お年玉はポチ袋に入れて渡すのが一般的ですが、お金の入れ方にもマナーがあります。

今回はお年玉をあげ慣れていない人のために、お年玉の入れ方やポチ袋の正しい使い方について解説していきます。お札の折り方や入れる向き、ポチ袋を使用する際のマナー、またお年玉の相場についても紹介しますので、参考にしてください。

  • お年玉の入れ方・ポチ袋の使い方

    お年玉の入れ方について解説します

お年玉のポチ袋への入れ方

お年玉は一般的にポチ袋に入れて渡します。ポチ袋はサイズやデザインなど種類が多く、未就学児や小学生ぐらいの子どもにあげる場合は人気のキャラクターものを選んだり、中学生以上には少し大人っぽい柄のものを選んだりと、渡す相手に合わせて選ぶようにしましょう。

年末になると、書店や文房具店、スーパーやコンビニなどの店頭でもポチ袋が手に入りますので、何種類かそろえておくといいでしょう。

お年玉はポチ袋にお金を入れて渡しますが、いくつかおさえておきたいマナーがありますので紹介します。

お札の入れ方と向き

お札の折り方についてはのちほどくわしく説明しますが、お年玉をポチ袋に入れるときは、「お札の肖像がある表が内側」になるようにして折り、向きはお札の天地(上下)が逆さまにならないようにしてそのまま入れます。

硬貨の入れ方

硬貨にも表と裏があるのをご存知でしょうか。硬貨をポチ袋に入れる際には、硬貨の表側がポチ袋の表になる向きで入れます。

硬貨は柄や漢数字が入っている面が表、製造年や大きな数字が書かれている面が裏になります。

  • お年玉の入れ方・ポチ袋の使い方

    500円玉では、左が裏、右が表です

ポチ袋にお札を折らずに入れる場合の向き

大き目のポチ袋でお札を折らなくても入るときは、ポチ袋の表側にお札の表側がくる状態で入れます。

お札の上下の向きは、肖像画の顔がポチ袋の上側にくるようにしましょう。

ポチ袋の名前の書き方

ポチ袋には、お年玉を渡す予定の子どもの名前を表面に、自分の名前は裏面に記入するのが基本です。

しかし、ポチ袋のデザインによっては、名前を記入する欄があらかじめ設けてあることがあります。その場合は、デザインの指示通りに書くことをおすすめします。

関連記事: お年玉袋の書き方とは? お札の入れ方・マナーや注意点なども解説

  • お年玉の入れ方・ポチ袋の使い方

    お年玉をポチ袋に入れるときはお札の向きに気をつけましょう

ポチ袋に入れるお札の正しい折り方

「お札はポチ袋のサイズに合えば、適当に折って入れればいいだろう」と考えている人もいるかもしれませんが、お札の折り方にもマナーがあります。

お札は三つ折りにして入れる

ポチ袋に入れる際は、お札は三つ折りにして入れるのが基本です。ポチ袋が小さくて三つ折りでは入らない場合は、四つ折りにして入れることもありますが、「4」は死を連想させる縁起が悪い数と考えられています。

お年玉を受け取った子どもは気にしないかもしれませんが、親御さんの中には気にされる人もいるかもしれないので、四つ折りは避けるようにしましょう。

お札の折り方の手順

千円札、五千円札、一万円札、どのお札も三つ折りにして入れましょう。お札の肖像がある表が内側になるように折るのがマナーです。

三つ折りの手順は以下の通りです。

  1. お札を表に向けて置く
  2. 左側を1/3ほど折り曲げる
  3. 次に右側をさきほど折った左側にかぶせるようにして折る
  4. 右側が上になった状態で、肖像が逆さまにならないようにしてポチ袋に入れる

ポチ袋のサイズによっては、三つ折りではなく二つ折りになってもかまいません。その際も三つ折りと同じようにお札の表が内側になるようにして折ります。

複数枚の場合の折り方

千円、五千円、一万円以外の金額であげる人もいるでしょう。複数枚になる場合は、お札を重ねて一緒に折ります。折り方は上記で紹介した1枚のときと同じです。

  • お年玉をあげる際のお札の正しい折り方

    ポチ袋にお札を入れるときは三つ折りが基本です

ポチ袋にお年玉を入れる際のマナー

お年玉には、お札を入れる向きや折り方といったマナーのほかに、あげる金額や渡し方にも覚えておくべきことがいくつかあります。恥ずかしい思いをしないためにも、お年玉を渡す前にきちんと把握しておきましょう。

お年玉のお札はなるべく新札を用意する

新年に渡すお年玉には、新札を入れるのがマナーです。新札は事前に用意する必要があるため、「相手のためにわざわざ用意していた」という気遣いを示すことにもつながります。

お年玉を受け取る子どもたちは、新札かどうかなどはあまり気にしないかもしれませんが、親御さんは「新札を用意してくれてありがとう」という感謝の気持ちを抱くでしょう。

年末は忙しい時期ではありますが、お年玉を楽しみに待っている子どもたちのため、新札を多めに用意しておくのがおすすめです。どうしても新札が用意できないというときは、なるべくきれいな状態のお札を選んで渡しても問題ありません。

お年玉に「4」「9」がつく金額は避ける

「四つ折り」はあまりよくないと説明しましたが、お年玉の金額を決める際にも、4,000円、4万円など「4」がつく金額は避けるようにしましょう。

また、「9」という数字も「苦」を連想させることから、日本ではよい印象を与える数ではありません。9,000円など、9がつく金額も同様に避けた方が無難です。

目上の相手の子どもにお年玉をあげるのはNG

お年玉の由来として、目上の人が目下の人に渡す風習がはじまりです。よって、自分よりも目上の相手の子どもにお年玉を渡すのは避けましょう。上司や先輩のお子さんにお年玉を渡すのもマナー違反となりますので覚えておきましょう。

しかし、新年のあいさつなどで上司や先輩のお宅に伺う際、そのお宅の子どもにお年玉を渡さないというのも心苦しいものです。

その場合は、機転を利かせておもちゃやギフトカード、図書券など、現金以外のものを渡すのもいいでしょう。上司や先輩に新年のあいさつに伺う予定があるという人は、お子さんの年齢を考えて事前に贈るものを用意しておきましょう。

また、社会人になったから、自分の親にお年玉を渡したいという人もいるのではないでしょうか。親は子どもより目上の存在ですので、お年玉ではなく御年賀として渡すようにしましょう。

お年玉を渡す際に手元にポチ袋がないときは?

お年玉は基本的にポチ袋に入れて渡すのがマナーであり、お札をそのままの状態であげるのは失礼にあたります。ポチ袋を購入する際は何枚か余分に買っておき、バッグに入れて持ち歩いておくと安心です。

しかし、ポチ袋がない状況でお年玉を渡さなければならないケースもあるでしょう。その場合は、手持ちの紙や折り紙などに包んで渡します。出先で紙なども用意できないときは、ティッシュに包んで渡しても問題ありません。

  • ポチ袋にお年玉を入れる際のマナー

    お年玉のマナーを覚えておきましょう

お年玉の金額相場

お年玉は金額が多すぎると親御さんに負担をかける心配がありますし、少なすぎても失礼にあたる可能性があります。あげる子どもの年齢に合わせてお年玉の相場を考慮した金額を渡すのが無難でしょう。

ここでは、年齢別のお年玉の相場を紹介します。

未就学児へのお年玉相場

0歳から2歳ぐらいの幼い子どもはお金の価値がまだ理解できない年齢ですので、お年玉をあげる場合は「500円~1,000円程度」の少額が相場です。

また、幼稚園に入る3歳から5歳の子どもは、だんだんとお金の意味もわかってくる年齢ですが、お金の管理はまだ親御さんがしている家庭がほとんどですので、赤ちゃんのときと同様に「1,000円以下~2,000円程度」を相場とする人が多いようです。

まだまだお金の価値を理解できていない年齢ですし、お札より小銭の方が喜んでくれることも多く、500円玉を2枚入れて渡す人もいます。

小学生へのお年玉相場

小学生でも低学年では「3,000円程度」、高学年になると「5,000円程度」をお年玉の相場とする人が多くなっています。子どもの人数が多い家庭などでは、祖父・祖母をはじめとする親戚からの金額を統一しているケースもあるようです。

中学生へのお年玉相場

中学生へのお年玉は「5,000円程度」を相場とする人が多いようです。小学生のときとは金額に差をつける人が多く、年齢が上がるにつれ高額になっていきます。

高校生へのお年玉

高校生になるとさらに高額になって、「5,000~10,000円」を相場とする人が多くなります。キリがよい10,000円を渡すという人や、孫が少ない祖父母の中には、もう少し多めにあげる人もいるかもしれません。

大学生へのお年玉相場

大学生以上の学生の子どもにお年玉としては、「1万円程度」を相場とする人が中心になります。

中には「高校を卒業したらあげない」という人も少なくありませんが、親戚の子どもなど近しい間柄の子どもには「学生の間はあげる」「成人するまではあげる」という人もいるようです。

  • お年玉の相場を知っておこう

    お年玉の相場は事前に把握しておきましょう

お年玉の正しい入れ方を知っておこう

お年玉は、お正月に子どもたちが指折り数えて待っている楽しみのひとつ。新年をお祝いする気持ちや子どもたちの健康や幸せを願って渡すお年玉は、正しいマナーを知った上で渡したいものです。

はじめてお年玉を渡すという人に限らず、今までも渡してきた経験があっても、お年玉の正しい入れ方などの作法を把握していなかったという人がいるのではないでしょうか。この記事を参考に、気持ちよく新年を迎えてくださいね。