお年玉を渡すのであれば、お年玉とは何なのか、その由来を理解したうえで渡すことができればいいですよね。

この記事では、お年玉とは何なのか、お年玉の由来や渡す時のマナー、ポチ袋へのお金の入れ方などを紹介します。2022年のお年玉を用意する前に、ぜひご一読ください。

  • お年玉とは

    お年玉の由来や渡す時のマナーなどを紹介する記事です

お年玉とは

お年玉とは、新年を祝う時の贈り物のことです。現在では主に、子どもや使用人など目下の人に対して贈る金品を指します。

お年玉の由来

お年玉の由来は、「御歳魂」という言葉です。「御歳魂」とは、年末年始に歳神様(年神様)を迎えるために供えられた丸い鏡餅のことを指していました。鏡餅は、お供えした後、家族や奉公人に分け与えられていたことがお年玉の由来です。

鏡餅は年神の生命ともされていて、家族に分け与えることで、1年無事に過ごせるように祈るという側面もあります。

お年玉の金額は年々増えている

リーディングテックが発表した「お年玉実態調査2020」によると、1940年代の1人あたり(1封あたり)のお年玉平均額は1,000円台でしたが、2000年代は6,000円台と、約5~6倍もの金額になっています。

しかし、1947年と2017年の物価を比較すると、消費者物価指数が5.4から100.5と、18倍以上です。物価上昇ほどにはお年玉が上がっておらず、約70年前のほうがお年玉を奮発していたことがわかります。

お年玉の起源

お年玉はお正月に渡すものとして知られています。お正月とは、新年の神様である「歳神様」を各家庭に迎えて、もてなして見送る行事です。歳神様は、新しい年の幸福や恵みとともに魂を分けてくれることで、元旦がくるたび一斉に年をとるとされていました。これは数え年の由来でもあります。

歳神様の御霊(みたま)が宿るのが鏡餅で、その餅玉がその年の魂となる「年魂(としだま)」と呼ばれていました。年魂をあらわす餅玉を、家長が家族や奉公人に「御年魂」「御年玉」として分け与えていたのが、「お年玉」の由来です。

海外(中国・韓国)のお年玉事情

お年玉は日本独自の文化だと思っている人は多いかもしれませんが、周辺諸国でも似たようなことが行われています。

中国では、紙幣に呪術的な力があると考えられていて、漢代以降にお守りとして貨幣を持たせるようになりました。その際に紙幣を入れる袋のことを「紅包」と呼んでいます。

韓国の場合、日本や中国の影響を受けてお年玉文化が広がったという説が有力です。ただし、日本や中国のように袋に入れてお金を渡すのではなく、そのまま現金を渡します。

  • お年玉とは

    お年玉とは新年を祝って子どもや目下の者に渡す金品を指します

お年玉のマナー

お年玉を渡す時にはいくつかマナーがありますので、渡す前に確認しておきましょう。

年齢や立場が下の人に対して贈る

お年玉は下記のように、目上の人から目下の人へ渡すものです。 - 家長から家族へ - 主人から使用人へ - 師匠から弟子へ など

目上の人に新年の挨拶として贈り物をする場合は「お年玉」ではなく「御年賀」「御年始」などを用いましょう。

お年玉を上げるのがNGな相手は

お正月に周りの人にお年玉を上げることはありますが、下記のような相手に対してはお年玉として渡すのがマナー違反となってしまいます。

  • 親(「御年賀」として渡す)
  • 上司の子ども(「文具料」「玩具料」としてか、商品券、品物などを渡す) など

お年玉として渡していい相手かどうかをよく考えて渡しましょう。

お返しの義務はない

一般的に、お祝いをもらったら、くれた人にお返しの品物を贈るのがマナーです。ただしお年玉の場合、子どもも親もお返しをする必要はありません。

もらいっ放しでは気兼ねしてしまう人もいるかもしれませんが、子どもがいる家同士で互いに贈り合うと、お返しを贈ったのと同じことです。もし子どもがいない人からお年玉をもらったら、こちらから渡す機会はありませんので、手土産を用意しておくといいでしょう。

  • お年玉のマナー

    お年玉を渡す時のマナーとして渡す相手などに注意しましょう

お年玉のポチ袋への入れ方

お年玉を渡す時には、ポチ袋に入れて渡すのが一般的です。そこで、現金をポチ袋に入れる時のポイントを紹介します。

開いた時に表が見えるように入れる

紙幣をお年玉とする場合は、折ったお札を開いた時に表が出るように折ります。お札は肖像があるほうが表ですので、まずは表を上にして左側、右側の順で谷折りにして三つ折りにします。ポチ袋の表を上にして、折ったお札を入れましょう。

硬貨は製造年が刻印されているほうが裏で、絵柄や漢数字があるのが表です。表が前になるようにして硬貨をポチ袋に入れましょう。

ピン札を入れた方がいい?

お年玉は新年のお祝いとして贈るものです。相手のために用意したという気持ちを込めて、できればピン札で贈りましょう。

ただし子ども相手ですので、ピン札であることはそこまで重要視されません。急に友人の子どもに会うことになった場合は、手持ちのお札で問題ありません。

ポチ袋を持っていない場合の対処法

売買する時以外のお金は、紙や布で包んで渡すのがマナーであり、そのまま渡してはいけません。

ポチ袋の手持ちがなくて、懐紙などの白い紙も手元になければ、ティッシュペーパーでもいいので手持ちの紙に包んで渡してください。その際、ポチ袋がないことに対するお詫びの言葉を添えましょう。

ポチ袋への宛名の書き方

お年玉を入れるポチ袋には、基本的には渡す相手の名前を表面(できれば左上)に記載します。ただし書く場所がない場合や、指定されているデザインのポチ袋の場合は、他の場所でも問題ありません。

その後は、自分の名前を裏面の左下などに記載しましょう。

  • お年玉のポチ袋への入れ方

    お年玉をポチ袋に入れる時のポイントを紹介しました

お年玉と一緒に押さえておきたい関連語

「お年玉」という言葉が使われる時期は限られています。「お年玉」と同じ時期に使う機会がある言葉についてみていきましょう。

お正月とは

お正月とは、下記のような1年の初めを指す言葉です。

  • 新年の祝いの期間
  • 1月
  • 正月3が日
  • 松の内
  • 小正月
  • 年末年始のホリデーシーズン

「お正月」という言葉がどの期間を指すのかは、状況によって異なります。

ポチ袋とは

ポチ袋とは、チップ・心付け・お年玉などの、少額の金銭を渡す際に使う袋のことです。

特にお年玉を入れる際によく使われ、子どもが喜ぶようなかわいいデザインやおしゃれなデザインのポチ袋が増えています。

お雑煮とは

お雑煮とは、餅や具が入った汁物のことです。地方により具が異なり、澄まし汁や味噌汁など、出汁の種類も地域ごとに異なるのが特徴です。

お雑煮は、主に正月の祝い膳に用いられています。お雑煮の由来は、鏡餅を分けた餅玉を食べるための料理です。お雑煮で歳神様の魂が宿った餅を食べることで、体に歳神様の魂を取り込んでいました。

お年賀とは

お年賀とは、新年の挨拶をする時に、「今年もよろしくお願いします」という気持ちを込めて挨拶の品物として持参する品物のことです。基本的には目下から目上に対して贈るものを指します。

お年賀を渡す時には紅白や赤金で印刷されたのし紙を使用しましょう。水引の結び目の上に、「お年賀」と書いて、下に自分の氏名を記入して渡します。

  • お年玉と一緒に押さえておきたい関連語

    お年玉と似た時期に使われることが多い関連語を紹介しました

お年玉の英語表現

英語圏に「お年玉」の風習はありませんので、英語では「otoshidama」です。ただし、相手に内容がわかるように表現する際には、「a New Year's gift」と表現します。

  • お年玉の英語表現

    お年玉の英語表現を紹介しました

お年玉は目上の人から贈るもの! マナーを理解して渡そう

お年玉とは新年を祝って贈る金品のことで、子どもや目下の人などに贈ります。お年玉の由来は「御歳魂」で、お正月に歳神を迎えるため供えられた丸い鏡餅のことを指していました。

お年玉は年齢や立場が下の相手に対して贈るのがマナーで、親や上司の子どもなどに上げるのはNGです。もらった場合も、お返しの義務はありません。

お年玉をポチ袋に入れる時には、入れ方や宛名の書き方など気をつけるべき点がいくつかありますので、押さえておきましょう。

お年玉の由来やマナーは、大人として押さえておきたいポイントです。この記事の内容を、お年玉を上げる時の参考にしてください。