――お仕事についても質問させてください。ドラマにも出演されたりしていますが、今回の声優のお仕事も含め、演技の面白さをどのように感じていますか?

自分とは違う人生を味わえるのはすごく勉強になるし、自分の糧になるなと感じています。いろんな人の考えを学ぶことができると、いろんな人と出会った時により思いやりを持てるような気がしていて、相手の立場や考えを慮れる人になれる一つのきっかけになると思うので、すごい素敵なお仕事だなと思います。

――情報番組やバラエティ番組にも出演されていますが、最近特にやりがいを感じているお仕事を教えてください。

デビュー当時は、たくさんの人に会えてもすぐさよならになるのが寂しくて、一期一会感が切なかったんです。せっかくお会いできても、次いつ会えるか確約がない職業なんだなと思っていましたが、長く続けているとまた会えるのだとわかってきました。10年くらい経ってからまた共演したり、スタッフさんと再会したり、人との出会いをうれしく感じています。

――どの仕事が特に楽しいということではなく、人との出会いが仕事の楽しさになっているんですね。

そうですね。人との出会いがうれしく、お仕事をしていて良かったなと感じるので、続けていったときにまたお会いできるかなという喜びや期待になっています。『ボス・ベイビー』も、前回みんなで「また会えますように」と話していたので、3年越しにまたお会いできてすごくうれしいです。

――今年40歳になられましたが、家庭と仕事とのバランスはどのように考えていますか?

年齢を重ねてきて、今は健康でいることが一番だなと感じています。健康でいるとすべてが明るく回るので。30代までは子供も小さくて生活のリズムが大変で、自分の健康は二の次になっていましたが、子供も成長してきたので、自分自身の体調も家族の体調も整えてゆったり進めていけたらいいなと考えています。

――少し余裕が出てきて、お仕事を増やしていこうといった変化はありますか?

お仕事もご縁だと思うので、その時に巡り会えたものを一生懸命やりたいなと。何かに比重を置くというより、与えられたことを精一杯できればいいなと思っています。

――今後挑戦していきたいことがありましたら教えてください。

書道を習いたいです。小学生の頃に書道を習っていて、その時間がすごく好きでした。1人で向き合う、静かで研ぎ澄まされた時間が私の中で貴重な時間になっていて、その時間があったから頑張れたというのがあったので、もう一度習い直したいなと。ジャニスのような年齢になったときに趣味があると楽しいと思うので、習い事を始めていきたいです。

――お仕事面で挑戦したいことはありますか?

これまでやりたいなと思ったことがやれてきていて、欲をかかずに生きていきたいと思っているので、これからも私に合っていると思って声をかけてくださったことを精一杯やっていきたいと思います。

――『逃げるは恥だが役に立つ』(2016)の最終回に藤井さん演じる日野の妻役としてサプライズ出演された際は、すごく話題になりましたね。

以前舞台でご一緒した古田新太さんが声をかけてくださって、そのときもご縁だなと感じました。以前共演した方が声をかけてくださることで、またお会いできて、新しい作品に巡り会えたので、やはり人とのつながりって大事だなと思います。

――最後にこれから本作をご覧になるファンの方にメッセージをお願いします。

今回は、家族の大事さや絆をより感じられる作品になっています。ティムとボス・ベイビーが大人になって少し疎遠になってしまうのですが、皆さんの中にも、家族や親戚と疎遠になってしまっている方がいると思います。特に今のご時世なかなか集まることができなくなっていますが、この映画を見ると会いたくなると思います。仲のいいお友達や家族を思い出せるってすごく素敵だなと思うので、ぜひ劇場に足を運んでいただきたいです。

■乙葉
1981年1月28日生まれ、長野県出身。1999年に雑誌デビューし、ドラマやバラエティ、CMなど幅広く活躍。現在は、『土曜はナニする!?』(関西テレビ)で準レギュラー、『梅沢富美男と東野幸治のまんぷくメシ!』(NHK)でナレーションを務めている。プライベートでは、2005年7月にお笑いタレントの藤井隆と結婚し、2007年10月に第1子となる長女を出産。2015年には「いい夫婦 パートナー・オブ・ザ・イヤー」を受賞した。

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